openSUSE:基本方針

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このドキュメントは、openSUSE プロジェクトを運営していくうえでの基本方針(guiding principles)を記述したものです。プロジェクトがどのように機能するかについての共通理解のドキュメントとして提供することにより、openSUSE コミュニティ内へ、そしてコミュニティの外の世界へ宛てられています。

openSUSE 基本方針(Guiding Principles) (ショート・バージョン)

私たちは...

... フリーなオープンソース・ソフトウェアへの自由で容易なアクセスを提供するコミュニティです。私たちは、世界で最良の Linux ディストリビューションの一つを革新し、統合し、磨き上げ、文書化し、配布し、メンテナンスし、サポートします。私たちは、オープン、透明、そして友好的なマナーで、世界規模のフリーなオープンソース・コミュニティと共同作業していきます。

私たちの望みは...

  • 世界で最良の Linux ディストリビューションを作ることです
  • Linux の成功を後押しすることです
  • ユーザを幸せにすることです
  • 革新を後押しすることです
  • オープンであり、透過的に作業することです
  • アップストリームのプロジェクトと共同作業することです
  • 他のコミュニティと協力することです
  • たくさん楽しむことです!

私たちが大切にしているのは...

  • フリーなソフトウェアです
  • オープンな開発プロセスです
  • 開かれていることです
  • 選択できることです
  • 標準化です
  • 品質です
  • 透明性です
  • 私たちのユーザです
  • 他者と、彼らの仕事への敬意です


openSUSE 基本方針(Guiding Principles) (ロング・バージョン)

私たちは...

... openSUSE コミュニティです。

... すべてのコンピュータユーザがそれぞれ自分の目標に到達することを可能にする、オープンなフリーソフトウェアのディストリビューションのために努力するすべての人のためのプロジェクトです。

... 巨大かつ強力なフリーソフトウェアのコミュニティです。このコミュニティには、開発者のみならずユーザ、テスター、ライター、翻訳者、ユーザビリティの専門家、アーティスト、プロモーター及びこのプロジェクトに携わろうと望むすべての人が含まれます。

... 広範なテクノロジーを取り込み、様々なレベルの専門知識、様々な言語、様々な文化的背景を持つ人々で構成された、多様性のあるプロジェクトです。

... 主に次の3つの領域に焦点を当てています。

ディストリビューション開発
openSUSE コミュニティは、包括的で技術的に優れた Linux ディストリビューションを開発します。このディストリビューションは、使い易さ、安定性、完成度および革新性の領域において Linux の歴史にその名を刻んできた SUSE Linux の長きにわたる開発の伝統に基づいて構築されていきます。
コミュニケーション基盤
フリーソフトウェアに携わるうえで基本となるのは、様々なレベルでの効果的なコミュニケーションです。Wiki、メーリングリスト、フォーラム、IRC、あるいは Bugzilla といったプロジェクトが運営するプラットフォームにより、コミュニケーションは活発に促進されるでしょう。
openSUSE ビルドサービス
フリーソフトウェアは、個々人の様々な形での関わりによって推進されています。この作業を、openSUSE ビルドサービスはサポートします。このサービスは、ソフトウェアメンテナに対し、openSUSE ディストリビューション用の、更に他のディストリビューション、プラットフォーム用のソフトウェアをもコンパイルし、統合する環境を提供します。ビルドサービスは、ソースパッケージからシステムに合わせたインストール可能なバイナリを作成するプロセスを劇的に容易にし、エンドユーザにソフトウェアを配布することも簡単にしました。また、ディストリビューションの開発に直接的に貢献することも、開発ブランチを保守することも可能にしました。

私たちの望みは...

... 最大のユーザコミュニティを持ち、フリーソフトウェアを入手するための基本ソースとなりうる、世界で最高の Linux ディストリビューションを作ることです。

... いたる所で Linux の成功を後押ししていくことです。私たちは、サーバ、デスクトップ、あるいは開発用途など広い範囲のアプリケーション領域で Linux が成功を収め、住む地域の違いや文化的背景に関わらずあらゆるユーザに使われていくことを望んでいます。

... 安定していて使い易く、ユーザにとっても開発者にとっても、デスクトップとしてもサーバ用途としても完璧な多目的ディストリビューション、初心者と熟練したユーザのための、つまり、すべて人のためのディストリビューションを作ることです。

... 定期的にアップデートされるディストリビューションを作ることにより、革新性と新しいアイデアを育成することです。そこには最新の開発成果が取り込まれ、openSUSE ディストリビューションをベースとしたカスタマイズ版を作ることも容易にします。

... ダウンロードしたり、箱入り製品版を購入したり、雑誌の付録としてあるいはプロモーション用メディアとして手に入れるなどといった方法を含む、いろいろな経路でディストリビューションを簡単に入手できるような技術的基盤をサポートし、提供することです。

... 私たちコミュニティにより推進されるオープンで見通しが良く、理解し易い開発プロセスに従うことです。そのプロセスは、開発を容易にするものであるべきです。

... アップストリームのプロジェクトや、他のディストリビューションとも協力していくことです。私たちはアップストリームのプロジェクトへ取り込んでもらうべく革新性、パッチや修正を提案したり、あるいは、ディストリビューションを完成させるという共通のゴールに向かうため、他のプロジェクトと直接共同作業していきます。

... 仕事においても趣味においても、SUSE のモットーである『Have a lot of fun ...(思いっきり楽しもう)』を座右の銘としていくことです。

私たちが大切にしているのは...

... フリーソフトウェアの理念である、使用、共有、学習および改変、更に改変したバージョンを共有することに対する自由です。

... フリーソフトウェアの自由に基づいたオープンな開発プロセスです。そのプロセスはしっかりとしたレビュー、責任あるメンテナンス、個人の責任、そして協力的かつ与えられた環境における組織の自立を推進します。

... オープンな協力体制、オープンなコミュニケーション、オープンな開発、オープンなディストリビューション、オープンなソースコード、そしてオープンな心という意味でのオープンさです。

... 選択できることです。私たちは、様々な仕事の進め方、アプリケーション、環境、ツールあるいはインターフェイスについての好き嫌いが存在し、ユーザと貢献者にとってのゴールもまたそれぞれであることを理解し、尊重します。私たちは広範な人々のニーズに応えるためには、いろいろな選択肢が存在することが大切だと考えます。

... 多様なサービスとアプリケーションの相互運用及び統合を推進していくための標準です。私たちは選択の自由の基礎として、単一文化や囲い込みに抵抗するための砦として、豊かでユーザ本位なシステムの土台としての標準が大切だと考えます。

... 堅実で見通しの良い開発プロセスを基にした技術的に優れたソリューションを追求することにより品質向上をはかることです。私たちはそれを達成するために、問題に対するソリューションを提供し、ユーザのニーズを真摯に受け止め、綿密に定義された品質保証プロセスを通じて安定性を保守していきます。

... 意志決定プロセスの透明性、コミュニケーションの透明性、作業及び協力プロセスの透明性です。それには、質問に対する回答が公開されること、すべての関連情報が提供されること、すべての関係者に滞りなく情報がもたらされることが含まれます。私たちは、中で行われていることがすべての人に理解してもらえる透明な文化が、我々の目標に到達するために最も効率的で価値のある環境を提供すると確信しています。

... ユーザ、ユーザの要望と目標、問題に遭遇したときのユーザからの手助けの求め、我々共通のプロジェクトのためのユーザのサポートです。私たちはユーザの声に耳を傾け、私たちのすべての活動においてユーザのニーズに焦点を当てていきます。私たちはユーザを私たちコミュニティの一部だと考えています。

... 他の人々や彼らの貢献を尊敬し、異なる意見や信条に敬意をはらうことです。私たちは議論に耳を傾け、建設的かつオープンな方法で問題に対処していきます。私たちは、相互の尊敬に基づく多様なコミュニティが、プロジェクトへ本当の成功をもたらすクリエイティブで生産的な環境の土台となると信じています。私たちは社会的な差別を認めず、人々が受け入れられ、攻撃にさらされる心配がないと感じられる環境を作るべく努力します。

運営について

openSUSE プロジェクトは、上記で明確にした目標と価値観に基づいて推進されます。このプロジェクト及び派生プロジェクトは、既存のオープンソース開発プロセスと対応する意志決定プロセスに倣って運営されていきます。

プロジェクト全体をリードしていくため、メンテナの評議会(Board)が構成されます。評議会は、以下の任務を負います。

  • 連絡の中心点として活動
  • 混乱収拾の手助け
  • コミュニティの興味を SUSE へ仲介
  • コミュニティ内のあらゆる範囲においてコミュニケーションを推進
  • 必要に応じて意志決定プロセスを推進

評議会は現状の運営基盤に対するガイダンスとサポートを提供すべきですが、開発の方向付けを行ったり、規制したりすべきではありません。コミュニティの仕組みはプロジェクトの目標を達成するために存在すべきものだからです。評議会が行うべきことは、決定事項とポリシーの文書化です。

メンテナ評議会は、SUSE によって雇用されていない2名を含む5名のコミュニティメンバーにより構成されます。評議会は、あらゆる決定に対する拒否権を有する委員長により率いられます。委員長は SUSE により任命され、原則的には SUSE の被雇用者となります。SUSE はコミュニティの意見を元に評議会の初期メンバーを指名します。その初期メンバーには、ディストリビューション、コミュニケーション、ビルドサービスのコーディネータが含まれるべきです。メンテナ評議会メンバーを指名していくためのプロセスを定める内部規約は追って整備されます。

SUSE は openSUSE ディストリビューションを保守し、リリースしていくためのリソースを openSUSE コミュニティへ提供します。SUSE は、インフラ、人的リソース及び資金の提供により openSUSE をサポートしていきます。

openSUSE コミュニティと SUSE は、メンテナ評議会の主導により、ルールに則った透明性のあるプロセスに基づいてディストリビューションの中身をどうしていくか決めていきます。openSUSE は SUSE のエンタープライズ向け Linux 製品のベースとなります。

SUSE は、openSUSE の登録商標を所有します。SUSE は公式な openSUSE のアートワーク について、使用の許諾及び奨励を行います。