openSUSE Weekly News/176
openSUSE Weekly News 日本語版 第176号 今週の見出し
- openSUSE カンファレンス 2011 を創造的でオープンなものに!
- Google Summer of Code: Manu Gupta: 私の GSoC プロジェクト – SaX3
- GNOME3 プロモ DVD の ISO イメージがダウンロード可能となりました
- Greg Kroah-Hartman: LinuxCon Japan 2011 で Linus に聞いてみたい良いお題があったらお知らせください
- SUSE、Linux 市場の成長・進化促進に焦点を当てたエクゼクティブ・リーダーシップ・チーム発足を発表
- BMC Software、Eucalyptus、HP、IBM、Intel、Red Hat、SUSE で Open Virtualization Alliance を設立
- @IT CORE: News/高橋睦美: 「sinsai.info」がAPI公開、開発者やデータ入力・承認の参加呼びかけ
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
お知らせ
openSUSE カンファレンス 2011 を創造的でオープンなものに!
"openSUSE カンファレンス 2011 の準備を始めましょう
9月11日の日曜日、今年もまた openSUSE カンファレンスが開幕します。そしてもちろん、このためにワクワクできるようなプログラムを用意しなければなりません。本日より、企画提案募集が始まりました。締切りは6月11日となっています。カンファレンスでどんなことを話し合ってみたいか、ご提案よろしくお願いします! (...)"
Google Summer of Code 2011
Manu Gupta: 私の GSoC プロジェクト – SaX3
- 最近 openSUSE プロジェクト内でも存在感を増してきているインド人の Manu Gupta 君、実はまだ学生で、この度 SaX3 というお題で GSoC に参加することが決まりました。ハードウェアが絡んでくるツール故、できるだけ多くの環境でのテストが必要となってきますので、フィードバックよろしくお願いします。
"えー、ベテランの openSUSE、SUSE ユーザの方には今更 SaX をご紹介するまでもないでしょうし、かなり多くの方が openSUSE で復活することを望んでいます。Google Summer of Code に出した SaX3 のアイデアは採用に至り、Michal Hrušecký がメンター (指導担当者) を務めてくれることになりました。ということで、わたしがこれから取りかかることについてのちょっとした情報をお伝えしたうえで、このブログのおしまいに大切なお知らせを書いてみたいと思います。
Planet SUSE を読んでいる方であればほとんどの皆さんが SaX とは「SUSE advanced (先進の) X 設定ツール」のことだとご承知かと思いますが、ご存じない方のために簡単に説明すると、(/etc/X11/)xorg.conf.d 以下をいじれるグラフィカルなフロントエンドを作って、ハードウェアも簡単に設定できるようにしたいということなのです。ここで私が視野に入れているのはキーボード、マウス、タッチパッド、そしてそもそもの SaX の存在意義であるところのモニターのスクリーン設定をうまく取り計らってくれるツールです。予定している SaX3 の機能で注目なのは、ncurses (テキストモード画面) でもグラフィカルな UI を提供する、というものです。これにより、X が有効になっていない時点でもあれこれコマンドを覚える必要なく操作できるということになります。 (...)" (注:1)
更新状況
ディストリビューション
チームレポート
Build Service チーム
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
GNOME チーム
Nelson Marques: GNOME:Ayatana リポジトリを充実させる
"先週、Bruce Byfield からのこのプロジェクトについての質問のメールが届きました。他の方から聞かれたときと同様正直に答を返したのですが、いくつか問題に直面していて、これについてはちょっと伏せておいた方が賢明かな、と思ったのです。Natty のベータ版がリリースされて以降、私はポルトガルのテクノロジーフォーラム (登録者数150,000人以上) を眺め、Unity や Natty についての評判がどんな感じか気に留めるようにしています。
我が国における Linux ユーザのこの件についての傾向を眺めていると、面白いものが見えてきます… 新しいものには馴染めないというユーザが GNOME3 を求めて Ubuntu から他に乗り換えていく (でも、GNOME/Unity から KDE に乗り換えようという人はいないようです) 一方で、そうでない人たちは Unity に満足している様子。Natty ユーザにとってこれまでのところ最も大きな問題はネットワークがらみの問題とハードウェア互換性のようです… そして再び、Ubuntu のカーネルは一部の人々を昔懐かしい MCE (Machine Check Exception: マシンチェック例外) との死闘へと駆り立てているようです。 (...)"
Nelson Marques: Unity 2D が間もなく GNOME:Ayatana に入ります…
"この数日、openSUSE Build Service の GNOME:Ayatana リポジトリに収録すべく、Unity 2D のパッケージ化といくつかの問題解決に取り組んできました。
この作業は、どちらも次期 openSUSE 12.1 に向けて既に Factory に入っている Zeitgeist を使っている‘unity-place-applications’や‘unity-place-files’といった、Unity と Unity 2D の両方で使われているいくつかのコンポーネントをテストするいい機会となってくれました。このパッケージをまとめてくれた Federico Quintero には感謝しています。ありがとう、 Fred。
さらにいくつかのパッケージも調整する必要があって、アップデートとテストが完了したら GNOME:Ayatana にアップロードする予定です。その際には、Unity-2D をテストしたいという方のために (1-クリック) インストーラーも提供しようと思っています。Unity 2D は、これまでに私が準備してきたインジケーター群を使う初めてのアプリケーションとなります。AppMenu だけを除いて (おかしなことに、GNOME2 のパネルでは問題なく動くんですよね)、他のインジケーターは全てちゃんと動いてくれるようです。 (...)"
Frédéric Crozat: GNOME3 プロモ DVD の ISO イメージがダウンロード可能となりました
- GNOME 3 ってどんな感じになっているんだろうか?と興味はあるものの、入れてしまうと既存環境を壊してしまいそうで…と躊躇している方、この プロモ DVD をお試しあれ。Live 版として使った場合は関連パッケージが入っていないため日本語を入力することはできないんですが、日本語表示はちゃんとできるようになっています。ベースとなっているのは openSUSE 11.4 ですから、ncurses 版の YaST も使え、インストールしてしまえばパッケージの追加もいつもの通りで OK。それにしても、GNOME のプロモ DVD が Fedora でも Ubuntu でもなく openSUSE をベースにしたこと、何だか感慨深いですね。
"みなさん、
GNOME 3 のプロモ DVD の ISO イメージが欲しいという方のために手短にご案内します (1.1.0 のイメージを元にしていて、x86 及び x86_64 両対応で、いくつかデモビデオや音楽も収録されています)。
ダウンロードは以下から: http://ftp.gnome.org/pub/GNOME/misc/promo-dvd/
このイメージが今後更新されることはありませんのでご注意ください。あくまで保管用として残しておくだけとなります。" (注:1)
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 348)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 183)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
GRUB v2 へアップデート (得票数: 124)
"GRUB 0.97 に対するバグ修正や追加機能を開発しても、もう GRUB 2 を使うからという理由でアップストリームプロジェクトには受け入れてもらえなくなってしまっています。ディストリビューションを開発するコミュニティの間ではブートローダーの切り替えには抵抗があるようですが、もはやこの膠着状態が解消する見込みはなさそうです。コード自体は綺麗だとも言えませんし、しっかりメンテナンスされているとも言えません。何か新しい機能を追加しようと思ったら、あらゆる実行時の制限をなんとか迂回したとしても、ちゃんと機能するかどうか分からない何段階もの手順を踏まなければいけなくなります。例えば、ファイルシステムの実装はメモリ管理に使える静的なバッファを持ちます。このサイズはたったの 32k です。複雑なファイルシステム、あるいはシンプルなジャーナリングファイルシステムであっても、扱う場合には問題が起こってしまいます (Reiserfs でバグをロードするのが全然終わらないといったようなケース)。というのも、ジャーナルのためにブロックマッピングを行うのに十分なメモリーが割り当てられておらず、メタデータを読み込むごとにいちいちスキャンしなければいけなくなってしまうからです。(本当に、もう。) (...)"
Popularity contest (人気投票) (得票数: 99)
"ユーザに好まれ、良く使われているパッケージについてのフィードバックが必要です。Debian には既に Popularity contest (popcon) という名前のツールが用意されています。
- popcon を再利用することで、Debian 及び Ubuntu と直接的に比較した結果を見ることができる
- パッケージャーチームはパッケージをどうしていくべきか伺い知ることができる
- YaST で使える見通しの良い設定用ダイアログが必要です
- opensuse.org 上にサーバインフラストラクチャーが必要です (いくつか個人情報絡みの問題があります。詳しくは Debian の FAQ をご覧ください)
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、 先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
起動時に /tmp ディレクトリをクリアする
"起動時には毎回 /tmp ディレクトリをキレイにするようなデフォルト設定にしましょう。
今だと、システムをインストールする度に自分で有効化しなければいけないようになってるんですが、最初からそうしておいてはいけない理由ってあるんでしょうか?"
BlueGriffon ウェブエディターをリポジトリに追加しましょう
"BlueGriffon は新しい WYSWIG の WWW 用コンテンツエディターです。Gecko エンジンを採用し、レンダリングエンジンとしては Firefox 4 を使っていて、最新のウェブ標準に適合したウェブページを編集するためのモダンで堅牢なソリューションとなっています。
BlueGriffon は比較的新しいプロジェクト (Nvu を元にしている、というか、作者が同じ) ですが、他のオープンソースのツールのいくつかと比較してよくできているように見えます。また、今も活発なプロジェクトであることは言うまでもありません。HTML 5 や CSS 3 をサポートしていて、とりわけ嬉しいのは svg エディターも統合されていることです。"
サスペンドを有効にするには Swap パーティションが小さすぎるような場合、インストール時に YaST が警告を発するようにすべきです
"4GB のメモリが載っているノートパソコンにうっかり 2BG しか Swap を切らずにインストールしてしまいました。十分な Swap 領域がないとうまくサスペンドでできないということをコロッと忘れてしまっていたのです。なので、今はうまくサスペンドできたりできなかったり…。
インストールプロセス中に YaST がこのような問題について警告を発してくれるようになると助かるんですけれど。"
Perl 5.14 を Tumbleweed リポジトリに入れましょう
"Perl 5.14 が出ましたね。この新しいバージョンを Tumbleweed リポジトリに追加してください。"
/etc/sysconfig/sysctl を使うのはもうやめにしましょう
"/etc/sysconfig/sysctl 及びそれに伴い boot.proc と boot.ipconfig も使わないようにして、その代わりに /etc/sysctl.conf を直接使うようにしましょう。ディストリビューションとしてのデフォルトは /lib/sysctl.d./*.conf 経由で提供するようにしておくべきで、そうすればアップグレード時に .rpmnew ファイルを作ることもなくなります。
- aaa_base の %post にある古い設定をコンバートするスクリプトを書く [済み]
- sysctl が /lib/sysctl.d/*.conf を読むようにするパッチを書く [済み]
- YaST のモジュールを調整する
影響を受ける YaST のモジュール:
- security (IP_TCP_SYNCOOKIES, IP_FORWARD, IPV6_FORWARD, ENABLE_SYSRQ)
- network (IP_FORWARD, IPV6_FORWARD)
- tune (ENABLE_SYSRQ)"
/etc/zypp.conf にある「hoge」全てについて zypper に -conf-hoge フラッグを追加する
"https://bugzilla.novell.com/show_bug.cgi?id=693765
–repos-dir、–cache-dir、–raw-cache-dir などといった /etc/zypp/zypp.conf で決めてある設定を上書きできるフラッグを、という要望がこれまでバラバラと個別にリクエストされ、追加されてきました。例としては Bug #441377 とか Bug #693740 をご覧になってください。
これらを全てひっくるめて、汎用のフラッグパターンで解決してみてはどうでしょう。例えば、–conf-sect-hoge を付けたら /etc/zypp/zypp.conf の [sect] セクションにある設定変数「hoge」を上書きしてしまうようにする、という感じです。
同様に、例えば –conf-main-packagesdir で packagesdir が上書きされるといった寸法です。
これは他のユーティリティでも良く採用されている手法です。例えば OpenSSH だと '-o' というフラッグを付けて使うことができます (例: '-oPort=1234')。"
openssh もしくは openssh-lpk に AuthorizedKeysCommand パッチを適用する
"opensshd の認証キーと ldap とを結びつける必要があると唱えられて久しいです。これを実装する方法はいくつか知られていますが、そのうちのどれかを openSUSE のメインストリームでも採用してくれないかな、と思っています。
以下に、私が見つけた Fedora と RHEL6 の両方に取り込まれているのではないかと思われるパッチがあります: https://bugzilla.mindrot.org/show_bug.cgi?id=1663
もちろん、openssh-lpk のパッチもあります。
http://code.google.com/p/openssh-lpk
私の会社ではここしばらく SUSE での標準化に取り組んでいるのですが、ポリシーに従うと二重の認証 (キーとパスワード) を行うようにしなければいけないのです。ssh のキーを ldap と統合する方法が見つからないと ldap を使ったソリューションに移行することができません。私たちの会社は拡大中で、今はちょうど認証用の集中管理システムなしで個々のサーバをどうやって管理していくかに頭を痛めているといった段階にあるのです。"
Qualcomm Gobi ウィザードを用意してモバイルブロードバンドを簡単にする
"私の持っている HP un2400 の Gobi デバイスをサポートし、使えるようにしてください。USB モードに切り替えたせいなのか、gobi_loader がちゃんと動いていないということなのかは分かりません。Windows で使えるツール (VZW コネクションマネージャー) みたいに、簡単なウィザードで私や同じ状況にある他の人が容易にお金を払った分に見合うだけのモバイルブロードバンド環境を手に入れられるようにしてもらいたいです。これが、ネットブックから Windows を一掃できないでいる最後の障壁となってしまっているのです。"
openFATE 登録フィーチャー統計情報
Testing チーム
Larry Finger: 週刊ニュース5月21日号
"Testing コアチームは5月9日(月)の 17:00 UTC にミーティングを行いました。メインの話題は、次期リリース openSUSE 12.1 に向けての準備についてでした。合意に至ったのは、「機能テスト計画 (Feature Test Plan)」を立てようということでした。12.1 の新機能の概要がはっきりしてくれば、そういった計画も固まっていくでしょう。
また、Tumbleweed や Evergreen にも Testing コアチームとして関わっていくべきかどうかについても話し合いました。実はチームの中にはこれら2つのプロジェクトの成果物を使っている者がいないので、とりあえずは 12.1 に集中することにして、公式にはその他のことには手を広げないでいようということで意見がまとまっています。
次回のミーティングは5月23日(月)、17:00 UTC よりいつもの IRC チャンネルで。このミーティングは本来 12.1 M1 のリリースを受けてのものとなるはずでしたが、予定が遅れているため話は短時間で済むことになりそうです。"
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
Jos Poortvliet: カンファレンスで openSUSE をプロモートする
- 「どうして openSUSE を使っているの?」と聞かれたら、あなたならどう答えますか? いろいろ理由は並べ立てられることと思いますが、他人にお勧めしようと思うと理路整然と説明するのってなかなか難しいですよね。openSUSE には、そんなときに参考にできそうな資料がいくつか用意されています。このブログは Ambassador がカンファレンスに参加するような場合を想定したものとなっていますが、身近な人にお勧めしたいというような時にも参考にできる/使える資料ですよ。
"openSUSE には多くの Ambassador がいて、先週の LinuxTag などのようなカンファレンスに赴いて openSUSE についてのお話をしてくれています。マーケティングチームはそんな皆さん用にいくつか資料を提供しています:
- openSUSE の話題として使えるポイント
- openSUSE 関連アートワークリポジトリ
- openSUSE Ambassador 用 Wiki ページ
それぞれ、しばしば手が加えられ、改良が施されています。例えば一番最近話題として使えるポイント (Talking points) に追記したのは、簡単に openSUSE を人々に紹介するのに役立つ三段活用法 (three elevator pitches)です。追加できることが思いつきましたら (できればリンク先の Wiki のフォーマットを踏襲した形で) アイデアをお寄せください。お待ちしております。 (...)" (注:3)
Greg Kroah-Hartman: LinuxCon Japan 2011 で Linus に聞いてみたい良いお題があったらお知らせください
- もう間もなく LinuxCon Japan 2011 が始まりますね。今年もまた Greg KH は来日し、Linus との対談も予定されています。で、その対談で Linus にぶつけてみたい質問があったらお寄せくださいというお知らせです。
"前回お題募集してみたら、なかなかいい反響をいただきました。そのトークセッションがどんな感じになったかはこちらからビデオをご覧いただけるようになっていますが、Intel で働いている Dirk Hohndel の言った「カーネルについてはアップストリームに加わって活動するのは簡単になってきている」という一言に尽きるのではないかと思います。このセッションのまとめが lwn.net の こちらにありますので、ビデオを全編観る気にはなれないという方はお読みになってみてください。
前回は実際にトークセッションで使える良質問をたくさん寄せていただくことができましたので、二匹目のドジョウを狙ってみたいと思います。数週間後に私は LinuxCon Japan カンファレンスのステージで Linus にインタビューすることになっていて、話題はもちろん「Linux の20年」となります。
でも、話題をそれだけにすることもなかろうと思うんですが、どうでしょう? 何かアイデアや聞いてみたいことが思いついたらメールください。その中からいい質問をチョイスしてぶつけてみたり、ヒントにさせていただいて二人の退屈な Linux カーネル開発者の45分間の対談を楽しめる内容にしていきたいと考えています。" (注:1)
Rousinopoulos Athanasios-Ilias: openSUSE ギリシャコミュニティは2011年5月14日に Xariseto.gr バザールに参加してきました (レポート)
- ハナから Geek や関係者が集まることが分かっている IT 関連のイベントだけがプロモーションの場ではないはず。広く一般の人たちに Linux の良さを伝えるには、こういったイベントでの活動も忘れちゃいけません。
"2011年5月14日、Xariseto.gr のウェブページからの友人たちの呼びかけに応えて、K.Karamanlis (訳注: ギリシャの前首相) の新しい銅像 (Google Map では北緯 40.622943、東経 22.951405) が立ったテサロニケで開かれたバザールに参加してきました。
Xariseto というのは、各家庭から不用品を持ち寄って交換し合おうというお祭りです。Linux の、openSUSE のコミュニティとしてこういったお祭りに参加するのはとても面白いことだと思うのです。
私と Efstathios Iosifidis の二人でブースを設営し、FOSS や openSUSE プロジェクトについてご紹介してきました。ブースには、GNOME や openSUSE 関連のグッズ (DVD、早見表、チラシなど) を並べ立てました。 (...)" (注:3)
LinuxTag 2011
- 5月11日から14日にかけて、ドイツ、ベルリンで LinuxTag 2011 が開催されました。ドイツでのイベントということで、参加した SUSE 関係者は総勢約30名! 参加したお馴染みの面々からは様々な報告が届いています。…それにしても、30人も関係者が詰め寄せていたら、一般の人はブースに近寄れなかったんじゃないでしょうか!? (^ ^:)
Marcus Meissner: Linuxtag 2011 での Wine (ワイン) 話
Vincent Untz: Solutions Linux & LinuxTag 2011
Michal Hrušecký: LinuxTag 2011
Jos Poortvliet: LinuxTag 2011
Thomas Schmidt: ベルリンで開かれた LinuxTag 2011
イベント & ミーティング
終了分:
- 2011年5月17日: openSUSE Marketing チーム・ミーティング
- 2011年5月18日: openSUSE プロジェクト・ミーティング
- 2011年5月21日: HCC Linux dag (オランダ、ブニック) - リンク先はオランダ語ページ
- 2011年5月25-27日: ENTRI (ブラジル、イグアスの滝) - リンク先はポルトガル語ページ
近日開催:
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
日本の openSUSE
2011年6月 openSUSE 勉強会のお知らせ【6月4日】
"6月4日(土)に openSUSE ユーザ会勉強会を開催します。
皆様のご参加をお待ちしております。
また、発表者、ショートセミナーの内容に関するリクエストを受け付けています。
(こういう話を聞きたい…など)
USTREAM による中継も予定しています:
http://www.ustream.tv/channel/opensuse-ja
また、事前に連絡を頂ければ Skype による参加もできるかもしれません。
ハッシュタグ: #opensuseja (...)"
コミュニケーションチャンネル
貢献者
ソーシャルネットワーク
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
SUSE セキュリティ報告: Linux kernel (SUSE-SA:2011:026)
"パッケージ: kernel
報告 ID: SUSE-SA:2011:026
日付: 2011年5月20日(金) 10:00:00 +0000
影響を受けるプロダクト: SUSE Linux Enterprise Desktop 10 SP4、SLE SDK 10 SP4、SUSE Linux Enterprise Server 10 SP4
脆弱性タイプ: リモート DoS
CVSS v2 基本値: 7.9 (AV:A/AC:M/Au:N/C:C/I:C/A:C)
SUSE デフォルトのパッケージか否か: No
クロス・レファレンス: CVE-2010-0008、CVE-2010-4251、CVE-2011-0191、CVE-2011-1010、CVE-2011-1012、CVE-2011-1016、CVE-2011-1017、CVE-2011-1160、CVE-2011-1163、CVE-2011-1180、CVE-2011-1182、CVE-2011-1476、CVE-2011-1477、CVE-2011-1493、CVE-2011-1573、CVE-2011-1577、CVE-2011-1585
(...)"
SUSE セキュリティ報告: flash-player (SUSE-SA:2011:025)
"パッケージ: flash-player
報告 ID: SUSE-SA:2011:025
日付: 2011年5月17日(火) 12:00:00 +0000
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.3、openSUSE 11.4、SUSE Linux Enterprise Desktop 11 SP1、SUSE Linux Enterprise Desktop 10 SP4
脆弱性タイプ: リモートからのコード実行
CVSS v2 基本値: 6.8
SUSE デフォルトのパッケージか否か: Yes
クロス・レファレンス: CVE-2011-0589、CVE-2011-0618、CVE-2011-0619、CVE-2011-0620、CVE-2011-0621、CVE-2011-0622、CVE-2011-0623、CVE-2011-0624、CVE-2011-0625、CVE-2011-0626、CVE-2011-0627
(...)"
OMG!SUSE! team: またしても Flash Player のセキュリティアップデートが
- 上記セキュリティ報告を受けて、OMG!SUSE! が簡単なアップデートの適用法を教えてくれています。Flash Player については毎度毎度のことでややもすればマヒしがちになりますが、よいこの皆さんはちゃんと適用しておきましょうね。;-)
"セキュリティチームの Thomas Biege から、今朝方クリティカルなセキュリティアップデートについてのアドバイザリーが発せられました…そう、ご推察の通り flash-player です。
(...)
ほとんどの人の場合、以下の手順で OK のはずです:
- * YaST2 を開く もしくは GNOME あるいは KDE のパネルにある「オンライン更新」アップレットをクリックする
- * flash-player のアップデートを選択し、インストールする
- * 開いている全てのブラウザを漏れなく再起動し、古い脆弱な flash-player パッケージを使っているプログラムが残らないようにする
- * アイスティーでも一服してくつろぐ" (注:3)
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
h-online/Thorsten Leemhuis: Linux 2.6.39 は何が新しいか
"最新の Linux カーネルでは AMD の現時点のハイエンドグラフィックチップ向けドライバーと、ファイアウォールをシンプルに実現しメンテナンスできる IP set のサポートなどが提供されました。Ext4 ファイルシステムとブロックレイヤーは高速になりスケーラビリティも向上したとのことです。何百もの新しい、あるいは更新されたドライバーによってハードウェアのサポートもよくなりました。
Linus Torvalds とその仲間の開発者たちは今回も 70 日足らずでバージョン 2.6.39 をリリースしました。かすかにではありますがはっきりと、カーネルの開発速度は加速する兆候にあります。1、2 年前には二つのバージョン間には80〜90日ほどの期間を要していたのです。一方で 2.6.39 は、Kernel Log で取り上げる価値があるような進化の数がやや減っています。しかしながら、Linux を高速に、あるいはよりよくするための数多くの変更は依然なされています。
この記事ではこの Linux の新バージョンの最も重要な進化を詳しく見ていきます。これら進化の多くはサーバーだけでなくノートパソコンやデスクトップ PC にも効果があります。各ディストリビューションのカーネルも短期的にあるいは中期的に Linux システムの多数派に進化をもたらすでしょう。というのもこれらのカーネルは Linus Torvalds によってリリースされたカーネルを元にしているからです。 (...)" (注:2)
DesktopLinux: Linux 2.6.39 はファイアウォール機能を強化、Ext4 も高速に
- 上の記事でもあったとおり、2.6.39 がリリースされました。とはいえこのリリースは Linus にとって心から満足がいくものではなかったようです。来週 6/1〜3 に行われる LinuxCon Japan の基調講演のため、いくつか諦めざるをえなかった変更があったからだそうです。それでも多くの進化があったこともまた事実です。2.6.39 の記事はすでに日本語でもたくさん出ていますが、この記事は LWN.net などを参照しながら割と一般ユーザー視点で分かりやすい機能解説をしていておすすめです。
Rares Aioanei: カーネル週刊ニュース – 2011年5月21日号
- おなじみ Rares Aioanei のカーネル週刊ニュース。.39 がリリースされ、.40 に向けて早速動き出しています。LKML を追いかけるほど元気はないけれど、pull リクエストが出たばかりのまだホットな情報を得たい人は、当然読んでますよね?
"やあみんな! 今週はこのネタから始めようか:
- - Dan Williams が iSCSI へのちょっと大きな変更をアナウンスし、Trond Myklebust は NFS クライアントのバグを直し、David Miller は networking ツリーに以下のアップデートを入れ込んだよ - (...)" (注:1)
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
Anastasios Ksouzafeiris: Enlightenment (E17) を openSUSE 11.4 にインストールするには
- みなさんは Enlighentment といってピンと来るでしょうか? 元は GNOME における Metacity のようなウィンドウマネージャだったのですが、今は大きく進化して、GNOME/KDE ほど重くなく、かといって LXDE/Xfce ほど地味ではない、という位置づけのデスクトップ環境に育っています。この記事に従えば、皆さんのお気に入りの環境を壊すことなく openSUSE 11.4 で使えますので、ネットブックなどちょっと遅い環境などで試してみては如何?
コマンド/スクリプト初心者向け
BashShell.net/mike: テキストの行番号付けに nl を使う
- テキストファイルに行番号をつけたいときに使うコマンドは? cat -n ? awk ? もちろんそれらもいいですが、専用の強力なコマンド nl を使えば、簡単かつ柔軟な行番号付けが可能になります。どんなことができるかって? それはこの記事を読んでのお楽しみ。実例が豊富なので、英語を飛ばして読んでも役立つはずですよ。
開発者/プログラマ向け
Python4Kids/Brendan Scott: 新たな Tutorial – スタンドアロンの Python プログラムを動かす
- さて恒例の Python4Kids ですが、前号の記事で、インタプリタでのプログラムコード編集から、エディタで編集してそれを実行する形に移行しました。さて今号ではそれを独立したプログラムとして動かす方法について学びます。そのなかで、Python にとって非常に重要な「名前空間」の概念と import 文の使い方について説明しています。
システム管理者向け
ServerWatch/Joe Brockmeier: Unhide で Rootkit を見つけよう
- Rootkit に侵入されてしまった場合、ps コマンドによるプロセス一覧ですらすでに信用することはできません。そんなときの強い味方がunhide です。この記事では、unhide およびそのラッパーとなる Ruby スクリプト unhide.rb の使い方を紹介しています。システム管理者はもちろん、ネットワークに繋がっている Linux マシンをお持ちの皆さん、関心を持ちたい記事ですね。なお unhide は OBS の security リポジトリから入手可能です。
Planet SUSE
Bruno Friedmann: openSUSE 11.2、11.3、11.4、Factory 用の ATI/AMD fglrx 8.850 Catalyst 11.5 を用意しました
"インストール手順の詳細については以前書いた記事をご参照願います。
おかしかった 11.4 バージョン、バグの残っていた最初の 11.5 Catalyst バージョンをうけて、この新しいバージョンがついにビルド完了してリポジトリから入手できるようになりました。11.3 の時と同様 xpic ではない以前のバージョンはすべて一掃しましたので、どのバージョンを入れたらいいか分かり安くなったと思います。
RPM は全て私のキーで署名し直してあります。そしてテストしている範囲ではちゃんと動いてくれています。 (...)"
Will Stephenson: みんな、もう BURP (ゲップ) ってる?
"もうやってる? 胃に溜まったガス抜きの話じゃなくて、openSUSE に実質的に貢献する最も簡単な方法のこと。
#active チャンネルに入っていたときのこと、KDE 仲間が作った新しいタッチスクリーンインターフェース (動画) を観ていたら、shared-desktop-ontologies にはまだ KDE の git マスターが必要としている最新のリリースが入っていないということを誰かが指摘したんだ。それを聞いた私は、自分ではパッケージをアップデートしないで、BURP (ゲップ) してみてごらん、と勧めてみた:
- Branch (ブランチを切る)
- Update (アップデートする)
- Request (リクエストする)
- Package (パッケージになる)
この手順を踏めば開発プロジェクトでみんなが最新版を入手できるし、すぐに Tumbleweed や openSUSE Factory にも行き渡るようになる。ということで、Ambassador、Booster のみんな、そしてやる気ある貢献者のみんなだったらどうすればいいかは分かってるよね? 同じようにするよう友達や同僚に勧める時には、この glib のちっちゃな頭字語を使ってみてね。
Happy BURPing!"
Pascal Bleser: orig-addon って何?
- 何で Packman っていうリポジトリがあるの?って疑問を抱いたことありませんか? これはいわゆる「大人の事情」の産物なんですが、このブログではそのへんの背景について説明したうえで、gstreamer 関連のパッケージが Packman にお引越しし、パッケージ名の最後に "-orig-addon" が付くことになったいきさつとそれらの導入方法が記されています。
"変な質問だよね? :)
まずはそもそもの事情説明から。openSUSE プロジェクトがメインのインフラから配布できないパッケージというものが結構あるんだけれど、これは法的な理由によるものではなく、ソフトウェア特許の侵害に当たるかもしれないということを考慮しているための措置なんです。これに openSUSE プロジェクトのメインスポンサー (Attachmate、その前は Novell) がほとんど全ての IT インフラのスポンサーにもなっていること、Attachmate (及びその前の Novell) がアメリカで事業を展開していて、アメリカにはソフトウェア特許に関するとってもバカげた判例がある (市場に任せておけばいいと思うんだけど) ことがあいまって、今のような状況になってしまっているというわけです。でもこの状況は他のほとんどのディストリビューションでも似たり寄ったりで、小さくて目につきにくいディストリビューションのいくつかだけが無視しちゃっているという現状があります。 (...)" (注:1)
Uwe Gansert: SUSE Manager のインストール/設定スクリーンショット集
- 元々は Red Hat が開発した Spacewalk に手を入れ、SLES も RHEL も管理できるようにしたのが SUSE Manager。様々な OS が混交する環境を管理しなければいけない管理者にとっては心強い味方となってくれるかも。どんなものなのか試してみませんか?
"ちょっと試してみたいんだけど、SUSE Manager の設定には時間がかかるんじゃないだろうか…と躊躇している人もいるのではないでしょうか。ということで、全ワークフローをスクリーンショットでご紹介してみることにしました。見ていただければその簡単さは分かると思いますし、時間はせいぜい20分程度しかかかりません - しかもそのうちのほとんどはただの待ち時間です。
評価版はこちらから入手できます。インストールに必要な最小環境はメモリ2GB、ハードディスク空容量12GBとなっています。
では始めましょう。各スクリーンショットの右下には次のスクリーンショットへのリンクが置いてありますので、辿っていただけばインストールの流れを全て見ることができるようになっています。 (...)" (注:1)
Uwe Gansert: Clementine の DBus インターフェース
- Twitter などのマイクロブロギングでも良く「○○リスニング中」みたいなツイートが流れるてくることありますよね。この記事では、ローカルの音楽プレーヤーで聴いている曲を X-Chat で伝える Perl のスクリプトが紹介されています。十数行の短いスクリプトで、なにかに応用もできそうですのでちょっと見に行ってみてください。
"“音楽がなかったら、毎日の生活なんて幻のようなものになってしまうだろう。” – フリードリッヒ・ニーチェ
私は Amarok2 が好きになれません。1.4 のころは好きだったんだけれど、2.0 になって以降は壊れてて不細工になったとしか思えないんです。なので、昨日 Clementine に宗旨変えすることにしました。
最初からあらゆる点で良くなりました – 最終的にはカバーも全部ちゃんと表示できるようになり、UI も使い易く、演奏順序も常に正しく、last.fm プラグインもとってもいい感じだし…あれも…これも…それも…
あと足りないのは、X-Chat 用に私が書いたちっちゃなスクリプト、now-playing だけとなりました。
以前既に Amarok 用に書いたことがあったので、今回はちょっといじるだけで済みました。 (...)" (注:1)
openSUSE フォーラム
あなたは何か貢献してますか?
このスレッドについてあれこれ前置きする必要はないでしょう。コミュニティベースのディストリビューションにはコミュニティが必要です。でも、みんなはどんな形で貢献しているのでしょうか。ここではアンケート、投票が行われています。
アップデート後に起きた起動の問題
ほとんどのディストリビューション同様 openSUSE にもアップデートシステムがあり、それは YOU (YaST Online Update) と呼ばれることもあります。アップデートで提供されるのは、新しいプログラムのリリースから重要なシステム関連のアップデートまで多岐に及びます。さて、このスレッドでは、最近のカーネルアップデートに関連して起こった起動時の問題とその解決法が報告されています。また同時に、起動プロセスについてのいろいろな情報も見ることができますよ。
音声をキャプチャーできません
この10年間でコンピュータはすっかりマルチメディアマシンと化しました。音楽や動画の再生はもちろん、TV を視る人もいるし、多くの人は VoIP を使い、作曲する人もいます。これらのことを可能とする要素の一つとして、例えばノートパソコンでマイクを使って録音したいというときに音声をキャプチャーできなくてはいけない、ということが挙げられます。ここに音声キャプチャーがうまくできないというユーザが現れたのですが、このスレッドはハッピーエンドで締めくくることができました。どうやって投稿者を救うことができたのか、読んでみてください。
openSUSE 11.4 の Kmix に出てくるチャンネルが少なすぎる
マルチメディア方面からもう一つ。KDE4 と Kmix のインターフェースに慣れているという方にはお薦めスレッドです。というのも、音声の扱い方がいくつかの点で変わってきているからです。これによって Kmix のインターフェースのレイアウトも変わっています。音声はちゃんと再生できているんだけどこれまで Kmix で見慣れてきたチャンネルはみんなどこへ行ってしまったのだろうかと首を傾げているあなたにとってきっといい読み物になることでしょう。
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
お知らせ
SUSE、Linux 市場の成長・進化促進に焦点を当てたエクゼクティブ・リーダーシップ・チーム発足を発表
- Attachmate グループによる Novell 買収が完了したことに伴い、同グループは SUSE を Linux 関連の独立ユニットとすると発表していましたが、この度その新体制が発表されました。SUSE のゼネラルマネージャーに指名された Nils Brauckmann によると「我々は openSUSE プロジェクトの価値を認識、祝福しており、今後も openSUSE コミュニティの強力なサポーターであり続けたいと考えています」とのこと。なお、今回発表された首脳陣のプロフィールについてはこちらにまとめられています。
BMC Software、Eucalyptus、HP、IBM、Intel、Red Hat、SUSE で Open Virtualization Alliance を設立
- 上記の SUSE の新体制発表の前日、これまた大きな発表がありました。タイトルにある通りそうそうたる顔ぶれがうち揃って KVM (Kernel-based Virtual Machine) を中心としたオープンな仮想テクノロジーを推進するための団体、Open Virtualization Alliance を立ち上げたのです。openSUSE 的な視点で注目なのは、Novell としてではなく SUSE として参加していること、そして、KVM をメインとして据えているということでしょうか。これまで SUSE = Xen というイメージが強かっただけに、今後の動きが気になるところです。
Xamarin 設立のお知らせ
- Novell による Mono/Moonlight の主要開発者のレイオフは FLOSS 界にとって大きなニュースになりましたが、そこは苦労人の Miguel だけに、さっそく資金を調達して Mono/Moonlight 事業をビジネスにする新会社 Xamarin を設立しました。以下、Miguel 本人によるアナウンスです。
"本日、Mono ベースのプロダクト事業を中心とした新会社、Xamarin を設立しました。
Xamarin が行うであろう事業は次のとおりです:
- * iOS 向けの商用 .NET フレームワークの構築
- * Android 向けの商用 .NET フレームワークの構築
- * オープンソース版の Mono および Moonlight コンポーネントへの貢献、メンテナンスおよび開発の継続
- * Moonlight をモバイル環境や Mac app ストアで使えるようにするための調査 (...)" (注:1)
募集
h-online/Chris von Eitzen: GNOME と KDE、2011 Desktop Summit のプログラムを公開
"GNOME Foundation と KDE e.V. のボードは本年の Desktop Summit のプログラムを発表しました。開幕のキーノートの後、参加者はコミュニティ、アプリケーション、プラットフォーム、タブレット、開発、アクセシビリティ、ヘルプなどといった様々なトラックが行われている四つの部屋を自由に選ぶことができます。
2011 年のこのイベントはドイツ、ベルリンのフンボルト大学にて、8月6〜12日の週に行われる予定です。開発者、コミュニティメンバー、ユーザーすべてに開かれたイベントです。このジョイントカンファレンスは Berlin Senate と TSB Innovation Agency Berlin GmbH からの地元支援を受けており、千人ものコアコントリビュータ、オープンソースプロジェクトリーダー、その他政府自治体、教育機関、企業といった環境の代表が出席すると見込まれています。 (...)" (注:2)
@IT CORE: News/高橋睦美: 「sinsai.info」がAPI公開、開発者やデータ入力・承認の参加呼びかけ
- 未曽有の災害となった東日本大震災。いや、まだ過去形で語ることはできません。そのなかでも OSS の力を、コミュニティの力を被災地の現状のために、また将来のために使おうという活動が出てきています。そのなかでもコミュニティ発でありながら本震発生後わずか4時間で稼動した sinsai.info のスピード感は特筆すべきでしょう。この記事では先日行われた sinsai.info シンポジウムの模様を紹介しながら、sinsai.info およびその関連プロジェクトについてまとめています。なお sinsai.info (の元となっている Ushahidi) は主に個人に向けた震災情報集積システムですが、復旧・復興に向けて重要になってくるNPOや行政の活動を支援することを目的とした SAHANA というプロジェクトもあります。こちらも離陸に向けてまだまだ人手が必要な状況なので、ぜひチェックして自分が手伝えることはないか探してみましょう!
"東日本大震災の被災者向けに避難生活や復旧/復興に必要な情報を集約、整理し、公開している情報サイト「sinsai.info」は、「オープンなソフトウェア」「オープンなデータ」「オープンなコラボレーション」を柱に活動を続けている。そしていま、震災後の緊急支援から、中長期的な復興支援へ向け「新たなスタート」を切ろうとしている。
5月7日に開催された「OSSチャリティセミナー」、そして5月14日に行われた「sinsai.infoシンポジウム」での講演内容を基に、その取り組みを紹介したい。
(...)
ただ、そのための人手が足りない。現時点では、レポートについては1日当たり10人、承認には1日当たり20人の労力が必要だ。なるべくタスクの粒度を小さくして1人当たりの負担を減らし、継続して活動できるよう工夫に努めているが、「完全に人手不足」だという。
特に、承認作業が大変だという。すでに1万7000件以上のレポートが承認を待っているが、その作業にはどうしても、1件当たり2~3分の時間がかかる。承認に携わる人は増やしたい。しかし誰でもいいというわけではなく、ある程度レポートやsinsai.infoのワークフローに慣れ、情報を見極める目を持った人でなければ任せられない――そこにジレンマがあるという。
それでも「情報を垂れ流すのではなく、人の目を通して精査しているところにsinsai.infoのメディアとしての意味がある」とデータ班。この部分を解決していきたいし、希望者はぜひ参加してほしいと述べた。 (...)" (注:1)
レポート
h-online/Dj Walker-Morgan: 新たな SUSE の責任者曰く: 個人的には openSUSE を非常に高く評価しています
"本サイト The H が三週間前にレポートした通り、Attachmate 傘下での SUSE 体制が正式に発表され、Nils Brauckmann がニュルンベルクに本社を置く新規ビジネスユニットの新たな責任者として指名されました。指名後初めて、The H は Brauckmann とコンタクトをとり、彼の新たな職位について、SUSE 部門の変化が openSUSE にどのような影響を及ぼすかについて話を伺ってみました。The H は Brauckmann に対して、SUSE についてのプレスリリース内で openSUSE について言及していたのは一ヶ所しかなかったことを指摘し、これは SUSE Linux のオープンソースバージョンの位置付けが低くなったことを物語っているのではないかという質問をぶつけてみました。 (...)" (注:2)
h-online/Dj Walker-Morgan: De Icaza、Mono 開発のための企業を設立 – Xamarin
"Miguel de Icaza は Mono ベースのプロダクトの開発を中核事業とする新会社 Xamarin の設立を 発表しました。これらのプロダクトには、MonoTouch / MonoDroid とソース互換がある、iOS / Android 用の新たな商用版 .NET プロダクトが含まれるとされています。MonoTouch / MonoDroid はオープンソースの Mono をベースに書き起こされたけれどもまだオープンソース化していません。Xamarin はまた Moonlight がモバイルや Mac app ストアなどで使える可能性を探ることになっています。Icaza は付け加えて、この新会社はオープンソース版の Mono および Moonlight コンポーネントへのコードのコントリビュート、メンテナンスおよび開発は継続すると述べています。 (...)" (注:2)
h-online/Chris von Eitzen: Flash のクッキーについてしっかり理解しよう: Adobe、Flash 10.3 を公開
"Adobe はすべてのプラットフォーム向けの Flash Player に対し、バージョン 10.3 を
公開しました。このバージョンではついに Flash クッキーをユーザーが制御できるようになりましたが、それはサポートしている Web ブラウザを利用している場合にかぎられます。今のところ Firefox 4、Chrome 11、Internet Explorer 8 (以上)、それからもうじき Safari がサポート予定です。新設された ClearSiteData API を使うとブラウザから Flash クッキー (LSOs – Local Shared Objects) を 扱うことができるようになります。普通のクッキーが Web ブラウザで扱えるように、です。このリリース以前は、ユーザーがこの頑固にこびりついた Flash クッキーを操作するには、 Adobe Web サイトの 設定マネージャー(日本語訳) に行く必要がありました。 (...)" (注:2)
Linuxconfig.org: Linux 関係仕事探しポータル公開: LinuxCareer.com
- Linux でゴハンが食べたい! けど Linux で、という条件の求人を探すのは難しい……あるいは、Linux 管理者を雇用したいけど、実務経験がある人材を一般公募で探すのは大変……。そんなニーズはどうやらどの国でもあるようで、そんなわけで Linux 専門の仕事探しポータル LinuxCareer.com がオープンしたそうです。残念ながら日本の雇用形態でこういうポータルを使うのはなかなか難しいでしょうが、いずれはこういう FLOSS 技術限定の仕事探しポータルが日本でも普及してくるといいですね。
Hubfolio/Matthew Casperson: JSLinux を使ってブラウザ上で Linux を動かそう
- ネットで話題を席巻しているので今更説明するのもヤボですね。JavaScript で x86 アーキテクチャをエミュレートしその上で Linux を動かすというものです。マイコミジャーナルの記事でも紹介されましたし有名ブログなどでも取り上げられたので当然ご存知ですよね。とはいえこの記事では、単に Linux が動く! ということだけではなく、FreeDOS を使って懐かしのゲームを動かすなんてどうだろう、みたいな視点もあってちょっと面白いです。
レビュー/エッセイ
Royal Pingdom: デスクトップ Linux の砦、上位20傑
- Linux は携帯から情報家電、クラウドサーバー、スーパーコンピューターまであらゆるエリアを制覇しつつありますが、デスクトップだけはどうも大成功とはいえないようです。ここをお読みの方ならデスクトップ OS として Linux をお使いの方も多いでしょうが、正直国内では数字に出ないほどのシェアしかないのが現状です。では何が課題かということについては近日開催の LinuxCon Japan でもセッションがありますが、逆に考えて、使われているのはどういう所かをみたら何かヒントがないかというのがこの記事。ネットマーケティングサイト statcounter で国別統計を取って Linux が上位に来る国20傑を出してみたら、さてどんな国がリストアップされたでしょう? 一位はどこ?
Free Software Foundation/Richard Stallman: Microsoft Skype
- Microsoft による Skype の買収はネットでも大きな話題を呼びました。その買収金額もさることながら、フリー OS 向けのクライアントの提供について懸念する声も上がっていますが、RMS こと Richard Stallman は「そんなことは問題ではない」といいます。フリーでないソフトウェアを使うということは他者に支配されるということで、その支配者があちらからこちらに移っただけだ、ということです。では支配をよしとしない選択肢は?……続きをどうぞ。
ITWorld/Steven J. Vaughan-Nichols: Linux ユーザーのための五つの Skype 代替品
- こちらも Skype ネタ。今でさえ Linux 版は 2.2 beta だというのに Windows 版は 5.3 という差があるというのに、MS に買収されたらどうするの? 代替案を考えるべきなんじゃないの? という記事です。さて筆者ご推薦の五つの代替品とは? 皆さんがすでにお試したものはあるでしょうか?
Linux.com/Jack Wallen: Linux で Bogofilter を使って SPAM をストップ
- 電子メールは便利ですが SPAM が多いからなぁ……という方もきっと多いですよね。そういうときに使うのが SpamAssasin や Bogofilter ですが、この記事では Bogofilter の紹介と簡単な使い方を紹介しています。
Linuxaria: アンチョコ集
- Cheat sheet (チートシート) という言葉をご存知でしょうか? Cheat というのは「ズル」のことなので要はカンニングペーパーなわけですが、転じて、あるものの使い方などを見やすい大きさ (しばしば A4 やレターサイズ一枚) にまとめた早見表やアンチョコの類を指します。ネット上にはこういうアンチョコの類がたくさんあり、この記事では Linux で使えるさまざまなアンチョコを紹介しています。シェルスクリプトやコマンドラインツール (sed, awk など)、Web ブラウザ、さまざまなアプリ、デスクトップ環境、ディストリビューション (もちろん openSUSE も!) などなど。この記事を読むのはもちろんのこと、自分の欲しいものがなかったら、「??? cheat sheet」などと検索してみてはいかがでしょう?
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クレジット
- Sascha Manns (英語版編集長)
- Gertjan Lettink (『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstätter (『イベント & ミーティング』情報担当)
- Thomas Schraitle (英語版 DocBook 指導)
- Satoru Matsumoto (英語版編集室/日本語版チーム)
- Naruhiko Ogasawara (日本語版チーム)
- Ko Kazaana (日本語版チーム)
- Yuta Hanayama (日本語版チーム)
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