openSUSE Weekly News/188
openSUSE Weekly News 日本語版 第188号 今週の見出し
- 戦略 (ストラテジー) まとまる!
- h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: Linux 3.1 最初のリリース候補版
- Matthias Hopf: SUSE でのグラフィックのベンチマークテスト
- Samba チーム、バージョン 3.6 をリリース
- ITworld/Brian Proffitt: KDE 5.0 のロードマップが公開
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
お知らせ
戦略 (ストラテジー) まとまる!
"戦略 (ストラテジー) についての議論が始まったのは今からおよそ2年前、第1回 openSUSE カンファレンスでのことでした。そして数ヶ月前に最終文面が提示され、2011年7月14日に賛否投票が締め切られました。200名以上の openSUSE Member が投票に参加し、90% 以上の方が現在の文面に対して賛成票を投じてくれました。さて、次なる段階は? (...)"
Google Summer of Code 2011
- 8月も残すところ後10日あまり。そろそろ追い込みの時期に入ってきた各プロジェクトですが、今週の進捗具合はどうなっているでしょうか?
Christos Bountalis: 設定 / sysconfig ファイルをマージするためのユーティリティ 窶・第11週レポート
Marcus Huwe: osc のコード整理 窶・第11週のまとめ
Sebastian Oliva: JSON 週次レポート
Aditya Dani: btrfs 用のテストスイート 窶・今週の進捗報告
David John Williams: Entomologist の UI の変更 窶・週次レポート #12
更新状況
ディストリビューション
チームレポート
Build Service チーム
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
KDE チーム
Sebastian Kugler: Plasma Active & Contour のデモ
- このコーナーで何度も紹介している Plasma Active ですが、今回は Desktop Summit でデモ展示された Contour シェルについて。何はともあれリンク先の動画をご覧あれ。タブレット PC 上でどんな感じで使えるか、いろいろいじって見せてくれてますよ。
"ここベルリンで開催された Desktop Summit での、MeegoExperts による Fania と Marco へのインタビュー。このビデオの中では Plasma Active の Contour シェルのコンセプトや使い勝手について解説されています。我らが愛すべきフリーソフトウェアの成果を元にしたこのコンシューマーデバイス向け次世代ユーザ体験について、是非ご自分の目で確かめ、学んでみてください。
YouTube でご覧ください。" (注:1)
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 361)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 188)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
1-クリック・アンインストール (得票数: 162)
"簡単にソフトウェアを削除できる手段を!
例えば、あるアプリケーションを 1-クリックインストールで入れたとします (これにより、必要なパッケージが全てインストールされることになります)。そのような場合、その 1-クリック操作で入れたものを簡単に (ここでも 1-クリックで) 削除する手段があるべきです...言い換えると、インストールしたソフトウェアの (依存関係にあるパッケージもまとめての) 「1-クリック・アンインストール」です。"
GRUB v2 へアップデート (得票数: 145)
"GRUB 0.97 に対するバグ修正や追加機能を開発しても、もう GRUB 2 を使うからという理由でアップストリームプロジェクトには受け入れてもらえなくなってしまっています。ディストリビューションを開発するコミュニティの間ではブートローダーの切り替えには抵抗があるようですが、もはやこの膠着状態が解消する見込みはなさそうです。コード自体は綺麗だとも言えませんし、しっかりメンテナンスされているとも言えません。何か新しい機能を追加しようと思ったら、あらゆる実行時の制限をなんとか迂回したとしても、ちゃんと機能するかどうか分からない何段階もの手順を踏まなければいけなくなります。例えば、ファイルシステムの実装はメモリ管理に使える静的なバッファを持ちます。このサイズはたったの 32k です。複雑なファイルシステム、あるいはシンプルなジャーナリングファイルシステムであっても、扱う場合には問題が起こってしまいます (Reiserfs でバグをロードするのが全然終わらないといったようなケース)。というのも、ジャーナルのためにブロックマッピングを行うのに十分なメモリーが割り当てられておらず、メタデータを読み込むごとにいちいちスキャンしなければいけなくなってしまうからです。(本当に、もう。) (...)"
Popularity contest (人気投票) (得票数: 107)
"ユーザに好まれ、良く使われているパッケージについてのフィードバックが必要です。Debian には既に Popularity contest (popcon) という名前のツールが用意されています。
- popcon を再利用することで、Debian 及び Ubuntu と直接的に比較した結果を見ることができる
- パッケージャーチームはパッケージをどうしていくべきか伺い知ることができる
- YaST で使える見通しの良い設定用ダイアログが必要です
- opensuse.org 上にサーバインフラストラクチャーが必要です (いくつか個人情報絡みの問題があります。詳しくは Debian の FAQ をご覧ください)"
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、 先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
パッケージをインストールする際、chroot 環境かどうかにも注意するようにしましょう!
"Debian ではすでにこれができるようになっています! パッケージのインストールあるいはアップグレード時に、chroot 環境かどうかを検証するんです。リクエストした理由: chroot 環境にインストールした openSUSE Tumbleweed をリフレッシュしようとすると、毎回以下のようなエラーが起こってしまうんです:
Installing: filesystem-12.1-26.1 [error] Installation of filesystem-12.1-26.1 failed: (with -nodeps -force) Error: Subprocess failed. Error: RPM failed: error: unpacking of archive failed on file /proc: cpio: chown failed - Read-only file system
もちろん、/proc はリードオンリーでマウントしています! chroot 環境で使うときは、いろいろな理由から /proc をマウントしておくことが推奨されています。例えば、Gentoo で Stage を試そうと思ったら、/proc がマウントされていないと失敗してしまいます。このように /proc をマウントするのは標準的な手順ですから、この機能は必須と位置付けられるものだと思うんです …"
amd64 なホストで動く valgrind の i386 バージョンを提供
"現在の状況:
$ uname -m
x86_64
$ valgrind ./a.out
valgrind: failed to start tool ‘memcheck’ for platform ‘x86-linux’: No such file or directory"
Kmail バックアップ + リカバリー
"Kmail (及びその他プログラム) にバックアップ (そしてリカバリー) ボタンがあったらいいな、と思うんです。
それを使えば、必要なデータファイルを簡単にバックアップフォルダーにコピーしてしまえるという感じで。
あれこれ設定しなくても済むように、選択バックアップ (選択リカバリー) 機能があると便利かもしれません。"
openSUSE 12.1 で ownCloud をサポートしましょう
"> 自ホストでのインスタンス作成
> 簡単にウェブ上でホストできるインスタンス用テンプレート
> Dolphin などからのファイルアップロード
> openSUSE Apps からの文書/音楽/動画/ブックマークを使う
というような感じで ownCloud 2.0 をサポートできるようになると素晴らしいですね!
http://news.opensuse.org/2011/06/17/opensuse-and-your-own-cloud/
なんとかならないでしょうか?"
PaclageKit をバックエンドとする Software Center パッケージを
"2011 GSoC の成果として - openSUSE でテストできるように、Software Center に対応する PackageKit バックエンドと AppStream を統合した software-center 及びその依存関係にあるものをパッケージ化しましょう。
依存関係があるのは以下のものです:
- pygobject (git.gnome.org のマスターブランチ)
- PackageKit - 0.6.16 以降
- software-center そのもの (間もなくマスターとなる pk ブランチ、 https://code.launchpad.net/~alexeftimie/software-center/packagekit-backend )
- python-piston-mini ( https://code.launchpad.net/piston-mini-client )
その他依存するもの:
- po4a (software-center の setup.py で必要になる)"
openFATE 登録フィーチャー統計情報
Testing チーム
Larry Finger: 週刊ニュース 8月13日号
"Testing コア・チームが2011年8月21日の 0:00 - 23:59 UTC に開催する「オープン・バグ・デー」のリマインダーです。このイベントについてのウェブページは http://en.opensuse.org/openSUSE:Open-Bugs-Day となっています。11.4 で見つかっているオープンなバグが 12.1 MS4 でも再現するかどうかの検証が主な作業となる予定です。
MS4 を直接インストールできるようなメディアは提供されていませんが、MS3 がインストールしてあれば MS4 相当にアップグレードすることができます。その場合、登録してあるリポジトリは一旦全部削除して、以下のリポジトリを追加してください。
- http://download.opensuse.org/factory/repo/oss
- http://download.opensuse.org/factory/repo/non-oss
- http://download.opensuse.org/factory/repo/debug
次回の IRC ミーティングは、8月15日の 17:00 UTC より、Freenode IRC ネットワークの #opensuse-testing チャンネル (irc://irc.freenode.net/opensuse-testing) での開催となります。そこでは、MS4 を使ってみての感触を話し合ったり、オープン・バグ・デーの計画を固める予定です。
なお、追加情報として。上で紹介したリポジトリを選択 (& 有効化) した後で 'sudo zypper dup' を実行してください。実行しても MS3 のままのように表示されてしまいますが、実際には MS4 相当になっています。"
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
イベント & ミーティング
終了分:
- 2011年8月10日: プロジェクト・ミーティング
- 2011年8月15日: openSUSE カンファレンス 2011 運営ミーティング
- 2011年8月16日: openSUSE Marketing チーム・ミーティング
- 2011年8月17-19日: LinuxCon (カナダ、バンクーバー)
近日開催:
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
コミュニケーションチャンネル
貢献者
ソーシャルネットワーク
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
openSUSE-SU-2011:0884-1: 重要: apache2-mod_fcgid: ポインター演算の誤りによりスタックオーバーフローが発生する可能性があった問題を修正 (CVE-2010-3872)
"openSUSE セキュリティアップデート: apache2-mod_fcgid: ポインター演算の誤りによりスタックオーバーフローが発生する可能性があった問題を修正 (CVE-2010-3872)
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0884-1
深刻度: 重要
レファレンス: #656092
クロスレファレンス: CVE-2010-3872
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.3
(...)"
openSUSE-SU-2011:0897-1: 緊急: flash-player
"openSUSE セキュリティアップデート: flash-player
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0897-1
深刻度: 緊急
レファレンス: #711427
クロスレファレンス: CVE-2011-2130 CVE-2011-2134 CVE-2011-2135 CVE-2011-2136 CVE-2011-2137 CVE-2011-2138 CVE-2011-2139 CVE-2011-2140 CVE-2011-2414 CVE-2011-2415 CVE-2011-2416 CVE-2011-2417 CVE-2011-2425
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
openSUSE-SU-2011:0902-1: 重要: ecryptfs-utils: symlink race attack 脆弱性のいくつかを修正すべく更新
"openSUSE セキュリティアップデート: ecryptfs-utils: symlink race attack 脆弱性のいくつかを修正すべく更新
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0902-1
深刻度: 重要
レファレンス: #709771
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: Linux 3.1 最初のリリース候補版
"ほぼニヶ月以内にはリリースされるだろうと予想される次のカーネルバージョンでは、最適化された仮想化、ソフトウェア RAID コードへの不良ブロック管理コンポーネントの追加、NVIDIA の Fermi グラフィックスチップ向けの拡張された Nouveau ドライバなどが提供されるでしょう。何人かの開発者はこの開発サイクルで Git の使い方が不味いと批判されてきました。
Linus Torvalds は Linux 3.0 のリリースから 17 日後、 Linux 3.1 の最初のリリース候補版を出し、最終リリースは 9 月の終りか 10 月の初めになると予測されているこのバージョンのマージウィンドウを閉じました。つまり Linux 開発サイクルの最初のフェーズは通常より三日長かったということになります。これは Torvalds がダイビングのための休暇をとってハワイに行ったためです。旅の報告は Google Plus で読むことができます。
カーネル開発は現在安定化フェーズに入り、Torvalds と仲間の開発者はバグ修正を主に行っています。このフェーズでは通常は大規模な変更は取り込まれないので、Linux 3.1 の重要な進化についてはすでに概要は明らかです。例えば、ソフトウェア RAID のコードは、ある RAID レベルにおいて、欠陥ブロックを含むメディアを扱えるようになります。 (...)" (注:2)
Rares Aioanei: カーネル週刊ニュース ―・2011年8月13日号
- 毎度おなじみカーネル週刊ニュースでございます。今週もまたカーネルコミュニティは活発なようですね!
"こんにちは世界! 今週版のカーネル週刊ニュースにようこそ!
- - まずは Matthew Garrett から、プラットフォームドライバーの更新、そして Greg Kroah-Hartman は 2.6.32.44 長期版のレビュープロセスを開始し、2.6.33.17 長期版についても同じく、 Konrad Rzeszutek Wilk は xen の安定化/バグ修正を 3.1-rc0 (または -rc1) 向けに、Rafael J. Wysocki は pm の修正を 3.1 向けに二つ、David Miller は networking の修正 (crypto と net) を行ったよ。 (...)" (注:1)
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
Danny Kukawka: ext3/ext4 ファイルシステムでファイルの削除を取り消すには
- デスクトップでファイルの削除を行うとゴミ箱に入りますが、消してはいけないファイルほど「完全に削除」してから気づく、なんてことはないでしょうか? あるいはコマンドラインから削除した場合にはゴミ箱も無力です。しかし諦めるのは早い! ext3 を使っているなら ext3grep が、ext4 を使っているなら extundelete が強い味方になります。この記事では extundelete の使い方を紹介しています。openSUSE ユーザーはこちらのリポジトリから入手可能ですよ。
Techlaze: KDE デスクトップ向け Plasma ウィジェット五傑
- KDE 4 の魅力の一つは Plasma ウィジェット (Plasmoid) じゃないでしょうか。みなさんのデスクトップを彩るウィジェットを五つご紹介。サウンドミキサー Veromix、ファイルをドロップするだけで適当なフォルダーに移してくれる Magic Folder、クラウドサービスを使いやすくする Gmail Plasmoid、Microblogging Plasmoid に Remember The Milk Plasmoid。そして Plasmoid のインストールガイドもついています。
Hubfolio/Matthew Casperson: Nautilus でファイルの内容をクリップボードにコピー
- GNOME の標準ファイルマネージャ Nautilus。右クリックのメニューから色々な機能を呼び出すことができますが、これに任意のスクリプトを割り当てることができるのをご存知でした? ということで、そこに perl スクリプトを書いて「ファイルの内容をクリップボードに」というメニューを追加する方法をご紹介。他にもいろいろアイディアが膨らみますね!
MakeUseOf/Yaara Lancet: 新登場したスタンドアロン版 Zotero で研究をまとめよう
Linux Journal/Bruce Byfield: Scribus での印刷
コマンド/スクリプト初心者向け
HowtoForge/Christian Schmalfeld: デスクトップからではなくターミナルから Linux を操作する最初の一歩
開発者/プログラマ向け
Python4Kids/Brendan Scott: GUI でイメージを使う
- おなじみ Python4Kids。前々回から Tkinter を使った GUI アプリの開発がスタートしましたが、GUI アプリとなるとアイコンを貼ったりビットマップ操作をしたくなることもあるものです。そんなわけで今回は gif イメージを扱う方法をレクチャー。この記事は一回一回のボリュームが小さいので、段階を踏んで学ぶのにはよいですよね。
Nettuts+/Andrew Burgess: 初心者向け Ruby 講座: Rspec によるテスト
- 今度は Ruby の入門記事。このシリーズでは Ruby のインストールからさまざまな機能の紹介をスクリーンキャストで紹介していますが、この記事では Rspec によるテストについてご紹介。TDD というテストに着目した開発手法が提唱されており、各言語にはさまざまなテスティングフレームワークが提供されていますが、RSpec はその中でも「英語っぽく自然に読める DSL (ドメイン固有言語)」でクラスの仕様を記述できるというユニークな特徴を持っています。本記事では豊富な実例を交えて RSpec の使い方を解説しています。
システム管理者向け
Wazi/Juliet Kemp: Nagios をプラグインで「過給」する
- オープンソースの監視ツール Nagios (http://nagios.x-trans.jp/nagios/ 日本語情報のページ]) についての解説記事。Nagios はそのままでも非常に強力なツールですが、さまざまなプラグインを導入することでさらなる威力を発揮するとのこと。すでに Nagios をお使いの皆さんも、紹介されているプラグインを試してみる価値はあるかも? ぜひご一読を。
Houcem Hachicha: Nmap : ネットワークを我がものとするための道具が揃う侵入テスター御用達の何でも屋さん
- nmap 使ってますか? 元々はネットワークポートスキャナですが、どのポートが開いているかを参考に対象とするマシンがどんなサービスを提供しているか、OS はなんであるかを推測することができます。逆にいうと提供したいサービスには不要なポートが開いているかどうかを確認してそれを塞ぐことで、よりセキュリティを向上させることができるのです。少なくともこの記事で紹介されている内容は知っておいて損はないですよ!
Flossstuff/Ankur Aggarwal: ファイルをストレージデバイスとして使う
- 「ファイルをストレージデバイスとみなして、その中にファイルシステムを作ることができる」というとびっくりしますか? いわゆる「ループバックデバイス」と呼ばれる機構ですが、ちょっとした実験に便利なので、試してみるとよいですよ。コメント欄にもよい指摘がたくさんあるので、目を通しておくとよいでしょう。
IBM developerWorks/Sean A. Walberg: Linux を学ぶ、302 (Mixed environments / 混在環境): 印刷サービス
- フリーで読める LPIC の教材である IBM developerWorks のシリーズ。取り上げるのは久しぶりな気がしますが、今回は 302 (Mixed environments / 混在環境) から Linux と Windows が共存する環境で印刷サービスをどう構築するかのお話です。Samba と CUPS 両者の設定について解説されています。
Planet SUSE
Sebastian Kugler: Desktop Summit での感想
- 8月の頭にドイツ、ベルリンで開催された Desktop Summit には openSUSE 関係者も多数参加してきました。Plasma Active 開発者の Sebastian ももちろんそのうちの一人です。
"この数日、ベルリンでの Desktop Summit に参加しているんですが、カンファレンスが終わりこれからワークショップと BoF セッションが始まるところで、イベントはまさに折り返し地点。ということで、これまでの数日間の感想を書き連ねてみたいと思います。 (...)" (注:1)
Matthias Hopf: SUSE でのグラフィックのベンチマークテスト
- コンピュータ自作派の方であれば、パーツ選択の際、ベンチマークテストの結果というのは気になるところでしょう。しかし、世に出回っているベンチマークツールの多くは Windows 上で実行するもので、Linux 上で使った場合とは結果が異なってくる可能性もあるわけです。ということで、SUSE でグラフィックカードのベンチマークを取ってみたいとお考えでしたらこちらの GraphicalBenchmark をお試しあれ。とりあえず SLE 11 SP1 での使用を想定してあるツールとのことですので、openSUSE で使えたかどうかなどフィードバックも歓迎します。
"Intel の SandyBridge グラフィックを有効化するとグラフィックパフォーマンスが極端に低下してしまうということはないか、SUSE でも調べておく必要がありました - で、気がついたのですが、グラフィックパフォーマンスを左右するのは実際のところ何なのか、一般的にはちゃんと理解されていないんですよね。ある者 (xterm のユーザ :-) はコアな X コマンドにのみ興味があり、ある者 (オフィスユーザー :-) はレンダリングのパフォーマンスにのみ興味があり、ある者 (Compiz ユーザ :-) は低コアな 3D グラフィックにのみ興味があり、ある者 (ゲーマー :-) はハードコアな 3D グラフィックにのみ興味を持っている…といった具合です。 (...)" (注:1)
Holger Hetterich: SMB Traffic Analyzer @ openSUSE カンファレンス
- OWN ではすっかりおなじみの SMB Traffic Analyzer ですが、opneSUSE カンファレンスでもひとコマ持つことが決まったそうです。なお、最後の Samba の話については今週号「Web 上の記事から/お知らせ」コーナーで紹介してある Samba 3.6 リリースのお話にも関連していますので、合わせて読んでみてください。
"この記事をブログとしてちゃんと読んでおいた方がいいかどうか迷っている方向けに、どんなことが書いてあるかご紹介しておきましょう: a) SMB Traffic Analyzer プロジェクト (SMBTA)、b) openSUSE カンファレンス、c) Samba についてのお話です。 (...)" (注:1)
Sebastian Kugler: Board のお仕事
- Plasma Active でおなじみの Sebastian Kugler は、KDE コミュニティの Board メンバーの一員でもあります。いわゆる「お偉方」なんですが、あくまで FLOSS ですから四角四面の集まりじゃなく、やっぱり楽しむことが基本。KDE の中心メンバーたちがどんな感じでやりとりしているのか、ちょっと覗いてみてみましょう。
"今晩、後援団体が太っ腹にも (!) スポンサードしてくれたので、KDE e.V のディレクターの新 Board の面々で夕食に行ってきました。
とても楽しくリラックスした夕食会となり、私たちの仕事内容、ドキュメントをどこに保存しておくかといったような退屈な情報、隔週の電話会議ではどんなことを話し合うのか、生産的であるためにはメールはどの程度詳細である必要があるのかなどといったお話を (今回新たに Board の一員となった) Lydia に伝える絶好の機会となりました。(ドイツ語の組織規定、いわゆる「Vereinsrecht」に則り) 私たちがいつもしなければいけない公式なことの一つに、役割の割り当てがあります。Cornelius が代表を、Frank が会計をかって出て、両名共に新旧の任務が承認されました。そして、常任 Board メンバーの中から副代表 (まぁ、ほとんど名ばかりですけれど) を選任。これらの投票は公式な手続きではいつものことながら、お皿の上の食べ物を二口三口食べている間に終了、ほんの3分で終わってしまいました。真剣かつ効果的にしてとても入念な投票となりました。:P (...)" (注:1)
openSUSE フォーラム
リポジトリからダウンロードする時に起こる問題
「なんでもかんでもオペレーティングシステムのせいにするなかれ」という標語を噛み締めるのに絶好のお話です。リポジトリからパッケージをダウンロードする際に問題が発生してアップグレードもインストールもできなくなってしまったとのスレ主からの報告。結果的にはハッピーエンドとなるのですが、思わぬところに解決法があったのです。
zypper でのアップデートの際出た「wrong digest」って?
こいつはちょっと気になるお話です。この人はインストール仕立ての openSUSE 11.4 で「zypper up」を実行したら「wrong digest」というエラーに遭遇してしまったとのこと。興味深いスレッドですね。まだちゃんとした説明や解決法には辿りつけていないんですが、みんながどのように問題を分析していこうとするか、出口を探ろうとするか見ることができる好例です。
64bit Linux 用の Adobe Flash Player 11
しばらく鳴りをひそめていたのでもう Adobe は Linux での 64bit サポートは打ち切るつもりなんじゃないかとさえ思われていましたが、64bit バージョンの Flash Player 11 のベータ版リリースについてのスレッドが立ちました。この件について興味をお持ちの方は読んで、ご自身の体験も報告してみてください。
openSUSE 特定言語向けのサブフォーラム
現在 openSUSE フォーラム傘下にある特定言語向けのサブフォーラムは以下の通りです:
メインフォーラム (英語)
中文 (中国語)
Nederlands (オランダ語)
Francais (フランス語)
Deutsch (ドイツ語)
Ελληνικマ・(ギリシャ語)
Magyar (ハンガリー語)
日本語
Portuguese (ポルトガル語)
Pусский (ロシア語)
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
お知らせ
Samba チーム、バージョン 3.6 をリリース
- 待望の Samba 3.6 がリリースされました。日本語のリリース通知はSamba-jp MLで読むことができます。このリリースを以て Samba 3 系は開発フェーズから外れ、Samba 4 系に主力が移っていくと思われます。このバージョンでは SMB2 の導入が大きいですね。Windows 7 をクライアントに多く持つネットワークを管理している方は導入を検討してもよいかも?
"Samba チームはここに、Microsoft WindowsR クライアント向けのファイル・印刷・認証サーバスィートとして数々の賞を受けたフリーソフトウェアのメジャーリリースである Samba 3.6 のリリースを発表致します。
SMB2 サーバとして初のフリーソフトウェア
Samba 3.6 には Microsft の新しい SMB2 ファイル共有プロトコルをフリーソフトウェアとして初めて実装したものが含まれています。Samba の SMB2 は新たに書き起こされた非同期サーバアーキテクチャにより実装されており、これによって、Microsoft ネットワーキング技術に SMB2 がもたらしたパフォーマンス向上を Samba でも享受できるようになるのです。
Samba で新しく導入された SMB2 サーバは主要なベンダーによってテストされており、Microsoft Windows 7R クライアントと接続された場合、幾つかのネットワークアプリケーションにおいて二倍のパフォーマンスを示しています。 (...)" (注:1)
レポート
ITworld/Brian Proffitt: KDE 5.0 のロードマップが公開
- 2008年初頭の KDE 4 のリリースから3年以上が経過し、初期の頃は不具合に悩まされたものの、今では安定した動作と Plasma デスクトップの恩恵を多くの人が受けていると思います。その KDE ですが、ベルリンで行われた Desktop Summit において 5.0 についてのロードマップが公開されました。次はどんな機能を盛り込んでくるのでしょう?
"KDE は次の大きな一歩を踏み出そうとしています。本日、KDE フレームワーク 5.0 のロードマップのアナウンスが行われたのです。
Linux デスクトップ界のほとんどの目玉が今週、ベルリンの Desktop Summit に集いました。つまり、GNOME と KDE それぞれの陣営のメンバーが8月6日から12日、ベルリンのフンボルト大学で行われた合同テクニカルカンファレンスのために集まったのです。現時点で、KDE はこのジョイントイベントで最も活動的に見え、突如 KDE 5.0 のロードマップをアナウンスしたのです。これについては KDE 開発者の Aaron Seigo が日曜日のブログに改めて記しています。 (...)" (注:1)
ZDNet/Steven J. Vaughan-Nichols: Cisco と Twitter、Linux 特許保護プールに参加
- Linux を不当な特許攻撃から守る特許保護プール、OIN (Open Inovation Network) に、Cisco と Twitter が加入したという発表です。ソフトウェア特許については賛否ありますが、実際に商品を開発せず、特許を大量に保有してそれを武器に攻撃してくる「パテントトロール」という存在がいる以上、FLOSS 陣営としても対抗して特許を取得し、それを自由に使えるようにするということは重要ですね。
"あなたがもしこの10年間隠遁生活を送っていたということでなければ、今日の技術戦争が価格、機能、品質面で争われてきたのではないということはお分かりでしょう。2011年の今、技術革新に力を注ぐ代わりに、Apple や Microsoft、Oracle といった技術系企業は知的財産権 (Intellectual Property; IP) の訴訟に明け暮れてきたのです。そんなわけで、ネットワークの巨人 Cisco とソーシャルネットワークの雄 Twitter が Linux の特許保護グループ、Open Invention Network (OIN) に加わったのも不思議なことではありません。 (...)" (注:1)
レポート
The Telegraph: 10 歳の少女ハッカー、スマートフォンの脆弱性を発見
- 次世代のセキュリティ対策エキスパートのための大会 Defcon。そこで一人の新星が誕生しました。ハッカー名「CyFi」という 10 歳の少女が、スマートフォンで動く、とあるゲームから任意に時計を進めることができることができる問題を発見し、これは専門家によって確かに脆弱性だと認定されたそうです。将来が頼もしいですね!
レビュー/エッセイ
Charles E. Craig, Jr.: GNOME、KDE、Xfce、LXDE それぞれの違いは?
"Linux においては、あらゆるところに数多くの選択肢があり、デスクトップ環境とウィンドウマネージャについても例外ではありません。Linux でもっとも有名な四つのデスクトップ環境はGNOME、KDE、Xfce、LXDE です。これら四つはすべてWindows や Mac OS X のようなデスクトップ環境と同じような 「指してクリック (point-and-click)」な グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を提供しています。試しに周りの人にこの四つのどれがよいか聞いてみたら、さまざまな答えをもらうことになるでしょう。では GNOME、KDE、xfce、LXDE のどれが一番なのか? ええと……大体は見解の相違ということになりますが、お使いのコンピュータハードウェアの能力にも大きく左右されます。例えば、古いコンピュータを使っているなら Xfce か、特に LXDE がよいということになりますし、新しいハードウェアを使っていて GNOME や KDE を選ぶと色々なデスクトップ効果を使うことができます。私のオススメはこれら四つのデスクトップ環境を全部試してみて、気に入ったものをお使いいただくということになります。GNOME、KDE、Xfce、LXDE はどれも素晴らしい出來で、それぞれさまざまな方向にカスタマイズすることもできます。個人的お気に入りは GNOME 2.x で、ゆっくりと GNOME 3 に置き換えられようとはしていますが、それでも (とても幸福なことに) GNOME 2.x は Linux Mint、Debian またその他のディストリビューションで依然健在です。最新のデスクトップ環境で言えば、私のお気に入りは最近リリースされた Xfce 4.8 です。 (...)" (注:3)
Wazi/Brian Proffitt: LibreOffice 対 OpenOffice.org: 最高のオフィススィートを求め対決
- FLOSS オフィススィートの世界を長らく牽引してきた OpenOffice.org と、そこから別れた LibreOffice。順調にリリースを続ける LibreOffice に対し、Oracle の手を離れて IBM の後押しでApache の Incubator Project となり、コードベースはあるけれどもリリースの目処はしばらく立っていない OOo と、今はやや明暗を分けた形になっていますが、このまま LibreOffice のワンサイドゲームとなるのか? それとも OOo の巻き返しはあるのか? それとも……? FLOSS オフィススィートの未来に注目です。
Network World/Stephen Spector: それって本当にオープンソース?
- 「オープンソース」という言葉からは「ソースが公開されている」ということが第一に浮かびます。次に「OSI で認定されたライセンスで公開されている」というふうに思う方もいるでしょう。でも、それだけで「オープンソース」といえるのでしょうか? もしあなたがご自分のプライベートなソフトウェア、あるいは会社で開発したソフトウェアを「オープンソース」にしたいと思ったとしたら、考える必要があることはなんでしょう? 非常に示唆的な記事です。
Wazi/Carla Schroder: オープンソースプロジェクトを成功に導く四つのステップ
- この記事もまたコミュニティねた。ちょっと話題がズレますが Ubuntu のコミュニティ・マネージャ Jono Bacon の「The Art of Community」の翻訳が出ましたね。この記事でも Jono の本は取り上げられています。ちょっと長い記事ですが、もしあなたがオープンソースコミュニティ (それが開発コミュニティであっても、ユーザーコミュニティであっても) に関わっていてそれを活発にしたいのであれば、ぜひ読んでいただきたいです。
フィードバック / 交流 / 仲間に加わろう
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また、openSUSE Weekly News の編集/翻訳に興味をお持ちでしたら、 Weekly News チームのページをご参照のうえ、ご連絡ください。
Facebook には openSUSE Weekly News のコミュニティページ (英語)もあります。
交流したり、広く openSUSE コミュニティからの助けを求めるためには、IRC、フォーラム、あるいはメーリングリストが使えます。詳しくは交流ページをご覧ください。
openSUSE Weekly News 英語版 は RSS フィードで購読することも可能です。
クレジット
- Sascha Manns (英語版編集長)
- Gertjan Lettink (『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstatter (『イベント & ミーティング』情報担当)
- Thomas Schraitle (英語版 DocBook 指導)
- Satoru Matsumoto (英語版編集室/日本語版チーム)
- Naruhiko Ogasawara (日本語版チーム)
- Ko Kazaana (日本語版チーム)
- Yuta Hanayama (日本語版チーム)
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