openSUSE Weekly News/185
openSUSE Weekly News 日本語版 第185号 今週の見出し
- クラウド上の新たなマイルストーン: openSUSE、マイルストーン 3 をリリース
- Andreas Jaeger: 2011年7月18日付け Factory 進捗状況
- Cornelius Schumacher: SUSE Studio、「ビッグ・アイロン」に対応
- Henne Vogelsang: 今 Boosters が取り組んでいる課題は?
- Javier Llorente: アップストリームによりメンテナンスされている KDE アプリ用のリポジトリに新規命名
- Larry Finger: Testing コアチーム、2011年8月21日にオープンバグデー開催を計画中
- Linus Torvalds: Linux 3.0 リリース
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
お知らせ
クラウド上の新たなマイルストーン: openSUSE、マイルストーン 3 をリリース
"2011年11月11日 (そうです、11-11-11 です!) の openSUSE 12.1 最終リリースに向けて6回リリースを予定しているテスト版のうちの第3弾が数日前に公開されています。
今回のマイルストーンでの主な変更点
この第3弾マイルストーンでは、最新の openSUSE リリースに変更、改善が山のように上積みされています。そして、多くのパッケージがアップデート/アップグレードされています。最新のパッケージバージョン情報についてはこちらのページをご参照ください。以下、主な変更点です。
- Firefox 5
- MozillaThunderbird 5.0
- aaa_base 12.1
- Kernel 3.0 rc7
- Python3 3.2
- Sysstat 10.0.1
- LibreOffice 3.3.3.1
- Tomboy 1.7.1
- Tracker 0.11.0
- KDE 及び GNOME アプリケーションとデスクトップ関連でちょっとしたアップデートが多数 (...)"
openSUSE カンファレンス登壇者最終募集!
"2011年9月11-14日の日程でドイツ・ニュルンベルクで開催される次回の openSUSE カンファレンスが近づくにつれ、カンファレンスプログラム委員会には素晴らしい提案が多数届いています。しかし、まだ「こんなことしてみたい」という提案応募の締切までは若干猶予があります。セッション申し込みの締切は7月25日の深夜となっています。 (...)"
- 編注: OWN 日本語版リリース時点では締切を過ぎていますが、「いや、待て。自分にも一席持たせろ!」という方がいらっしゃいましたら何はともあれコンタクトしてみてください。
カンファレンス旅費補助プログラム
"openSUSE カンファレンスチームは、コミュニティ仲間のカンファレンス参加を金銭的にサポートすべく、旅費補助プログラムを立ち上げました。
Google Summer of Code 2011
- さて、GSoC も折り返し地点を過ぎ、いよいよ佳境に入って着ました。それぞれのプロジェクトでだんだん形になっていくのに合わせてテスト協力のお願いも増えていくことになりますので、どうぞご協力のほどを。
Alex Eftimie: Software Center 用 PackageKit バックエンド: 第7週短信
Marcus Hüwe: osc のコード整理 – 第8週のまとめ
Christos Bountalis: 設定 / sysconfig ファイルをマージするためのユーティリティ - 第9週レポート
David Williams: Entomologist の UI の変更 – 週次レポート #9
更新状況
ディストリビューション
Andreas Jaeger: 2011年7月18日付け Factory 進捗状況
"openSUSE Factory のユーザ、開発者の皆さんに興味を持っていただけそうな変更点をピックアップしてみました:
パッケージの変更
GNOME 3.1.3
GNOME チームは openSUSE 12.1 には GNOME 3.2 を入れたいと計画していて、このために現行の開発リリース 3.1.3 にアップデートしています。また、もう必要のなくなった GNOME 2 関連のパッケージ削除作業も始めています。
systemd
Frederic が sustemd 統合に向けてのアップデートを上げてくれました。これにより、ついにグラフィカルなブートローダで起動中に systemd、SysVinit、さらにはシェルコードへの切り替えができるようになりました。
また、Lennart Poettering は「開発者のための systemd」シリーズの中でソケット有効化 (socket activation) について、CUPS を例にして解説してくれています。 (...)"
Bugzilla
Bugzilla 関連参照リンク:
SUSE Studio
Cornelius Schumacher: SUSE Studio、「ビッグ・アイロン」に対応
- オンラインサービスとして提供されてきた SUSE Studio が、ついに自前サイトで運用するための「製品」として発売されることとなりました。OSS として公開されている OBS (Open Build Service) とは異なりこちらはあくまで商用利用を前提とした有償製品となりますが、リソースの割り当てなど自由に設定できる自前の環境を持ちたいという企業にとっては魅力的な製品となっていきそうです。
"ここ数ヶ月の努力が結実し、自前のサイトにインストールして使える SUSE Studio の次期バージョンをご紹介できるところにまでこぎつけられました。ソフトウェアと仮想アプライアンスの作成、共有、メンテナンス、設定を一通りこなすことのできる Standard Edition と、いわゆる「ビッグ・アイロン」こと System z 用のワークロードも追加でサポートする Advanced Edition の二つのバージョンとなります。 (...)" (注:1)
チームレポート
Boosters チーム
Henne Vogelsang: 今 Boosters が取り組んでいる課題は?
- Boosters チームがどんなことに取り組んでいるかを不定期にご紹介している Henne の本シリーズ、今回のお題は「Member」の承認作業のお手伝いをしている「メンバーシップ・オフィシャル・チーム」と、そのインフラまわりのお話です。どのようなプロセスで貢献者が Member となっていくのか解説されていますので、これをお読みの方も是非 Member として名を連ねていってください。
"まずは Member ありき
今回 Boosters 絡みのネタとしてお話ししたいのは、メンバーシップ・オフィシャル・チームについてのことです。このチームがどういう人たちから構成されていて、どんなことをしているか説明する上で、まずは openSUSE プロジェクトについて見ていく必要があります。我々のプロジェクトは産声を上げてからまだ日も浅く若いプロジェクトですから、できるだけ階級やらポリシー、ルールは少なくして動いていきたいと努めています。そうしておくことで、openSUSE も FOSS の流儀に沿って、少々混乱はあったとしても物事をクリエイティブかつ迅速に進めていくことができると考えているからです。関わる人は皆平等で、参加者は皆 Guiding Principles (基本方針) を尊重しています。公式組織として唯一存在しているのは 「Primus inter pares (訳注: 『仲間の中でも信頼のおける人』というような意味のラテン語)」の集まりであり、基本方針に沿って選出される Board だけです。 (...)" (注:1)
Build Service チーム
Pavol Rusnak: Ruby でバージョン順の並び替え
- 「ここがこうだったらいいのに…」と思うことがあったらどんどん自分で改良していけるのが FLOSS の強み。OBS もオープンソースですから、こんなことも可能になってくるわけです。
"Open Build Service でサポートしているディストリビューションの一覧を「自分でソートできるようにする」機能を実装する必要が出てきてしまいました。アルファベット順に、でも同時に新しいものが上にくるようにソートしたかったのです。それを実現するために、以下のようなコードを書いてみました: (...)" (注:3)
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
KDE チーム
Javier Llorente: アップストリームによりメンテナンスされている KDE アプリ用のリポジトリに新規命名
"#opensuse-kde チャンネルで重ねてきた議論を受け、darix が KDE:Apps という新しいリポジトリを立ててくれました。これは、アップストリームによりメンテナンスされている KDE アプリ用のリポジトリで、Build Service でサポートされているディストリビューション (openSUSE、SUSE Linux Enterprise、Fedora、RHEL、Debian、Ubuntu 等) 向けに、より新鮮なパッケージを提供していくためのものとなります。
そしてこのリポジトリに入る第1弾は、KMyMoney プロジェクトとなりました!
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 358)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 188)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
1-クリック・アンインストール (得票数: 157)
"簡単にソフトウェアを削除できる手段を!
例えば、あるアプリケーションを 1-クリックインストールで入れたとします (これにより、必要なパッケージが全てインストールされることになります)。そのような場合、その 1-クリック操作で入れたものを簡単に (ここでも 1-クリックで) 削除する手段があるべきです...言い換えると、インストールしたソフトウェアの (依存関係にあるパッケージもまとめての) 「1-クリック・アンインストール」です。"
GRUB v2 へアップデート (得票数: 139)
"GRUB 0.97 に対するバグ修正や追加機能を開発しても、もう GRUB 2 を使うからという理由でアップストリームプロジェクトには受け入れてもらえなくなってしまっています。ディストリビューションを開発するコミュニティの間ではブートローダーの切り替えには抵抗があるようですが、もはやこの膠着状態が解消する見込みはなさそうです。コード自体は綺麗だとも言えませんし、しっかりメンテナンスされているとも言えません。何か新しい機能を追加しようと思ったら、あらゆる実行時の制限をなんとか迂回したとしても、ちゃんと機能するかどうか分からない何段階もの手順を踏まなければいけなくなります。例えば、ファイルシステムの実装はメモリ管理に使える静的なバッファを持ちます。このサイズはたったの 32k です。複雑なファイルシステム、あるいはシンプルなジャーナリングファイルシステムであっても、扱う場合には問題が起こってしまいます (Reiserfs でバグをロードするのが全然終わらないといったようなケース)。というのも、ジャーナルのためにブロックマッピングを行うのに十分なメモリーが割り当てられておらず、メタデータを読み込むごとにいちいちスキャンしなければいけなくなってしまうからです。(本当に、もう。) (...)"
Popularity contest (人気投票) (得票数: 104)
"ユーザに好まれ、良く使われているパッケージについてのフィードバックが必要です。Debian には既に Popularity contest (popcon) という名前のツールが用意されています。
- popcon を再利用することで、Debian 及び Ubuntu と直接的に比較した結果を見ることができる
- パッケージャーチームはパッケージをどうしていくべきか伺い知ることができる
- YaST で使える見通しの良い設定用ダイアログが必要です
- opensuse.org 上にサーバインフラストラクチャーが必要です (いくつか個人情報絡みの問題があります。詳しくは Debian の FAQ をご覧ください)"
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、 先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
カーネルアップデートに際して現在稼働中のカーネルをデフォルトで残しておくようにする
"カーネルを更新したら起動しなくなっちゃったという問題が起こってその度にサポートしなければいけなくなるという手間を少なくするためにも、カーネル更新時に稼働中のカーネルを温存し、複数のカーネルを入れておけるようにしませんか、というのが私からの提案です。12.1 では、zypp.conf に一行追加するだけでできてしまうことなんです。 (...)"
X11 ログインの際 ssh-agent に自動で鍵を追加する
"システムにログインする際、ssh-agent に複数の鍵を自動でロードする簡単な方法があったらいいな、と思っています。おそらく最も簡単なのは、~/.ssh/ssh-add/ 以下に追加したい鍵を全て入れておくという感じになるんじゃないでしょうか。 (...)"
openSUSE Linux 12.1/LXDE: Xarchiver で XZ を扱えるようにする
"openSUSE Linux 12.1/LXDE: Xarchiver に XZ Utils サポートを追加しましょう。"
YaST=>システム=>ブートローダ の機能強化
"カーネルで起こる問題を見つけるために必要上二分してしまうと、GRUB の一覧のカーネルの数がやたらと増えてしまいます。
今のコードでも /boot/grub/menu.lst はいじれるんですが、既に削除済みのエントリーに対応したカーネルやモジュールは迷子状態となってしまいます。これを整理するために /boot や /lib/modules を手でいじるのは面倒です。オプションでカーネルファイルやモジュールも削除できるようになれば面倒な思いをしなくても済むようになります。"
openFATE 登録フィーチャー統計情報
Testing チーム
Larry Finger: 週刊ニュース 7月23日号
"Testing コア・チームは7月18日の 17:00 UTC より Freenode IRC ネットワークの #opensuse-testing チャンネル ( irc://irc.freenode.net/opensuse-testing ) にて IRC ミーティングを開催しました。
最初の議題は 12.1 MS3 を使ってみての感触だったのですが、リリースがずれてその時点ではまだ公開されていなかったためあまり話せることはありませんでした。
二番目の議題は、テスト終盤の重要な局面でテスターの数を増やすために MS6 を Beta と名称変更できないかとリクエストした件について。先週ご報告したように、リリースマネージャーの Stephan Kulow はその効果のほどには首を傾げつつも名称変更には同意してくれました。彼は合わせて、この変更でどれくらい効果があると見積もれるか教えてくれと言ってきました。 (...)"
Larry Finger: Testing コアチーム、2011年8月21日にオープンバグデー開催を計画中
"Testing コア・チームは、12.1 MS4 リリース予定日の10日後、2011年8月21日の 0:00 - 23:59 UTC にオープンバグデーを開催しようと計画しています。11.4 で報告されていたバグが 12.1 でもまだ直っていなかったりしないか、ということに重点を置いて見ていく予定です。見つけたら、可能なら直していきたいですし、少なくともまだ問題が残っているということで更新していこうと考えています。12.1 をより良いものにしていきたいと思われる方のご参加を心待ちにしております。その日が近くなりましたら、改めて詳細はお知らせいたします。いつものように、バグ仕分けのための特製オンラインツールを準備する予定です。バグテストに参加したいと思われる方は Freenode の IRC ネットワークの Testing コア・チームの IRC チャンネル ( irc://irc.freenode.net/opensuse-testing ) に入ってみてください。"
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
openSUSE な人々 (People of openSUSE)
Mihnea Dobrescu-Balaur
"自己紹介をどうぞ!
こんにちは! 僕の名前は Mihnea で、ルーマニアのブカレストに住んでいる19歳の学生です。
コンピュータ使用歴を教えてください。
初めてコンピュータを手にしたのは5歳のときで (もちろん、今使っているのとは別物ですよ)、当時からテクノロジーには興味を持っていたようです。高校はコンピュータサイエンス/プログラミング科のあるところへ入り、ブカレスト複合工科大学 (Polytechnic University of Bucharest) の自動制御及びコンピュータ学部の一年課程を終えたところです。また、Linux やサーバといった特別カリキュラムコースもいくつか履修しています。今、夏休み中は Java / OOP コースも受講しています。
openSUSE/SUSE Linux を使い始めたのはいつで、その理由は?
数年前にいろいろディストリビューションを試してみました。それ以来 openSUSE しか使っていないというわけじゃないんですが、他のディストリビューションに比べてより洗練していると思うので、お気に入りのディストリビューションの一つです。 (...)"
イベント & ミーティング
終了分:
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
日本の openSUSE
Fuminobu TAKEYAMA: 2011年8月 openSUSE 勉強会のお知らせ 【8月6日】
"8月6日(土) に openSUSE 勉強会を開催します。
今回はいつもより広い会場ですので、最近 openSUSE から離れている方も、初めての方も、聞くだけの方も…是非ご参加下さい。 (...)"
コミュニケーションチャンネル
貢献者
ソーシャルネットワーク
新規/更新アプリケーション @ openSUSE
Bruno Friedmann: 新パッケージ squidview 公開
"squidview
squidview とは、私が自分用、お客様用に squid プロキシサーバを立てたときには必ずビルドしてインストールしているソフトウェアの一つです。小さいながらも安定していて、便利なツールです。ということで、OBS やパッケージングについて知識を深めるためにこれをいじってみるというのはとても理にかなったことだろうと考えました。
この作業中にいろいろ助けてくれたり教えてくれた T1loc、yaloki、mrdocs、coolo、alin をはじめとするパッケージャーの皆さんにお礼を申し上げます。 (...)"
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
openSUSE-SU-2011:0762-1: 緊急: mariadb: 前回のアップデート後、innodb サポートが失われてしまっていた件の修正
"openSUSE セキュリティアップデート: mariadb: 前回のアップデート後、innodb サポートが失われてしまっていた件の修正
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0762-1
深刻度: 緊急
レファレンス: #704811
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
openSUSE-SU-2011:0788-1: 重要: bind: リモート DoS の修正 (CVE-2011-2464)
"openSUSE セキュリティアップデート: bind: リモート DoS の修正 (CVE-2011-2464)
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0788-1
深刻度: 重要
レファレンス: #703907
クロスレファレンス: CVE-2011-2464
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
openSUSE-SU-2011:0803-1: 重要: kvm
"openSUSE セキュリティアップデート: kvm
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0803-1
深刻度: 重要
レファレンス: #701161 #702823
クロスレファレンス: CVE-2011-2212 CVE-2011-2512
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
h-online/Chris von Eitzen: Linux カーネルを大きく一歩前進させるリアルタイムパッチ
"Thomas Gleixner は Linux カーネル 3.0 の最新のリリース候補版を元にしたリアルタイム (RT) Linux カーネルの最初のテスト版をリリースしました。というのも 3.0 は少しばかり遅れたからで、正式版が出たらすぐ RT 版もリリースされるでしょう。バージョン 3.0-rc7-rt0 によって、Gleixner と何人かの開発者たちが主にメンテナンスしている RT カーネルに、モダンなバージョンを元にした今までにない大きな進歩がもたらされることになります - 今のリアルタイム性を持った安定版カーネルは依然 Linux 2.6.33 系を元としています。これは Greg Kroah-Hartman が RT 開発者のために特に メンテナンスを続けているものです。 (...)" (注:2)
h-online/Thorsten Leemhuis: Linux 3.0 の変更点
"Linux カーネルの「第三世代」への移行には数多くの Btrfs ファイルシステムの変更が見受けられます。このカーネルには今や Xen のホストまたはゲストとなるために必要な主要なコンポーネントすべてが含まれるようになり、また新規の、または更新されたドライバーも含まれています。
Linus Torvalds とその仲間たちはちょうど二ヶ月間で最新のカーネルを終わらせました。しかし最大の変更は技術的というより見た目についてのものです - バージョンが 2.6.39 から 3.0 に変わったということです。これは別になにか大きな変更のきっかけを意図したものではなく、そして実際のところ完全にいつものバージョン変更と同じようなものでした。2.6 系列と同じパターンを踏襲しています。 (...)" (注:2)
Linus Torvalds: Linux 3.0、リリース直前のパッチにより遅れる
- Linus の肉声を感じたければ LKML、というのはもちろんそうなのですが、彼が Google+ にアカウントを持っていることに気づいた方もいますか? なんだか意外な気もしますが、こんな内容を Google+ で書いているようです。気になる人はフォローしてみては?
Linus Torvalds: Linux 3.0 と 3.1 マージウィンドウについての覚書
Linus Torvalds: Linux 3.0 リリース
- いろいろありましたが、LinuxCon Japan の前に突如変更が発表された新しいバージョン体系のもと、その第一弾リリースとなる 3.0 がついに正式リリースされましたね。以下、Linus よりのお知らせです。
"お待たせしました。2.6.<大きな数字> 時代は過去のものとなり、3.0 時代の幕開けとなりました。
これは同時に、3.1 となる次期カーネル用のマージウインドウがオープンになったということも意味してるからね。安定版チームは3桁目を使うんで、3.0 をベースにした最初の安定版リリースは 3.0.1 ということになる。
これまで何度も言ってきてるけど、バージョン変更に伴って飛び抜けて目新しい機能や互換性が失われるようなことがあるわけじゃない。Linux 20周年を記念して勝手の悪いナンバリングをやめにしただけだからね。 実際、3.0 のマージウインドウはいつもより穏やかなもので、RCU でいくつかビックリさせられた以外は本当にスムーズにことが進んだと思う。もちろん、だからバグはないとは言わないけれど、ともかく、これまでの「.0」バージョンのときに比べたらずっと少なくなっていると思う。 (...)" (注:1)
Rares Aioanei: カーネル週刊ニュース – 2011年7月23日号
- おなじみ Rares の週刊ニュース。こういうところで日本人開発者の名前を見かけたりすると、なんだかちょっと嬉しくなってきませんか?
"みなさん、こんにちは、そしてようこそ!
- - 今週は Dave Airlie による RADEON カード用の pci id の更新 (pull リクエスト) から始めて、Guenter Roeck による hwmon の修正 (git)、Ryusuke Konishi による pull リクエストでの nilfs2 の修正 (doc)、Ben Greear による nfs と IP のバインディングに関する 12個からなるパッチセットとかを見ていくことにしよう: (...)" (注:1)
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
Unixmen/M. Zinoune: Blender 2.5 を使って20世紀フォックスやライオンズゲートのような動画をたった5分で
- Blender というのが 3D CG を作成するためのツールだということは知っていても「なんだか難しそう」と思っているそこのアナタ、このチュートリアルを見て一度試してみて下さい!
Linux.com/Nathan Willis: Linux でスクリーンキャストをしてみたいときに使えるヤツら
- 操作方法などを解説したい時など、くどくど文章で説明するより操作画面を動画で見せてしまった方がはるかに分かり易くなることって多いですよね。そんな時、デスクトップの様子を動画として保存しておくためのツールが必要となってくるんですが、そういう用途で使えるアプリがこの記事で多数紹介されています。openSUSE ユーザの方であれば、記事内で「フル機能搭載」として紹介されている recordMyDesktop と Istanbul については OBS から入れられるようになってますよ。
コマンド/スクリプト初心者向け
Carlos Gonçalves: SSH 接続の自動化
- 今時だとサーバをリモートから管理するときに telnet で入ることは少なくなっていて、SSH が当たり前になってきていますよね。でも、何台も管理していて、それぞれで異なるパスワードが設定されていたりすると、SSH ログインのときに毎回パスワードを入れなければいけなくなるのは面倒になってくるでしょう。それを、スクリプト一発で解決してしまおうというのがお題です。
Juan Valencia: コマンドラインでのファイルの分割・結合
- Windows などから Linux など Unix 系 OS に移ってきた人たちが戸惑うのは、普段使っているツールが非常にパワフルな側面を持つことです。例えば cat。Windows シェルの type と同じように使っていますが、実は conCATinate の略語であるとおり、複数のファイルの結合に使えるのです。split もファイルを一定サイズで分割するツールですが、多彩なオプションを受け付けます。こういう考え方が身についてくれば、あなたの Linux ライフもより豊かになるのではないでしょうか?
Vladimir Paskov: rpm コマンドの使い方 – パート1
- openSUSE に慣れてしまうと YaST や zypper コマンドが「よしなにやってくれる」ので生の rpm コマンドを叩く機会は減ってくるんじゃないかと思いますが、RPM パッケージを扱う上での基本中の基本ですから、この機会に一度ちゃんとおさらいしてみてはいかがでしょうか?
開発者/プログラマ向け
Robert Knight: Qt Inspector
- 「デバッグはどうやりますか?」というのは優秀な技術者にしてみたい質問の一つではあります。それほどデバッグは奥が深くかつ難しい。しかし優秀なデバッグツールはそういった名人芸の一部を肩代わりしてくれます。Qt Inspector は Qt フレームワークによる GUI アプリケーションのデバッグのための便利なツールです。この記事は Qt Inspector の作者自身による解説です。もし Qt による GUI アプリに興味があれば、チェックしてみましょう。
Python4Kids/Brendan Scott: Tkinter をツカってみる (グラフィカルユーザインタフェース)
- おなじみ Python4Kids ですが、ついに GUI アプリケーションに挑戦です。Tkinter という tk のラッパーライブラリを用います。オフトピックではありますが「なぜ from X import * を使ってはならないか」という重要な注意もあります。繰り返しになりますが、Python を教える立場の人、Python を学んでみたい人はぜひ本シリーズを通してご覧ください。
Wazi/Juliet Kemp: Vim を IDE として使う
- 今時のディストリビューションだと素の vi が入っていることはまずなく、だいたいは Vim のシンボリックリンクとなっていると思うのですが、この Vim は使い方次第で単なるエディタを越えたツールとなってくれるんです。この記事では、Vim を IDE (統合開発環境) のように使うという技が紹介されています。
net.tutsplus.com/Charlie Somerville: Ruby と Redis で短縮リンクサービスを作る
- Twitter などのマイクロブログでは一投稿あたりの文字数が制限されているため、bit.ly などの URL 短縮サービスはもはや必要不可欠のものとなっていますよね。この記事で、こういった URL 短縮サービスの仕組みを学び、実際にプログラムしてみましょう!
システム管理者向け
Linux.com/Jack Wallen: 週末プロジェクト: Linux で Fail2ban を使い、繰り返しやって来る攻撃者を撃退する
- TCP 22 番ポートを開いたままで Linux サーバをインターネットにつないだことのある方でしたら、/var/log/messages に山のように SSH アクセス試行のログが残っているのを見たことがあるんじゃないでしょうか? ちゃんと設定してあれば怖がらなくてもいい幼稚な攻撃とはいえ、鬱陶しいのは確かです。こういった攻撃を撃退するのに使えるツール Fail2ban (openSUSE であれば OBS 経由で導入できます) のご紹介。
Planet SUSE
Richard Bos: KDM と ksplash 用の美しいテーマ、Steampunk
"Steampunk という KDM と ksplash 用のイカしたテーマをパッケージ化してみました。このテーマに合うカラースキーマ、 壁紙、マウスカーソルテーマもあるので、同じ RPM に入れてあります。このテーマを適用してみた様子を YouTube で紹介してあるのは Kubuntu での例ですが、RPM に入っているバージョンはディストリビューション依存ではありません。RPM は home:rbos リポジトリから入手できるようになっています。気に入っていただけると嬉しいです。"
Holger Hetterich: SMB Traffic Analyzer 1.2.6 への道半ば…
- 複数台の Samba ファイルサーバを管理している管理者であれば使ってみたくなるツール、SMB Traffic Analyzer についてはこれまで OWN-ja でも何度もご紹介してきていますのでもうすっかりお馴染みですよね。開発の中間まとめのしょっぱなとして、データベースの構成にまで踏み込んだ深い話はさておき、今回はエンドユーザにとって便利そうな機能が紹介されています。
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
お知らせ
Intel、Collabora と SUSE、Desktop Summit のメインスポンサーに
- 8月6〜11日と開催日が近づいてきた Desktop Summit 2011 ですが、Intel がプラチナスポンサーに、オープンソースのコンサルタント業を営む Collabora と、我らが SUSE がゴールドスポンサーになったとのことです。これは SUSE がデスクトップを重要なものと認識しているということでしょうから、openSUSE を普段使い環境にしている皆さんにはよいニュースですね!
レポート
Datamation/Sean Michael Kerner: SUSE、Mono 技術のため Xamarin に参加
- これは驚きのニュース。SUSE が、Mono ベース商品のサポートのために Xamarin とパートナー契約を結んだというのです。そう、Novell から解雇された Mono チームを集めて Mono プロジェクトの創始者 Miguel de Icaza が設立し、同じく元 Novell の Nat Friedman が CEO を務める会社 Xamarin です。さらにパートナー契約の一部には SUSE の保有する知的財産を Xamarin が使うことも含まれているとか。驚きのこのニュース、ぜひご自分で続きをご覧あれ!
ZDNet/Steven J. Vaughan-Nichols: Linux コントリビューター五傑: Microsoft
- Linux、あるいはフリーソフトウェア支持者からは親の仇のように見られていることの多い Microsoft ですが、なんと、Linux 3.0 に対する貢献数を見てみたら企業としての5位につけているとのこと。裏にどのような思惑が隠されているかは未知数ですが、FLOSS の世界はあくまで成果主義。手を動かすことなく文句を言っているだけの者より、実際に手を動かす者の方が「偉い」んです。好き嫌いは別として、その部分はちゃんと認めなければいけないでしょうね。
digitizor.com/Ricky: Microsoft、Linux 20歳記念ビデオを作成
- 上記とも関連しますが、このところ Microsoft が Linux との間でこれまでとは違う距離感を取りつつある?と思わせるもう一つのネタです。Microsoft が Linux の宣伝につながるようなビデオを作るなんて、5年前だったら想像もつかないことでしたよね。
レビュー/エッセイ
ZDNet UK/Jack Clark: Linux は Windows Update からいかにしてコンピュータを救ってくれるのか
- Linux なんてマニアのためのニッチなオモチャ、普段使うのなら Windows で事足りるし、それで十分…そう思っている人であっても、イザというとき Linux の使い方を知っていると何かと便利なもの。実際、Windows オンリーな環境を管理しているシステム管理者でも、ツールとして Linux は手放せないという人も多いのではないでしょうか。
フィードバック / 交流 / 仲間に加わろう
openSUSE Weekly News 日本語版について何かコメントしたいことはありませんか? もし何かありましたら、opensuse-ja メーリングリスト宛に投稿していただくか、Twitter で #ownja というハッシュタグを付けて Tweet し、お知らせください!
また、openSUSE Weekly News の編集/翻訳に興味をお持ちでしたら、 Weekly News チームのページをご参照のうえ、ご連絡ください。
Facebook には openSUSE Weekly News のコミュニティページ (英語)もあります。
交流したり、広く openSUSE コミュニティからの助けを求めるためには、IRC、フォーラム、あるいはメーリングリストが使えます。詳しくは交流ページをご覧ください。
openSUSE Weekly News 英語版 は RSS フィードで購読することも可能です。
クレジット
- Sascha Manns (英語版編集長)
- Gertjan Lettink (『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstätter (『イベント & ミーティング』情報担当)
- Thomas Schraitle (英語版 DocBook 指導)
- Satoru Matsumoto (英語版編集室/日本語版チーム)
- Naruhiko Ogasawara (日本語版チーム)
- Ko Kazaana (日本語版チーム)
- Yuta Hanayama (日本語版チーム)
日本語以外の言語版について
openSUSE Weekly News には英語版及び日本語以外の言語バージョンもあります。現在購読可能な言語版については こちらをご覧ください。
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