openSUSE Weekly News/204
openSUSE Weekly News 日本語版 第204号 今週の見出し
- openSUSE Board 選挙 2011 投票開始
- David Majda: 既存のアプライアンスを openSUSE 12.1 にアップグレードする
- h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: 3.2 の新機能 (パート 2) – ファイルシステム
- Muktware/Swapnil Bhartiya: openSUSE 12.1 に制限されたドライバーやフォーマットをインストール
- Kohei Yoshida: ODS ドキュメントを開くときのパフォーマンス改善
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
openSUSE 12.1: オール・グリーン!
コミュニティ発のリリース関連ブログ
Roger Luedecke: 12.1 の印象
- レビューのためにとりあえず入れてみて、ちょっと触ってみたうえでの印象を綴った記事も読み物としては興味深いですが、普段使いしているコミュニティ仲間からの声はより納得できる話になっているんじゃないかと思います。あなたの印象と比べて読んでみてください。
"まず最初に、このブログは技術的にしっかりとした裏付けのある文章を目指しているわけでも、ちゃんとまとまった文章を書こうと思ってのものではないことを改めてお断りしておきます。どちらかというと、くだけた文章です。ということで、今回は最近リリースされた 12.1 をこれまで使ってみたところの印象と、新規ユーザに教えておきたいことをまとめてみました。
正直言って、このリリースには良い面、悪い面、両方を感じています。しかし、技術だとかソフトウェアだとかいった Linux ディストリビューションの持つあらゆる要素の複雑さを鑑みるに、こういう印象になってしまうことは別に驚くことではありません。バグについても同様で、これだけの複雑さですからバグが残っているのは不思議ではありません。12.1 には数多くの新しい技術を提供してくれていますが、私自身はほとんど興味を持っていなかったり便利だと感じたりはしていません。バグについては...どうもこのリリースは多いんじゃないかと感じています。とは言っても、それはさほど深刻なことではなく、たまたま気がついたバグが、実は他にも起こっているバグよりもちょっとばかり「目につく」ということでしかありません。私自身もいくつかそういったバグに遭遇はしましたが、それでもなお、コア技術やソフトウェアにもたらされた山のような改善点を見過ごすことはできません。 (...)" (注:1)
Han Wen Kam: 私の openSUSE 12 日記 – 4: ちょっとした不満など
- こちらも openSUSE を日常的に使ってみて感じたことを綴っているブログです。systemd で問題が起こってしまったときに従来の SysV Init で立ち上げる方法など、知っておくと役に立つテクニックなどを紹介してくれていますよ。
"openSUSE 12.1 についての日記の第4回となりますが、ThinkPad と家の PC で本格的に使うようになって2週間が経ちました。使っているといくつかちょっとした不満も感じるもので、今回はその件と、それらに対する回避策をいくつかご紹介したいと思います... そして、そう、(もし詳しく聞きたいという方がいらっしゃるようでしたら) これらのことについては openSUSE フォーラムに投稿してあります。 (...)" (注:1)
openSUSE 12.1 リリースを紹介する記事へのリンク集
Desktop Linux Reviews/Jim Lynch: openSUSE 12.1 KDE
Das U-Blog/Prashanth: レビュー: openSUSE 12.1 GNOME + KDE
My Linux Rig: GNOME 3 と openSUSE 12.1 のレビュー
====Muktware/Swapnil Bhartiya: openSUSE KDE 12.1 レビュー: 前言を撤回します====
お知らせ
Board 選挙 2011
openSUSE Board 選挙 2011 投票開始
"openSUSE Board 選挙の投票期間に入りました! https://connect.opensuse.org/pg/polls/read/digitaltomm/15228/opensuse-board-election-2011 へ行ってあなたの票を投じてください。投票権を持つのは Member の皆さんとなります。
Board は6名のメンバーと1名の議長で構成されます。今回改選対象となるのは、Bryen Yunashko、Pavol Rusnak、Rupert Horstkotter の占めていた席で、この3議席をめぐる選挙となります。
投票締切日は12月16日となります。
全候補者のアジェンダは、Wiki の各候補者名の後ろにある “Platform” から辿れるようになっています。
何か質問がありましたら、選挙管理委員会 (election-officials@opensuse.org) までお問い合わせください。"
候補者より
Pascal Bleser: openSUSE 選挙 2011 の選挙公報
Richard Brown: openSUSE Board に立候補しました
更新状況
ディストリビューション
SUSE Studio
David Majda: 既存のアプライアンスを openSUSE 12.1 にアップグレードする
- SUSE Studio で嬉しいのは、既存の資産 (アプライアンス) を無駄にせず、SUSE Studio 内だけで新しいバージョンのアプライアンスを作ってしまえること。今回も、12.1 の公開からほどなく、この機能が使えるようになったようです。もちろん、SysV Init から systemd への変更など、重要な部分が新しくなっている 12.1 ですので、アプライアンスの構成次第では十分なテストをお忘れなく。
"先週、既存の openSUSE アプライアンスをリリースしたての openSUSE 12.1 に1-クリックでアップグレードできるようにしました。 アップグレードの手順はこれまでのバージョンの時と同様です。作ってある 11.4 (11.3 や 11.2 でも可能) のアプライアンスを開き、Start タブを開いて上部のバーにある Upgrade ボタンをクリックしてください。 (...)" (注:1)
Robert Schweikert: RightScale で管理されたクラウドを
- Amazon Web Services など、いわゆる IaaS (Infrastructure as a Services) タイプのクラウドを使用い、システム設計からアプリケーションの展開、サーバ管理までを自動化するためのクラウド管理プラットフォーム、RightScale が使えるようになっている SLES ベースのアプライアンスが SUSE Gallery からダウンロードできるようになったとのこと (32-bit 版、64-bit 版)。クラウド管理の煩雑さをなんとかもっと楽にできないものかとお考えのあなた、ちょっと試してみてはいかがでしょうか?
チームレポート
Build Service チーム
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 379)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 210)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
1-クリック・アンインストール (得票数: 175)
"簡単にソフトウェアを削除できる手段を!
例えば、あるアプリケーションを 1-クリックインストールで入れたとします (これにより、必要なパッケージが全てインストールされることになります)。そのような場合、その 1-クリック操作で入れたものを簡単に (ここでも 1-クリックで) 削除する手段があるべきです...言い換えると、インストールしたソフトウェアの (依存関係にあるパッケージもまとめての) 「1-クリック・アンインストール」です。"
GRUB v2 へアップデート (得票数: 172)
"GRUB 0.97 に対するバグ修正や追加機能を開発しても、もう GRUB 2 を使うからという理由でアップストリームプロジェクトには受け入れてもらえなくなってしまっています。ディストリビューションを開発するコミュニティの間ではブートローダーの切り替えには抵抗があるようですが、もはやこの膠着状態が解消する見込みはなさそうです。コード自体は綺麗だとも言えませんし、しっかりメンテナンスされているとも言えません。何か新しい機能を追加しようと思ったら、あらゆる実行時の制限をなんとか迂回したとしても、ちゃんと機能するかどうか分からない何段階もの手順を踏まなければいけなくなります。例えば、ファイルシステムの実装はメモリ管理に使える静的なバッファを持ちます。このサイズはたったの 32k です。複雑なファイルシステム、あるいはシンプルなジャーナリングファイルシステムであっても、扱う場合には問題が起こってしまいます (Reiserfs でバグをロードするのが全然終わらないといったようなケース)。というのも、ジャーナルのためにブロックマッピングを行うのに十分なメモリーが割り当てられておらず、メタデータを読み込むごとにいちいちスキャンしなければいけなくなってしまうからです。(本当に、もう。) (...)"
Popularity contest (人気投票) (得票数: 126)
"ユーザに好まれ、良く使われているパッケージについてのフィードバックが必要です。Debian には既に Popularity contest (popcon) という名前のツールが用意されています。
- popcon を再利用することで、Debian 及び Ubuntu と直接的に比較した結果を見ることができる
- パッケージャーチームはパッケージをどうしていくべきか伺い知ることができる
- YaST で使える見通しの良い設定用ダイアログが必要です
- opensuse.org 上にサーバインフラストラクチャーが必要です (いくつか個人情報絡みの問題があります。詳しくは Debian の FAQ をご覧ください)"
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、 先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
KWin のぼかし効果をデフォルトでは有効化しない
"openSUSE の KDE だと (12.1 でも同様に) KWin のコンポジティングが有効になっている/サポートされているとデフォルトでぼかし効果が有効化されています。これは KDE デスクトップの中でも悪評が高いオプションで、画質を悪くしたり動作を重くしたりする原因にしばしばなる効果で、新しいハードウェアを持っていない場合はさらに顕著です。これはどんなディストリビューションについても言えることです。
この効果はデフォルトでは有効化しておくべきではありません。見た目上の利点もそれほど感じられず、むしろパフォーマンスを劣化させる分だけ印象を悪くする可能性もあります。
いろいろなフォーラムを見て回っても、「みんな、ぼかし効果って有効化してる?」というのが、KWin のパフォーマンスが良くないと感じたユーザから発せられる最初の質問の一つとなってしまっています。"
YaST のパーティション設定で暗号化パーティションを判別し、パスワードが求められるようにする
"起動時に暗号化パーティションの暗号解除がされていないシステム上で YaST のパーティション設定を立ち上げると、現状では暗号解除する方法がありません (つまり、パスワード入力のためのインターフェイスがない)。
これは、暗号化パーティションのあるマシン上で openSUSE 12.1 KDE Live CD を動かしてみるとすぐに分かります。パーティションを暗号解除したかったら、Dolphin を使うなりコマンドラインから操作しなければいけないのです。YaST のパーティション設定は暗号化されたパーティションを検出はできるものの、暗号解除する方法は提供してくれないのです。"
YaST のパーティション設定で無効化された VG/LV を検出し、有効化できるようにする
"ときどき、LV (LVM 論理ボリューム) のステータスが「Active」になっていないことがあります。よくこうなってしまうのは、例えば openSUSE 12.1 Live CD を LVM パーティションのあるマシン上で起動した時です。VG (ボリュームグループ) や LV が見えるようにするには、以下の手順を踏まなければいけなくなります:
pvscan # 全物理ボリュームを検出
vgscan # 全ボリュームグループを検出
lvscan # 全論理ボリュームを検出
lvchange -ay /dev/TestingVG/home # デフォルトでアクティブになっていない論理ボリュームをアクティブにする
YaST のパーティション設定で自動的に全物理ボリュームとボリュームグループを検出し、アクティブになっていない論理ボリュームも表示できる (もちろん、それらをアクティブ化できる選択肢も提供する) ようにすべきです。GUI プログラムの中では YaST のパーティション設定こそがこの機能を提供するのに最もふさわしいところだと思うのです。"
Apper ソフトウェア管理にアップデートオプションを
"以下のような機能を追加できたら Apper はもっと良くなると思います。
1. アップデートオプション
今の Apper にはインストール/削除の機能しかありません。アップデートしようと思ったら大変です。
2. パッケージ情報の収集
リポジトリをたくさん有効化している状態でアプリケーションを検索すると、同じ名前のものがいっぱい引っかかってしまいます。場合によっては同じリポジトリ内に異なるバージョンがあることも。これは混乱の原因となります。
3. 自分でインストールしたアプリケーションをアプリケーション一覧の上部に表示し、アップデートできるものについてはその中でも更に上部に表示するようにする。YaST では一覧のところの上部のバーの該当項目をクリックするだけで並べ替えができるのですか、Apper にはそういった方法がないんですよね。"
Apper の代わりに AppSet を
"AppSet を openSUSE のデフォルトパッケージマネージャーとして使うことができるのではないでしょうか。Qt で書かれていて、Arch Linux や Chakra Linux だとかいった (KDE を採用している) 他のディストリビューションで使われているものです。 (...)"
一貫性のあるフォント命名規則を考えましょう
"現在、フォントについての我々の命名規則はバラバラになってしまっています。例を挙げると以下のような感じです:
- farsifonts
- fonts-arabic
- freefont
- gnu-unifont
- indic-fonts
- intlfonts-ttf
- xorg-x11-fonts
ユーザビリティという視点で見ると、フォントパッケージには統一された命名規則があったほうがいいでしょう。他のディストリビューションでは、命名規則は例えば以下のようになっています:
- Ubuntu: “ttf-”で始まる
- Fedora: “-fonts”で終わる
上記のように統一性がとれていないと、LinuxLibertine だとか dejavu だとかいった有名所のフォントが検索に引っかからなくなってしまうんですよね。
正しく整合性のあるフォント命名規則を文書化してパッケージガイドラインに追記してもらえないでしょうか。"
openFATE 登録フィーチャー統計情報
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
ようこそ! 新 Member
新たに承認された openSUSE Member をご紹介します:
- (saurabhsood91)
- Silvio Palmieri (SilvioPalmieri)
- Theo Chatzimichos (tampakrap)
- Elias Chrysoheris (eliaschr)
- Ursan Marius Bogdan (creatura85)
- Gábor Nyers (gnyers)
- Luca Beltrame (luca_b)
- Luiz Augusto Machado (luizmachado)
- Rainer Klier (rainerklier)
- Neel Kamal Kalita (dreamzchm)
- Dominik Schmidt (pansenmann)
- Domingos Teruel (dteruel)
- 上記お名前のうち、( )内はハンドル。
イベント & ミーティング
終了分:
近日開催:
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
コミュニケーションチャンネル
ソーシャルネットワーク
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
openSUSE-SU-2011:1290-1: 緊急: Seamonkey の更新
"openSUSE セキュリティアップデート: Seamonkey の更新
報告 ID: openSUSE-SU-2011:1290-1
深刻度: 緊急
レファレンス: #728520
クロスレファレンス: CVE-2011-2372 CVE-2011-2996 CVE-2011-2998 CVE-2011-2999 CVE-2011-3000 CVE-2011-3001 CVE-2011-3640 CVE-2011-3647 CVE-2011-3648 CVE-2011-3649 CVE-2011-3650 CVE-2011-3651 CVE-2011-3653 CVE-2011-3655
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: 3.2 の新機能 (パート 2) – ファイルシステム
"Btrfs に対する多数の変更によってシステムがクラッシュしたときにファイルシステムの構造が壊れることがなくなりました。ブロックをクラスタにまとめることで、Ext4 はいくつかのシナリオで高速化するはずです。CIFS も高速化されているでしょう。
先週、米国の感謝祭の祝日直前に、Linus Torvalds は Linux 3.2 の三番目の事前リリース版をリリースしました。Torvalds によれば、RC2 からのコミットは小規模で理に適ったものだったそうですが、彼が望むよりは「確かに混乱していた」とのことです。
Torvalds は 4 番目の事前リリース版を今週 (訳注:11/30 の週) の終わりか来週の頭にリリースし、1月初めから中頃に予定されている最終リリースにあわせるつもりです。進行中の Linux 3.2 の開発を踏まえ、Kernel Log は「3.2 の新機能」シリーズを続け、ファイルシステム関連の新機能について述べていきます。このシリーズの最初の記事はネットワークドライバーとネットワークインフラストラクチャの変更を見てきました。アーキテクチャコード、インフラストラクチャ、ほかのデバイス向けのドライバーについては今後数週間でフォローしていきます。 (...)" (注:2)
Linus Torvalds: Linux 3.2-rc4
- Linus の -rc4 リリース通知。変更が少ないことについてゴキゲンなようですね。なおネタにされてる Davem は David S. Miller で主にネットワークのメンテナー、GregKH は説明の必要もないですね。
"-rc2 や -rc3 に比べて小さくなってるとは見えないかもしれないけど、実際小さくなってる。そう、いくつかの ARM 向けの更新と Exonys DRI のコードの修正、それからなぜだか遅れた ocfs2 の更新などがあるけど、これらの部分を無視できれば (大抵の人はラッキーなことに無視できるだろうね)、すべては実に素晴らしくおとなしくなってきているよ。
ちょっとしたサウンドの変更と、あと btrfs は依然修正されている (けど -rc2 のレベルには近づいていない)、だけどそれ以外は不気味なほど静かだ。
ぼくは気を揉みながら待つことにするよ。多分 Davem と GregKH が何か隠し持ってると思うんだ - 怪しい静けさだね。邪悪な笑いが聞こえてくるよ。でも多分、ぼくは薬を飲んで寝る時間かもしれないね。 (...)" (注:1)
Rares Aioanei: カーネル週刊ニュース – 2011年12月3日号
- 毎度おなじみ、Rares のカーネル週刊ニュースのお時間となりました(笑)。さてさて本日のお題は?
"やあみんな、12月の最初の号にようこそ!
- - Greg Kroah-Hartman はカーネル 3.1.3、3.0.11、2.6.32.49 のリリースを告知し、Takashi Iwai は -rc4 へのサウンドの更新を、Tejun Heo は percpu と cgroup への -rc3 の修正をして、Greg KH は 3.1.4 と 3.0.12 のアナウンスもしたよ。
- - Arnaldo Carvalho de Melo は 25個に及ぶ perf/core 修正と改善の pull リクエストを出し、Pekka Enberg は -rc4 向けに slab の修正を、Roland Dreier は infiniband の更新を、John W. Linville は wireless の更新をそれぞれ行った。
- - David Brown は 3.3 向けに msm の更新を告知し、Chris Mason は btrfs の、Joel Becker は ocfs の更新をそれぞれ -rc3 に、そして Linus Torvalds は Linux 3.2-rc4 をリリースした: (...)" (注:1)
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
Muktware/Swapnil Bhartiya: openSUSE 12.1 に制限されたドライバーやフォーマットをインストール
- フリー系のディストリビューションは、「フリー(自由)」である立場を明らかにする意味もあって、プロプライエタリなソフトウェアやドライバー、また国によっては法律により使用や配布に制限があるソフトウェア (暗号化されたファイル形式のコーデックなど) については、標準のリポジトリに収録していないことがあります。openSUSE もそのようなものの一つです。この記事では、そういった「フリーでない」ソフトウェアを利用する際に openSUSE プロジェクトによって用意されているリポジトリからソフトウェアを簡単に追加する方法について述べています。
Muktware/Swapnil Bhartiya: openSUSE でプリンターを設定
- Linux のデスクトップ環境は日々進化していますし、利用可能なデバイスも日増しに増えていて、アプリケーションも完成度が上がってきていますが、そこでしばしば聞かれるのが「鬼門はプリンター」という言葉。その中でも HP 社は比較的 Linux 対応に熱心で、専用の印刷システム HPLIP というプロジェクトをオープンソースで提供していますが、このインストールが openSUSE だとちょっと上手く行かなかったのをこう対応しました、という話。こういう穴はこまめに塞いでいきたいですね。
Muktware/Swapnil Bhartiya: openSUSE 12.1 KDE 環境でネットワークを設定
- ネットワークマネージャのおかげでとても簡単になったネットワーク設定。しかし、openSUSE 12.1 では環境によってはなぜかネットワークマネージャのアイコンが表示されず、設定ができない状態になっていることがあるとか? そんなときにはこの記事の記述をチェックしてみるとよいですよ!
コマンド/スクリプト初心者向け
BashShell.net/Mike: 練習: 複数の条件をテスト
- Bash スクリプトを書いていると、「あるファイルが存在して、それが書き込み可能か」などといったテスト結果により処理を分岐したいことが出てきます。そんなときの書き方について、例題を元に細かく説明しています。コメントについている指摘もお見逃しなく。
開発者/プログラマ向け
LinuxCareer.com/Rares Aioanei: Linux での C 言語開発 – 制御構文 – IV
- 伝統的な手続き型プログラミング言語において、処理の「流れ」を制御する (flow control) ことはとても重要です。プログラムは順次上から下に実行されていきますが、条件により分岐したり、繰り返しを行ったりすることも時には必要で、プログラミング言語にはそのための文法が用意されているのが普通です。この記事ではCの「制御構文」について分かりやすく解説しています。
Rousinopoulos Athanasios-Ilias: Eclipse 3.7 (Indigo SR1) を openSUSE 12.1 (KDE) にわずか 10 ステップでインストール
- openSUSE だけでなく大抵のディストリビューションでは、パッケージ管理システムを利用してソフトウェアをインストールする方が何かと楽なのですが、進化が早いソフトウェアの場合、パッケージングを待てないこともありますよね。統合開発環境 (IDE) である Eclipse もそういったソフトの一つ。この記事では Eclipse を公式サイトから取ってきてインストールし、KDE のメニューに追加するまでを説明しています。
システム管理者向け
HowtoForge/Falko Timme: 完璧なサーバー – [ISPConfig 3] 入りの Nginx を openSUSE 12.1 x86_64 に入れる
- 203号で紹介した記事の続編になります。先号は Apache でしたが今回は Nginx。両記事を読み比べ、あなた好みの「完璧なサーバー」を構築する参考にしてみては?
Masim Sugianto: 導入済の openSUSE/SLES 環境に CD/DVD なしで openSUSE 12.1 をインストール
- ネットブックなど光学ドライブを内蔵していないマシンだと、CDやDVDを使ったインストールって面倒くさいですよね。そもそもインストールメディアというのは一度焼いたらめったに使わないので、新バージョンが出るたびに焼いていたら地球に優しくありません。そこで setupgrubfornfsinstall スクリプトの登場です! これを使えばすべてのインストールをネットワーク越しに行えるのです。インストールサーバーとしては download.openSUSE.org を使ってもいいですし、LAN 内に立てることもできます。スクリプトを走らせると GRUB メニューにネットワークインストールが追加され、あとは指示に従うだけ。とっても簡単。これは要チェックですね!
Masim Sugianto: VirtualBox、VBoxHeadless、PHPVirtualBox を openSUSE 12.1 の最小構成にインストール
- 仮想化はすっかり大衆的になりましたが、その立役者の一つが VirtualBox ではないでしょうか。デスクトップに特化した上に機能の中核はオープンソースで提供されているということもあるでしょう。VirtualBox の仮想マシンは RDP で画面を共有できるのでサーバーで動かすのもよいですが、ヘッドレス環境で VirtualBox を動かすと、管理 GUI が使えない? その問題を解決するのが VboxHeadless + PHPVirtualBox。Aphache などの Web サーバーと組み合わせることで、Web ベースで VirtualBox を管理できるようになります。便利そうですね!
Masim Sugianto: Zimbra メールサーバーに RapidSSL 認証をインストール
- Web メールサービスを提供するサーバー Zimbra はなかなか便利そうですが、デフォルトでは https 向けに自己署名証明書 (Self-Signed Certification) を導入し、これは信頼されているわけではないのでいろいろと問題があるようです。そんなわけで認証局の一つとして RapidSSL から認証を購入して導入する手順をご紹介。
Han Wen Kam: openSUSE 12.1 上での Air Video サーバー
- iOS 搭載マシンをおふとん寝転び端末として持っている方も多いかと思います。そんな方なら気になるアプリの一つが Air Video。LAN 上のサーバーに登録したビデオを専用クライアントで視聴するアプリで、サーバーソフトウェアは無償ですが Windows と Mac OS X しかありません。けしからん! そんなわけで、この記事を読んで ffmpeg と Java で Linux 版のサーバーを実現しましょう。ffmpeg のコンパイルが必要になるのでちょっとハードルが高いですが、指示は分かりやすいのでトライしてみては如何?
Aditya Patawari: Twitter でサーバーを監視しよう!
- サーバー管理でなにかアラートが起きたら電子メールを飛ばす、というのはよくやる方法ですが、いっそのこと Twitter で通知して欲しいって思ったりしませんか? python-twitter を使った Tweet ツール MYST を用いて、ちゃちゃっと実現してみたよという記事。MYST はもっといろいろな応用が考えられそうですね。
LinuxCareer.com/Javier L. Velasquez: Linux 上での rsnapshot と増分バックアップのガイド
- バックアップの重要性はいうまでもないです。でも取っておく場所とかを考えるとフルダンプを毎回取るのはありえないですよね。そんなわけで Perl ベースの増分バックアップ (inclemental backup) ツールである rsnapshot。設定や細かな使い方が例示してあるので、読めばすぐ使えると思います。バックアップツールをお探しのかた、チェックしてみては? openSUSE 12.1 では zypper でインストールできます。
Planet SUSE
Masim Sugianto: SUSE Linux Enterprise Server 11 SP1 の最小構成サーバアプライアンス
- サーバ構築をお仕事にしていると、OS のインストールなどは何度も何度も繰り返し行わなければいけない作業となってしまいますが、ルーティンワークはなるべく手を抜きたいところ。…ということで、SUSE Studio で最小構成のひな型アプライアンスを作り、それを仕事に活用しているという一つのユースケースのご紹介です。
"私は今、インドネシア・ジャカルタの近くにある小さな町、ブカシに居を構えるある小さな会社で IT システムインテグレーターとして働いています。この会社は私と弟とで立ち上げたもので、サーバ設定、実装、メンテナンス、ワークショップ/トレーニングなどを業務としています。 (...)" (注:1)
Kohei Yoshida: ODS ドキュメントを開くときのパフォーマンス改善
- 家計簿をつけたり方眼紙代わりに使ったりしている分には分からないかもしれませんが、業務用途で表計算アプリを使う場合、かなり無茶な使い方をすることもありえます。そんな時にパフォーマンスが悪かったら「仕事では使えない」というレッテルを貼られかねませんよね。LibreOffice の Calc の ODS インポートフィルターも、そういった意味で改善が望まれるものでしたが、3.5 で大幅に改善。ベンチマークをとってみると MS Office 2010 よりも高速になっているとか。わずか数ヶ月でこのように進化させることができたのは、まさにオープンソースの底力といったところでしょう。
"皆さんにいいお知らせがあります。名前付き範囲がたくさんあるような文書がある時、3.5 の Calc の ODS インポートフィルターが見違えるほど早くなりました。どういうことか興味を持っていただけるようでしたら、以下を読み進めてみてください。 (...)" (注:1)
Kostas Koudaras: 地図の中の点
- OSHACKERS という、Linux や FLOSS の愛好者たちが自分の位置情報を登録しているサイトをご存知でしょうか。それだけと言えばそれだけなんですが、自分の身近に実は同好の士が住んでいたなんてことが分かったりしたら、ちょっと楽しいもんですよね。
"これまでどこかのサイトをお勧めしたことってないんですが、それは正直言って皆に知らせる価値がありそうな無名なサイトを見つけたことがなかったから。たまに見つけることがあったとしても、それをブログに書くのもめんどくさかったので、結局紹介したことはありませんでした。 ;-)
でも、今日は違います。実は今、完成するために必要ないい仔猫の写真がなかなか見つからないもので...ええっと...昨日には仕上がっていなければいけないはずのプレゼン作りをちょっと一休みしてたりします (...ツッコマないでくださいね...)。とにかく、普段だったらそんな時は映画とかを見たりしてしまうんですが、いつもやることがいっぱいで書けないでいるブログを書いてみようかな、という気になったのです。 (...)" (注:3)
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
募集
SCALE: The Next Generation – 参加者募集
- オープンソース界に一年の始まりを告げる SCALE (The Southern California Linux Expo) が来年もやってきます。2012 年で 10 回目を迎えるこのイベントに、新たな一ページが。それが ”SCALE: The Next Generation”! 次世代の Linux を、オープンソースを担う人材を育てようというものです。中高生のみなさん、ロサンジェルス目指して応募してみてはいかが?
"Southern California Linux Expo はフリー/オープンソースコミュニティ愛好家の次世代に向けてのカンファレンスをご案内できることを誇らしく思っております。“SCALE: The Next Generation” — 明日の FOSS コミュニティのリーダーの今日の才能およびアイディアにスポットライトを当てるものです。10 歳から参加可能で、カンファレンスの目標は可能な限り「子どもたちによる運営」であり、カンファレンスの企画の中で働くということを見たり経験したりするという特別な機会を提供しようとしています。子どもたちはこのミニ・カンファレンスの内容を決めたり、舵取りを補助したりといったことができます。 (...)" (注:1)
レポート
h-online/Edward Henning: Balsam Enterprise OBS が商用ビルドプラットフォームを提供
"ドイツの open-slx 社より、ディストリビューション向けに Linux ソフトウェアを開発するためのプラットフォーム、Balsam Enterprise Open Build System (BE-OBS) リリースのお知らせがありました。このシステムは openSUSE の Open Build Service を商用化したバージョンで、Linux ソフトウェアのビルドとリリースプロセスを自動化してくれるものです。openSUSE の OBS は SUSE と openSUSE により利用されているのみならず、Dell、Cray、GEVINI などといった企業や MeeGo などのプロジェクトでも利用されています。BE-OBS は open-slx 社が社内で独自の Linux 製品を構築するために使っているもので、これにより独自の社内ノウハウも蓄積しているのです。 (...)" (注:2)
OStatic/Susan Linton: TDF、機能拡張 100 個突破を祝う
- The Document Foundation が設立され LibreOffice が最初にリリースされたのはついこの間のように感じるのですが、その順調な成長ぶりは驚くばかりですね。先日、LibreOffice 向けの機能拡張/テンプレート配布サービスがオープンしたと思ったら、もうそこで配布されている物件の数が 100 個を超えたのだそうです。素晴らしい!
レビュー/エッセイ
ITworld/Brian Proffitt: フリーソフトウェアが仕事泥棒にならない理由
- FLOSS についてしばしば問題になるのは、その「無償である」という側面が強調されすぎることです。ソフトウェア自体が無償なのはよいとして、「教育コストが不要」「サポートコストが不要」となると、FLOSSの導入は人員のカットに結びつく、という議論まであるとか。いやいやそれは IT 産業について理解が足りてないですよ、FLOSS が雇用機会を減らすなんてことはありませんよ、という話です。実際のところ、「教育コスト不要」「サポートコスト不要」というのはクラウドに関しての意見だったようですが、それならばなおさら FLOSS を学ぶほうが雇用には有利、というのが筆者の意見。さて、あなたのご意見は?
Network World/Rikki Endsley: Linux に必要なことはすべてペットから学んだ
- ペットを飼うことでとても色々なことを教えてもらえます。命の大切さであるとか、愛情であるとか、時には離別の悲しさというものまで。しかし「Linux に必要なこと」とは? ちょっと驚きますが、読んでみるとふむふむと頷いてしまいます。どうかご一読を。Linux がますます可愛く思えてくるかも?
注意!
eSecurityPlanet/Sean Michael Kerner: Apache サーバーへのリバースプロキシ経由の攻撃
- Apache の脆弱性 CVE-2011-3368 についての情報です。日本語の情報としてはこちらの記事あたりがよいかもしれません。いずれにせよ、mod_proxy を利用されている方は本記事も参考の上、ご自分が該当するか確認したほうがよいでしょう。
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クレジット
- Sascha Manns (英語版編集長)
- Gertjan Lettink (『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstätter (『イベント & ミーティング』情報担当)
- Thomas Schraitle (英語版 DocBook 指導)
- Satoru Matsumoto (英語版編集室/日本語版チーム)
- Naruhiko Ogasawara (日本語版チーム)
- Ko Kazaana (日本語版チーム)
- Yuta Hanayama (日本語版チーム)
日本語以外の言語版について
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