ハードウエアの考え方
Linux におけるハードウエアのサポート
Linux ベースのオペレーティングシステム (openSUSE を含みます) において、ハードウエアに対するサポートは様々な状況にあります。製造元によってはドライバを公開している場合がありますが、全く公開していない製造元もあります。多くの場合、フリーソフトウエアを信じる人々がハードウエア向けのドライバを作成しています。また、製造元によっては、特定のハードウエアに対してオープンソースではない (プロプライエタリな) ドライバを提供している場合があり、ライセンス上の都合から openSUSE に同梱できるものから、同梱できないもの (そのため、サポートも提供することができないもの) まで様々なものがあります。また、ドライバによっては設定するのに時間がかかるものもありますし、すぐに利用できるようになるものもあります。たとえばグラフィックカードやオーディオ、無線 LAN などのドライバなどがそれにあたります。
なお、新しいハードウエアを購入する場合は、事前に HCL をご確認いただくとよいでしょう。
Linux におけるハードウエア向けドライバ
Linux では、ドライバは "カーネルモジュール" として実装されています。カーネルモジュールは Linux の起動時に読み込むことができるほか、 Linux の動作中に読み込んだり読み込みを解除 (アンロード) することもできます。カーネルのパッケージ内には多くのドライバが提供されていますが、個別の提供されているようなものもあります。また、 openSUSE では非オープンソース (プロプライエタリ) のドライバを同梱しておりませんので、それらのドライバは製造元や第三者の提供するリポジトリなどから利用する必要があります。その代わり、 openSUSE では多くのハードウエアに対応するため、オープンソースのフリーソフトウエアドライバを提供して対応しています。
openSUSE におけるドライバの詳細については、下記をお読みください:
- nVidia グラフィック: SDB:NVIDIA
- ATI グラフィック: SDB:ATI
- Web カメラ: HCL:Web カメラ
- 無線 LAN: HCL:ネットワーク (無線)
- 一般的なハードウエア互換性リスト (ドライバ情報を含む): HCL
ハードディスクドライブ: パーティションテーブル
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Linux と Microsoft Windows では、ハードディスクの命名方法が異なります。 openSUSE 10.3 以前では、 EIDE/IDE 接続のハードディスクドライブは "hd" という接頭辞で始まり、検出順に "a" から始まるアルファベットが付加される仕組みになっています (つまり、 hda, hdb, hdc ... のようになります) 。 SCSI や SATA 接続のドライブの場合、ハードディスクドライブは "sd" という接頭辞で始まり、同様に検出順に "a" から始まるアルファベットが付加される仕組みになっています (つまり、 sda, sdb, sdc ... のようになります) 。また、各ドライブ内で検出されたパーティションには、 1 から始まる番号が付けられます (つまり、 hda1, hdb1, hdb2, hdb3, hdc1, sda1, sda2 のようになります) 。同様に、フロッピィディスクドライブは "fd" という名称になります。
openSUSE 10.3 およびそれ以降では、 libata を使用するようになったことにより、 EIDE/IDE 接続のハードディスクドライブも sda, sdb ... のような命名規則を使用するようになっています。
Linux におけるハードディスクドライブのパーティションは、 PC 標準に従ったものとなっていて、 Linux 独自のものではありません (つまり、 Windows と共通の仕組みになっています) 。それぞれのハードディスクドライブにはパーティションテーブルと呼ばれるものが 1 つだけ存在し、 0 から始まる最大 4 つまでの項目 (プライマリパーティション) を記述することができます。また、その 4 つの項目の中のいずれかを拡張パーティションとして設定することができます。この拡張パーティションには、さらなる論理パーティションを記述することができますので、 4 つ以上のパーティションを設定したい場合は、この拡張パーティションを利用して設定します。論理パーティションは 5 から始まる番号を利用します。下記に Windows と Linux の両方がインスト―されている PC のハードディスク設定例を示します:
名前 | ファイルシステム | サイズ | 用途 | マウントポイント | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
hda1 | NTFS | 32 GB | Windows OS | /windows/C | 縮小済み |
hda2 | NTFS | 8 GB | Windows 復元パーティション | Do not mount | 移動済み |
hda3 | - | 80 GB | 全 Linux ファイルを保持するパーティション | - | 拡張パーティション |
hda5 | ext3 | 12 GB | Linux OS | / | 論理パーティション |
hda6 | swap | 1 GB | RAM の拡張用 | - | 論理パーティション |
hda7 | ext3 または reiserfs | 67 GB | ユーザのファイル | /home | 論理パーティション |
より複雑な例としては、下記のようなものがあります (openSUSE 10.3 以降の命名規約を利用している場合):
名前 | ファイルシステム | サイズ | 用途 | マウントポイント | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
sda1 | NTFS | 32 GB | Windows OS | /windows/C | 縮小済み |
sda2 | NTFS | 8 GB | Windows 復元パーティション | Do not mount | 移動済み |
sda3 | - | 80 GB | 全 Linux ファイルを保持するパーティション | - | 拡張パーティション |
sda5 | reiserfs | 14 GB | Linux OS | / | 論理パーティション |
sda6 | reiserfs | 5 GB | 利用者が独自にインストールしたプログラム | /usr/local | 論理パーティション |
sda7 | swap | 2 GB | RAM の拡張用 | - | 論理パーティション |
sda8 | ext3 or reiserfs | 20 GB | ユーザのファイル | /home | 論理パーティション |
sda9 | ext3 or reiserfs | 35 GB | ユーザのデータ | /data | 論理パーティション |
sda10 | reiserfs | 4 GB | 暗号化したデータ | /enc (既定ではマウントしない) | 論理パーティション |
上記にも反映してありますが、 openSUSE 10.3 以降では EIDE/IDE 接続のハードディスクドライブも sd(x) の形式で命名されます。