openSUSE Weekly News/177
openSUSE Weekly News 日本語版 第177号 今週の見出し
- openSUSE は OBS の名称を変更いたします
- Marcus Hüwe: GSoC – osc の新しいユーザインターフェースの提案
- Andreas Jaeger: Factory の現況について
- Michal Marek: kernel.opensuse.org サイトができました
- BeginLinux: YaST から Samba と共有の設定を行う
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
お知らせ
openSUSE は OBS の名称を変更いたします
"openSUSE Build Service チームはこのほど、この最先端のパッケージング/ディストリビューション構築技術の名称を Open Build Service と変更することにいたしました。この新しい名称 (略称してしまうとこれまで通り OBS となりますが) は、これがオープンかつディストリビューションの垣根を越えるものだということを示しています。
経緯
openSUSE の Build Service はまず SUSE の内部技術として使われ始めました。そして2006年にオープン化され、ソースコードと開発プロセスが公開されました。その時点から、openSUSE Build Service はより広い視野に立つこととなりました。最初は SUSE Linux 用のアドオンパッケージをビルドするためだけのものだったのですが、後には openSUSE 自体をビルドすることができるようになり、SUSE 以外のディストリビューション (Fedora、Ubuntu、MeeGo 他) やパッケージングシステム (rpm、debian、kiwi) もサポートするようになり、現在は6つのアーキテクチャー、21のビルド対象を選ぶことができるようになっています。将来的には、Linux 以外のシステムも対象としたり、メンテナンスチャンネルのようなより特化された Linux など、さらに多くのシステムをサポートしていく予定です。しかし「OBS」が openSUSE 関係者以外の多くの人にとっても関心事となり、VLC、MeeGo、Dell その他多くのプロジェクトや企業でも利用されるようになった今、従来の名称 (openSUSE Build Service) のままだと特定のディストリビューションだけを対象としているかのような誤解を招くおそれがあります。
OBS は技術的にも稀有なもので、もっと多くの皆さんに知られ、利用されていいものです。Git や Subversion といったソースコード管理システムと統合されていたり、強力なコラボレーション機能を有していることにより build.opensuse.org は広い支持を集め、この便利なビルド技術の利用者は既に27,000人を突破しているのです。 (...)"
- 訳注: 原文はまだまだ続きますが、ここでは抄訳にとどめさせていただきます。要点は以下の通りです:
- 今回改称されるのは、パッケージ/ディストリビューション構築用の「ソフトウェアとしての」OBS で、以後これを指すときは Open Build Service とする。
- openSUSE (及びその他ディストリビューション) 用のパッケージをビルド、配布するために現在利用されている「インフラとしての」OBS については従来通り openSUSE Build Service という名称を使う。
Google Summer of Code 2011
Bryen Yunashko: 位置について…ヨーイ…コード!
"昨日、Google Summer of Code のコーディング期間が公式に始まりました。そして openSUSE のメンター (指導担当者) たちも16名の学生たちとともに FOSS 界をより良いものとすべく作業に突入しました。
openSUSE のみならず FOSS 全般の役に立つ環境を作るという目標を GSoC でも追求していくことについて、我々は大いに胸を張っていいでしょう。確かに我々は直接 openSUSE に恩恵をもたらすプロジェクトをいくつか指導していますが、例えば Open Build Service で Arch Linux を対象にできるようなバックエンド、Btrfs 用のテストスイート、snapper での ext4 スナップショット、Software Center で使う PackageKit バックエンド、ICC デバイスプロファイルのリポジトリなど、他のプロジェクトも支援するものも指導しているのです。 (...)"
Marcus Hüwe: GSoC – osc の新しいユーザインターフェースの提案
"osc の整理という我々の Google Summer of Code プロジェクトで最初にしなければいけないことは、osc の新しいコマンドラインユーザインターフェースをどうするか決めるということでした。
現在のユーザインターフェースは (他のコマンドとは引数の使い方が違うという点で) すこぶる「一貫性のない」ものとなっていたり、その他にもいくつか「欠陥」があります。
以下、現在のユーザインターフェースにどんな欠陥があるか、いくつか例示してみたいと思います: (...)"
Ratan Sebastian: GSoC 2011: ssc – 第一週
- さて、タイトルにある ssc とはいったい何のことでしょうか? 答は…SUSE Studio Client。現在も分かり易いウェブインターフェースが提供されていますが、ネットワーク経由での操作となるため、回線状況次第ではレスポンスが落ちるということもありますよね。なので、ごにょごにょいじるときはまずローカルでいじって、確定したらプッシュするというような機能を実装しようと目論んでいるようです。このプロジェクトの詳細については提案の全文をご覧ください。
Christos Bountalis: 設定/sysconfig ファイルをマージするためのユーティリティ – 第一週のレポート
- 各種設定をいじるための API、Augeas (どういったものかについては SourceForge.JP で翻訳公開されている紹介記事あたりが参考になると思います) の改善に取り組む Christos からのコーディング期間突入後第一回目のレポートです。実際のコーディングに先立ち、まずは GitHub でコードを扱えるように準備したのだそうですが、これまでこういったバージョン管理システムをちゃんと使ったことがないとのことで、実際に使ってみたらその便利さに感心したそうです。
更新状況
ディストリビューション
Andreas Jaeger: Factory の現況について
"2011年11月にリリース予定の openSUSE 12.1 の下地となる Factory ディストリビューションには現在いろいろなことが起こっていますので、ここ数週間の出来事のうち Factory のユーザ及び開発者に覚えておいてもらいたいことをいくつか列記しておきたいと思います。
openSUSE 12.1 のロードマップ
Stephan “Coolo” Kulow により、openSUSE 12.1 のロードマップが更新され、次のマイルストーンとなる「マイルストーン 1」は予定が先送りとなり、5月30日(木)リリース予定となりました。以下、このバージョンで更新される点について、いくつかハイライトをご紹介します。 (...)"
Bugzilla
Bugzilla 関連参照リンク:
SUSE Studio
Matt Barringer: SUSE Gallery デスクトップクライアント
- さて、上記 GSoC のコーナーでは SUSE Studio のクライアントについてのお話が出ていますが、こちらは SUSE Gallery のクライアントのお話です。
"SUSE Gallery をサポートすべく SUSE Studio API の拡張に取り組み始めたとき、実は試しにデスクトップクライアントについても手をつけていました。アフターファイブにやることとして優先したかったプロジェクトにすっかり時間を取られてしまっていたため半年以上放置していましたが、それでも使えるものにはなっています。私自身がやる気を取り戻すため、そして協力してくれる人を募るため、今回 SUSE Gallery クライアントを公開することにいたしました:
(...)" (注:1)
チームレポート
Build Service チーム
Build Service チーム・ミーティング議事録
- 5月25日に行われたミーティングの議事録です。
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
GNOME チーム
Frédéric Crozat: GNOME 3 Live イメージのリリース 1.3.0 – VirtualBox でも使えます
- 先週号でも GNOME 3 をちょっと試してみたい時に便利だとご紹介した Live DVD ですが、これを VirtualBox 上で試してみたいと思ったら問題が起こっていたとのこと。早速修正されたバージョンがリリースされたようです。
"仮想マシン中毒の方への朗報です: VirtualBox で GNOME Shell がちゃんと動いてくれないという問題が VirtualBox チームにより修正されました。VirtualBox リリース 4.0.8 (以上) と GNOME 3 Live イメージのリリース 1.3.0 (OpenGL が必要とする更新済み VirtualBox Guest Additions を同梱) でお試しください。
イメージ入手先: http://www.gnome.org/getting-gnome/ (...)" (注:1)
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 349)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 183)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
GRUB v2 へアップデート (得票数: 127)
"GRUB 0.97 に対するバグ修正や追加機能を開発しても、もう GRUB 2 を使うからという理由でアップストリームプロジェクトには受け入れてもらえなくなってしまっています。ディストリビューションを開発するコミュニティの間ではブートローダーの切り替えには抵抗があるようですが、もはやこの膠着状態が解消する見込みはなさそうです。コード自体は綺麗だとも言えませんし、しっかりメンテナンスされているとも言えません。何か新しい機能を追加しようと思ったら、あらゆる実行時の制限をなんとか迂回したとしても、ちゃんと機能するかどうか分からない何段階もの手順を踏まなければいけなくなります。例えば、ファイルシステムの実装はメモリ管理に使える静的なバッファを持ちます。このサイズはたったの 32k です。複雑なファイルシステム、あるいはシンプルなジャーナリングファイルシステムであっても、扱う場合には問題が起こってしまいます (Reiserfs でバグをロードするのが全然終わらないといったようなケース)。というのも、ジャーナルのためにブロックマッピングを行うのに十分なメモリーが割り当てられておらず、メタデータを読み込むごとにいちいちスキャンしなければいけなくなってしまうからです。(本当に、もう。) (...)"
Popularity contest (人気投票) (得票数: 101)
"ユーザに好まれ、良く使われているパッケージについてのフィードバックが必要です。Debian には既に Popularity contest (popcon) という名前のツールが用意されています。
- popcon を再利用することで、Debian 及び Ubuntu と直接的に比較した結果を見ることができる
- パッケージャーチームはパッケージをどうしていくべきか伺い知ることができる
- YaST で使える見通しの良い設定用ダイアログが必要です
- opensuse.org 上にサーバインフラストラクチャーが必要です (いくつか個人情報絡みの問題があります。詳しくは Debian の FAQ をご覧ください)
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、 先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
IPv6 に対応した ISC DHCP クライアントをサポートする
"現状、/etc/sysconfig/network/dhcp では以下の通り DHCPv6 クライアントとしてサポートされているのは "dhcp6c" (https://fedorahosted.org/dhcpv6/ ) だけとなっています:
# Which DHCPv6 client should be used?
# Currently only the dhcp6c client is supported.
#
DHCLIENT6_BIN=""
このクライアントは ISC dhcp によればもう時代遅れのものとなってしまっていますので、ISC の DHCPv6 クライアントに入れ換えてそれをデフォルトとすべきです。"
boot.clock を無効化しておく
"最近のカーネルはシステム時刻を RTC から読み込むようになっていて、ローカル時刻と UTC の時差については initrd 内で処理されるようになっているはずです。なので、boot.clock に残された仕事は時刻の微修正だけになっています。この機能は念のために備わっているようなもので、標準的な自動ログインユーザには気にも止められていないものでしょう。ネットワークインストールをするような場合は、必ず ntp が有効化されます。ですから、実行するスクリプトを一つ少なくするためにも、boot.clock はデフォルトで無効化しておくべきです。もし時刻の微調整をしたいのであれば、手動で insserv boot.clock を実行すればいいのです。"
$HWCLOCK 設定を使うのはやめる
"/etc/sysconfig/clock で $HWCLOCK 変数として保存されている情報は /etc/adjtime の3行目に記載されているものと重複しています。この情報を記しておく場所は一ヶ所にしておいた方がいいでしょう。
/etc/sysconfig/clock を読み込むプログラムは以下の通り:
- mkinitrd の warpclock
- aaa_base の /etc/init.d/boot.clock
- yast2-country"
key-mon を追加しましょう
"既に X11:Utilities にパッケージはありますので、Factory にプッシュするだけで済みます (整理が必要かもしれませんが、未確認です)。"
libbluray パッケージ
"gvfs ではブルーレイのメタデータにアクセスするのに libbluray を使えるようになっています。
http://www.videolan.org/developers/libbluray.html
ウェブページを見ると、openSUSE に統合しても問題はなさそうです。"
frogr パッケージ
"Frogr は GNOME デスクトップ用の小さなアプリケーションで、画像ホスティングサイトの Flickr でアカウントを管理するのに使えます。画像のアップロード、記述の追加、タグの設定、セットやグループのプール管理といった Flickr の基本的な機能を全てサポートしています。
http://live.gnome.org/Frogr "
YaST ソフトウェア管理の改善
"YaST でパッケージをダウンロードしている時に何か失敗するとそれまでにダウンロードしたものが全部やり直しとなってしまうのには不満を覚えています。また、途中で一時停止したり再開したりする機能がないので、パッケージのダウンロードにかかる時間がどれくらいかかる計算できないのも困りものです。YaST のソフトウェア管理 GUI でもダウンロードマネージャーと同じように一時停止、再開、失敗したものの再ダウンロード、サイズのプレビュー、進捗状況と残り時間の目安表示などができるようになり、何か失敗した時にどうするか GUI で選べるようになるといいと思うんですけれど。"
openSUSE 用の Remastersys もしくは同様に使えるものを
"openSUSE はとても出来が良くて、他のメジャーなディストリビューションにあるものは全て揃っているだけでなくそれ以上のものを提供してくれていますが、一つだけ残念に思っていることがあります。それは、“Remastersys”です。Kiwi や SUSE Studio では同様のことはできません。Remastersys はオフラインで使えて、稼働中のシステムを Live CD/DVD に書き込み、それをどこででも使える/どこにでもインストールできるようにすることができます。Live CD/DVD を作る際には個人データや個人設定を含めておくこともできるようになっています。自分の openSUSE 環境を設定込みでどこにでも持ち歩いて使ったり、他の人にも使わせてあげられたらいいなぁと思うんです。どなたか Remastersys みたいなツールを作って、openSUSE にも採用してくれませんでしょうか?"
Liberation フォントを Chrome Core Fonts と入れ換える
"ChromeOS の Core Fonts は基本的には Liberation フォントを拡張したもので「SIL Open Font ライセンス/バージョン 1.1」で配布されています:
http://gsdview.appspot.com/chromeos-localmirror/distfiles/ (この書き込みをしている時点での最新バージョンは croscorefonts-1.20.1.tar.gz)
fontconfig の設定ファイルにもこのフォントを追記しておかなければダメです。初期パッチは以下から入手できます: http://pastebin.com/TkQb9bvM "
openFATE 登録フィーチャー統計情報
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
FOSSCOMM 2011
"(ギリシャの都市) パトラス Linux User Group (PLUG) 及びコンピュータエンジニアリング & 情報技術省 (コンピュータ研究所/コンピュータセンター) 主催の FOSSCOMM 2011 が5月7日から8日にかけてパトラスのパトラス大学で開催されました。カンファレンスはいくつか追加講演があったり、並行してイベントがあったり (いろいろなコミュニティやプロジェクトのブースが立ち、複数トラックでトークやワークショップが開かれたり)、ライブストリーミングがあったりと面白いものになりました。
ギリシャの openSUSE コミュニティもこのパトラスでの二日間のカンファレンスに参加しました。会場では他のコミュニティの人たちとも交流を深め、openSUSE や FOSS について話し合ったり宣伝したりしてきました。
以下、このカンファレンスでコミュニティが行ったプレゼンやイベントの一覧です: (...)"
openSUSE な人々 (People of openSUSE)
Jeff Mahoney
"自己紹介をどうぞ!
私は32歳で、ボストン近郊に住んでいます。Linux に関わり始めたのは1999年のことで、SUSE に一枚噛んだのは2000年でした。最初は Linux のちょっとしたことをハックするところから始まったのですが、その後はファイルシステムに絞って関わっていくようになりました。最近は SUSE ラボのカーネルチームの一つを率いる立場で依然としてファイルシステムに焦点を置いて仕事していますが、それだけでなく全ての SUSE、openSUSE 製品のカーネルについての技術的責任者として関わるようになっています。 (...)"
イベント & ミーティング
終了分:
近日開催:
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
コミュニケーションチャンネル
貢献者
ソーシャルネットワーク
新規/更新アプリケーション @ openSUSE
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
Michal Marek: kernel.opensuse.org サイトができました
"openSUSE のカーネル git ツリーは http://kernel.opensuse.org/?a=git に新居を構えました。1GB 近くのリポジトリを clone すると問題が起きる gitorious よりは信頼性が高いはずです。gitorious との同期もしばらく続けるので、急にこれまでのように使うことができなくなるということはありません。ですがもし今手元にある clone を kernel.opensuse.org のソースと同期させたいなら、 kernel.git リポジトリと同じように:
git config remote.origin.url git://kernel.opensuse.org/kernel-source.git
とするだけで OK です。kernel.opensuse.org のウェブサイトには他の内容も増やしていきたいと思っていまして、次の TODO としては LXR と、gitweb か cgit のどちらかを考えています。
どうぞお楽しみください!"
Linus Torvalds: (短期間の?) マージウィンドウのリマインダ
- OWN日本版177号作業中の今現在は LinuxCon Japan のため来日している Linus からのマージウィンドウオープンのリマインダです。が、みんなの注目を集めたのはバージョンナンバーについて触れた追記。結局カーネルバージョンは 3.0 になることが決まったようで、LinuxCon での Greg K-H との対談でもその話題で持ちきりだったようですよ。
"しばらくマージ作業に忙しかったし、39 のアナウンスに名を連ねたみんなに、いつもよりちょっと短いマージウィンドウになるだろうと警告しておいたことをちょっとリマインドしとこうと思ってね。遅いノートパソコン (こいつで "allyesconfig" ビルドするなんてのは手持ち札にはないし、確認のときにこのビルドを使うのがぼくは好きなんだ - arch 取り込みの差異による問題を見つけられるようなケースがすごく少ないとしてもね) を使って日本から -rc1 を出す必要がなくなるからね。
(…)
追記; 脳内からバージョン番号が大きすぎるんじゃないかって声がするんだ。今のところは 2.8.0 と呼ぶことにするよ。この追記の方が本文の方よりもっと大きな議論に発展していくと思うけど、もし脳内の声が何か囁いてきたら耳を傾けるつもりだよ。" (注:1)
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
Linux Journal/Emre Sevinc: YouTube から曲を貰ってこよう: お好みのやり方で
- YouTube にはライブ映像など様々な音楽を含む映像素材が上がっています。CD音源になっていないような貴重なものもあったりします。 これをカーステレオや通勤中のポータブルオーディオで聴ければなぁ、と思ったりした方もいるのではないでしょうか? Linux を使ったことがない義父の会社の PC に Ubuntu をインストールしたら喜ばれたよ、という微笑ましい逸話から始まるこの記事では、こういった要求を叶えるための三つのツールの紹介と、それを組み合わせて処理を自動化したシェルスクリプトの説明がされています。便利なだけでなく、シェルスクリプトのちょっとした入門にもなるかも?
コマンド/スクリプト初心者向け
pHacks/Pietra Armaga: GNU Screen の使い方
- GNU Screen なしの Unix 系なコンソールなんてもう考えられない! この記事の筆者もそういう類の一人です。え、Screen ご存じない? それはもったいないです。特にリモートでマシンにログインして作業することが日常なら必須ですよ。そうでない人にも魅力はいっぱいあります。この記事では GNU Screen のよく使う操作をスクリーンショットを交えながらピックアップしてあります。ちょっと説明読んで画面を見ればイメージはつかめると思います。まだ使ったことがない方はこの機会にぜひ挑戦を!
開発者/プログラマ向け
Petr Baudis: brmd: POE のある事例
- 発端は著者らが属しているチェコはプラハのハッカースペース brmlab で、鍵は誰が開けたとか、今誰かがいるかとか、ストリーミングは生きてるかとか、そういうことをネットワーク (IRC、Web) から見られるようにしたいというニーズでした。そのためにデーモンプログラム brmd を作るとして、さまざまなセンサやHTTPやIRCや……といったものを抽象化したい、そのために選ばれたのが Perl の POE というフレームワークです。実体験に基づいているだけに POE の良い事例になっています。ちょっと長い記事ですが多くはプログラムコードですから、似たようなことをやりたい方は参考にしてみては?
Petr Baudis: git cherry-pick の author 情報を修復する
- バージョン管理システムのうれしいところはユーザーの失敗をある程度許容してくれるところです。git のcherry-pick (さくらんぼ狩りから転じて「美味しいところのつまみ食い」といった意味です) もそういう機能の一つで、あるブランチへのコミットを、別のブランチのHEADに対して適応するというものです (日本語の解説としてはこの記事が分かりやすいです)。ところが 1.7.4 の git の cherry-pick には author と日付の情報がおかしくなってしまうというバグがあったので大変 (1.7.5 では治っています)。そこでリカバリーするスクリプトを書きました、というお話です。git 使いの方は目を通しておくと損はないかも?
システム管理者向け
BeginLinux: YaST から Samba と共有の設定を行う
- openSUSE の魅力は数あれど、YaST を挙げる方も少なくないのではないでしょうか? あらゆるものが YaST で設定できる、設定方法を探し回らくてもいい、というのは大きな魅力ですよね。一方で他のディストリビューションにはこんな便利なものはないので、ネットなどで情報が限られているというところはあると思います。そんなわけでこの記事では、Windows との混在環境ではほぼ必須な Samba と共有の設定について、スクリーンショットたくさんで解説しています。
Planet SUSE
Bryen Yunashko: OBS—新たな名称は多くの意味を含んでいます
- お知らせにもありましたように、この度「ソフトウェアとしての」OBS が Open Build Service と名称を改めることとなりました。このブログは、そのいきさつや背景について語ったものとなっています。しばらくは OBS と表記されているものがどちらを指すか混乱しやすい状況になるかもしれませんが、これを契機により広く使われていくようになるといいですね。
"遡ること2010年の5月、openSUSE 仲間の Andreas Jaeger (AJ) と私は膝を突き詰めて OBS の略称で知られる openSUSE Build Service をこれからどう広めていこうかと打ち合わせをしました。その時ふと私の頭をよぎったのは、このサービスは「openSUSE Build Service」と呼ばれているけれど、それだと実状を反映していないのではないか?ということでした。このビルド用サービスは、openSUSE ディストリビューションに限定したツールを提供しているのではありません。OBS でパッケージを作ることのできる対象ディストリビューションやアーキテクチャー の一覧を見てみれば、明らかにこれは openSUSE プロジェクト/コミュニティだけのためのツールではありません。間違いなく、もっと多くの人に使ってもらえるツールなのです。 (...)" (注:1)
openSUSE フォーラム
フォーラムの新機能
openSUSE フォーラムは今もなお進化し続けています。テーマの入れ換え、新しいレイアウトへの切り替えに続き、今回フォームのソフトウェアに新たな機能が追加されました。この記事は新たなセクション「Articles」の最初の記事の一つで、この他「Blogs」というブログセクションも開設されました。openSUSE フォーラムはこれまでも既に活発さと熱意の集う場でしたが、これらのツールが追加されたことで更なる貢献の可能性が広がっていくでしょう。立ち上がったばかりでまだ詳しく解説することはできませんが、一度じっくりとこの新機能を見定めた上でもう一度どんな風に使えそうかご報告しようと思っています。
あなたは「ディストロ・ホッパー」ですか?
「ディストロ・ホッパー」って何?という方にご説明しましょう: 何らかの理由で Linux ディストリビューションを次から次へと乗り換えていく人達のことです。このスレッドは、openSUSE フォーラム利用者はこのディストロ・ホッパーかどうか調べてみたいと考えたあるメンバーが立てたアンケート調査です。皆さん単に投票するだけでなく、どうしてディストリビューションを渡り歩くのか、あるいは渡り歩かないのかコメントを寄せてくれています。
新規インストールで /home を残しつつアップグレードする最も安全な方法は?
全ての回答が「間違いない」ものかどうかは疑ってかからないといけないとは思いますが、いくつかいいアドバイスが集まっていることは間違いありません。念のため説明しておきますと、/home/(ユーザ名) にはそのユーザの作ったファイルを置く「Documents」などのフォルダが配置されるだけでなく、ユーザ設定やプログラム設定等、多くのフォルダが (ほとんどの場合隠しフォルダとして) 配置されています。新しいバージョンにアップグレードしたり、他のディストリビューションに乗り換えたりするときなど、できればこれらの設定、少なくとも作成したファイルについては引き継ぎたいものですよね。ほとんどの Linux ディストリビューションでは /home はデフォルトでハードディスクに専用パーティションを切って配置するようになっていますので、その状態であればインストール/アップグレード時にフォーマットしたりいじったりしないで温存できるようになっています。いろいろといいお薦め方法が紹介されていますので、読んでみてください。個人的メモ: だからといってバックアップ取るのを省略はしないこと。
Tumbleweed に採用して欲しいパッケージ/リポジトリは?
openSUSE で安定版と Factory 版の中間に位置付けられる Tumbleweed が今熱くなっています。立てられてからちょっと経っているスレッドではありますが、Tumbleweed を立ち上げたチームの一員が立てた、Tumbleweed バージョンに採用してもらいたいパッケージにはどんなものがあるか、openSUSE ユーザに問いかけているこのスレッドをご紹介しておきたいと思います。Tumbleweed には既に GNOME 3 (別のリポジトリから提供) や KDE、LXDE がデスクトップ環境として採用されていますが、他にも Tumbleweed に採用してもらいたいというパッケージがありませんか? このスレッドに書き込めば、Tumbleweed のメンテナーに要望を伝えることができますよ。
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
お知らせ
Nat Friedman: Xamarin
- Novell による Mono コア開発メンバーのレイオフを受けて Miguel de Icaza が設立した Xamarin に、共同設立者として元 Novell のオープンソース戦略担当であった Nat Friedman が加わり、CEO に就任しました。公式なアナウンスというより彼のブログでの報告ではありますが、この若い会社に加わった気持ちが伝わってくると思います。The H がこの件について紹介した関連記事も合わせ、ぜひお読みください。
"去年、妻と私は20もの違う国を訪れ、二つの軍の兵隊たちが対峙している最前線を訪れたり、デング熱から生き延びたり、帆走の仕方を習ったり、私はパイロットのライセンスを取ったりしました。私たちはとても幸運な人間ですし、それはとても素晴らしいことでした。こんなすごい冒険の日々を終わりにするような何かってあるでしょうか?
新しい冒険、がそれです。
今週、共同設立者として、また CEO として Xamarin に加わったことをご報告するのに、とても興奮しています。Miguel、Joseph とオールスターのエンジニアチームと一緒に働けることを誇りに思っています。そして、我らのミッションにとても夢中になっているところです: モバイルソフトウェアの開発を信じられないほど早く、簡単にするということについて。 (...)" (注:1)
レポート
ZDNET/Steven J. Vaughan-Nichols & Paula Rooney: Novell と SUSE Linux はどこへ向かっていくのか
- LinuxCon Japan 2011 に参加された方であれば、今回は Novell でなく SUSE がスポンサーとして列記されていたことに気付かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。Attachmate による Novell 買収成立後、ここにきてようやく骨子が見えてきましたが、従来の Novell の事業は今後 NetIQ (主に認証、セキュリティ関連のソリューションを扱う)、Novell (Open Enterprise Server (OES) や NetWare、GroupWise 等)、SUSE (もちろん、SUSE Linux が主力) の3部門に分割して引き継がれていくと決まりました。既に Mono については関与を打ち切ることが明らかとなりましたが、これまで Novell として支援を続けてきていたその他のオープンソースプロジェクトにはどのような影響が及ぶでしょうか。今後の動向、しばらく注視していく必要がありそうです。
anselmolsm: Meego カンファレンス 2011 – サンフランシスコ
- iOS や Android とは少し違う路線で地位を築きつつある MeeGo ですが、その国際カンファレンスが、5/23〜25の期間、サンフランシスコで行われました。今 MeeGo をホストしている Linux Foundation の Jim Zemlin のキーノートから始まったこのイベントは、なかなかの盛り上がりを見せたようですね。この記事の著者もセッションを持ったようですよ。
Sinny Kumari (ksinny): Plasma Media Center に次は何を入れようか?
- Google Summer of Code (GSoC) についてはこのニュースで何度もご紹介しているので耳タコかもしれませんが、この記事の著者も GSoC に応募した学生の一人で、Plasma Media Center というプロジェクトをやっています。さまざまなメディア再生を行う plasmoid を実装するというプロジェクトですが、勉強から始まって離陸し始めたところが見えて面白いです。KDE 環境のメディア再生について関心がある方はブログをチェックしてコメントしてみては如何?
フィードバック / 交流 / 仲間に加わろう
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また、openSUSE Weekly News の編集/翻訳に興味をお持ちでしたら、 Weekly News チームのページをご参照のうえ、ご連絡ください。
Facebook には openSUSE Weekly News のコミュニティページ (英語)もあります。
交流したり、広く openSUSE コミュニティからの助けを求めるためには、IRC、フォーラム、あるいはメーリングリストが使えます。詳しくは交流ページをご覧ください。
openSUSE Weekly News 英語版 は RSS フィードで購読することも可能です。
クレジット
- Sascha Manns (英語版編集長)
- Gertjan Lettink (『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstätter (『イベント & ミーティング』情報担当)
- Thomas Schraitle (英語版 DocBook 指導)
- Satoru Matsumoto (英語版編集室/日本語版チーム)
- Naruhiko Ogasawara (日本語版チーム)
- Ko Kazaana (日本語版チーム)
- Yuta Hanayama (日本語版チーム)
日本語以外の言語版について
openSUSE Weekly News には英語版及び日本語以外の言語バージョンもあります。現在購読可能な言語版については こちらをご覧ください。
免責事項
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