openSUSE Weekly News/180
openSUSE Weekly News 日本語版 第180号 今週の見出し
- openSUSE カンファレンスの RW (Read/Write) セッション – BoF
- OBS 2.3 ベータ 2
- Pavol Rusnak: GNOME Shell 拡張: ステータスメニュー (内のアイテムとして) の YaST
- Will Stephenson: KDE 4.7 ベータが Factory に入ります
- Jos Poortvliet: openSUSE とオンラインサービス
- The Document Foundation: LibreOffice への業界の幅広いサポートを示す The Document Foundation の初代 Advisory Board を発表
- Linus Torvalds と Greg Kroah-Hartman による Linux の20年 @ LinuxCon Japan 2011
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
お知らせ
openSUSE カンファレンスの RW (Read/Write) セッション – BoF
"openSUSE カンファレンスチームは UNIX で使う頭字語 RWX を今年のカンファレンスのキャッチフレーズとして採用することにしました。このテーマを掲げたことの目的は、今年は何かを成し遂げることやハンズオンセッションにより強く焦点を当てていくと強調することにあります。いったいどういったセッションのことを言っているのでしょうか? この記事では、対話型のセッションの一つ、BoF (訳注: 「Birds of a Feather」の頭字語で、元々の「同類」の意味が転じて、コンピュータ/インターネット系の展示会やセミナーなどの場を借りて開かれる、ある特定のトピックに焦点を当てた有志やユーザーグループによる集会のこと) について注目してみましょう。 (...)"
Google Summer of Code 2011
- 今年の日本にとってはちょっと酷な状況ではありますが、いよいよ本格的な夏が近づいてきている中、今週も途中経過報告が続々と挙がってきています。それぞれのプロジェクトに対して「いっそこうしたらどう?」というようなアイデアをお持ちでしたら、早い段階でフィードバックしてあげると実現できる可能性も高まりますよ。
Manu Gupta: SaX3 – GSoC 2011 – 週次レポート 2
Ratan Sebastian: GSOC 2011: ssc – 第3週
Fridrich Strba: LibreOffice の Visio インポートフィルター – この赤んぼを育てていく
Christos Bountalis: 設定 / sysconfig ファイルをマージするためのユーティリティ – 第4週レポート
Justine Leng: 2011年6月17日 週次レポート
更新状況
ディストリビューション
チームレポート
Build Service チーム
OBS 2.3 ベータ 2
"OBS 2.3 ベータ 2 が出ました!
この OBS 2.3 リリースで、機能は固まりました。期待を少々上回る変更が加えられています:
- ソースサービスモードについて、新しい扱い方がデフォルトとなりました。ソースへのリンクが張ってあるような拡張モードでリッスンしている時は、サーバサイドのサービスが摘要されます。
- OBS のインスタンス名と記述をセットアップする設定 UI。
- MeeGo.com が事前設定済みとなりました。
- バックエンドデーモンがランタイム管理を統合しました。
- 数多くのバグ修正。 (...)"
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
GNOME チーム
Pavol Rusnak: GNOME Shell 拡張: ステータスメニュー (内のアイテムとして) の YaST
- openSUSE で GNOME 3 を使っている/使いたいという人にちょっと嬉しいお知らせです。YaST の各モジュールを呼び出すのがこれでちょっと簡単/分かり易くなりそうですね。
"以前書いた YaST のメニューアイテムを GNOME 3 のステータスメニューに追加するというブログについての簡単な後追い情報です。数分前、Andy から「ちゃんとした GNOME Shell 拡張作ってくれない?」と頼まれたので、やってみたらできちゃいました。 :-)
Gitorious には git リポジトリも作ってあって、home:prusnak プロジェクトでパッケージ化もしてあります。GNOME チームで興味があるという方がいましたら、GNOME の開発プロジェクト及び Factory にもサブミットリクエストを送るようにします。 (...)" (注:4)
KDE チーム
Will Stephenson: KDE 4.7 ベータが Factory に入ります
"来週 (訳注: 執筆時点 - 2011年6月17日 - から見た「来週」ということになります)、現在の KDE 4.7 ベータ版を openSUSE Factory に入れます。この版での主要な変更点は、KMail、KOrganizer を完全に Akonadi に移植したことです。これは既に KDE 4.6 の機能の一部としてリリースされていたのですが、メールが読めないなどといったリグレッションバグが残っている可能性があるため採用が見送られていたものでした。openSUSE としては実運用マシンで Factory 版を使うことは推奨していませんが、問題解決にお手伝いいただけるようでしたら是非 Factory にある KDE PIM をメインのメールクライアントとしてお試しいただきたいと思っています。"
- 訳注: この記事は OWN チームが用意した投稿用サイトに直接投稿されたもののため、原文へのリンクはありません。
- 現時点では上記投稿サイトからも原文が削除されてしまっていますので、以下に原文を掲載しておきます。
- Next week the current beta of KDE 4.7 will land in openSUSE Factory. The major change that this brings is the full ports of KMail and KOrganizer to Akonadi. These have just been released as part of KDE 4.6, but there may still be regressions, such as the inability to read mail. While openSUSE does not recommend using Factory for production machines, we would like to emphasize that if you do use KDE PIM on Factory as your main mail client, be prepared to help us troubleshoot it.
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 355)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 187)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
GRUB v2 へアップデート (得票数: 132)
"GRUB 0.97 に対するバグ修正や追加機能を開発しても、もう GRUB 2 を使うからという理由でアップストリームプロジェクトには受け入れてもらえなくなってしまっています。ディストリビューションを開発するコミュニティの間ではブートローダーの切り替えには抵抗があるようですが、もはやこの膠着状態が解消する見込みはなさそうです。コード自体は綺麗だとも言えませんし、しっかりメンテナンスされているとも言えません。何か新しい機能を追加しようと思ったら、あらゆる実行時の制限をなんとか迂回したとしても、ちゃんと機能するかどうか分からない何段階もの手順を踏まなければいけなくなります。例えば、ファイルシステムの実装はメモリ管理に使える静的なバッファを持ちます。このサイズはたったの 32k です。複雑なファイルシステム、あるいはシンプルなジャーナリングファイルシステムであっても、扱う場合には問題が起こってしまいます (Reiserfs でバグをロードするのが全然終わらないといったようなケース)。というのも、ジャーナルのためにブロックマッピングを行うのに十分なメモリーが割り当てられておらず、メタデータを読み込むごとにいちいちスキャンしなければいけなくなってしまうからです。(本当に、もう。) (...)"
Popularity contest (人気投票) (得票数: 103)
"ユーザに好まれ、良く使われているパッケージについてのフィードバックが必要です。Debian には既に Popularity contest (popcon) という名前のツールが用意されています。
- popcon を再利用することで、Debian 及び Ubuntu と直接的に比較した結果を見ることができる
- パッケージャーチームはパッケージをどうしていくべきか伺い知ることができる
- YaST で使える見通しの良い設定用ダイアログが必要です
- opensuse.org 上にサーバインフラストラクチャーが必要です (いくつか個人情報絡みの問題があります。詳しくは Debian の FAQ をご覧ください)
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、 先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
TuxGuitar
"openSUSE 11.4 になって “TuxGuitar” がなくなっちゃいました – “home” リポジトリを探しても見当たりません。
またどこかからインストールできるようになるととっても嬉しいです。"
衝突を避けるため、既に使われている IP アドレスをチェックする
"固定 IP アドレスを割り当てるような時、ネットワーク内で既にそのアドレスが使われていないかチェックできるような機能が YaST に欲しいです。"
libraw1394
"現在の libraw1394 2.0.7 をアップデートしてください:
http://www.kernel.org/pub/linux/libs/ieee1394/
現在 openSUSE のリポジトリにある最新版は 2.0.5 で、これだと例えば最新のカーネルで (juju スタックしか対応してないような) ある種の Firewire 接続オーディオハードウェアを使いたいときなどに問題があったりするんです。"
Kmail で使えるフィルターの数
"Kmail で9つ以上フィルター設定できるようになって欲しいです。"
openFATE 登録フィーチャー統計情報
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
イベント & ミーティング
終了分:
近日開催:
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
コミュニケーションチャンネル
貢献者
ソーシャルネットワーク
新規/更新アプリケーション @ openSUSE
Bruno Friedmann: ATI/AMD fglrx 8.861 Catalyst 11.6 が openSUSE 11.2、11.3、11.4、Factory で利用可能になりました
"新バージョン catalyst 11.6 / fglrx 8.861 が使えるようになりました
インストール手順については以前の記事で一から紹介してありますのでご残照ください。
- 簡単なまとめ:
- 変更点をすべて網羅した文書ではありませんが Catalyst 11.6 インストーラー (PDF) というドキュメントがあります。
- バージョン 11.6 のチートシート (アンチョコ集) も入手できます。
- 3.0x バージョンまでのカーネルをサポート
- 11.2 をサポートする最後のバージョンとなる見込み。
- /etc/xorg.conf.d/50-device.conf を利用していて "fglrx" ドライバを有しているような場合、必要のない (私の見るところでは) おかしな xorg.conf を作成してしまう。
注意
たまに不安定な挙動を示すかもしれません。キーボードやマウスが見えなくなってしまったり、再起動するとブラックスクリーンになってしまうとか。そんなときはシャットダウン電源断ボタンを押して (あるいはリモートから SSH で入って) 正常にシャットダウンできないか試してみてください。再起動したら、grub の起動オプションに 3 を追記してコンソールモードで再起動するようにしてみてください。
YaST や zypper からはいつでも、現行バージョンを削除してリポジトリにある一つ前のバージョンに戻すことができると思います。
情報源は Sebastian Siebert (freespacer) の書いた 11.6 関連の記事 (ドイツ語) (...)"
Sascha Manns: bleachbit 0.8.8 を openSUSE Build Service に登録
- 不要なキャッシュ、クッキー、インターネット閲覧履歴、一時ファイルなどをきれいにお掃除してくれる BleachBit が最新バージョンに更新されました。OBS の utilities リポジトリより入手可能となっていますのでご利用ください。
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
openSUSE-SU-2011:0633-1: 深刻: Oracle Java 26
"SUSE セキュリティアップデート: Oracle Java 26
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0633-1
深刻度: 深刻
レファレンス: #698754
クロスレファレンス: CVE-2011-0786 CVE-2011-0788 CVE-2011-0802 CVE-2011-0814 CVE-2011-0815 CVE-2011-0817 CVE-2011-0862 CVE-2011-0863 CVE-2011-0864 CVE-2011-0865 CVE-2011-0866 CVE-2011-0867 CVE-2011-0868 CVE-2011-0869 CVE-2011-0871 CVE-2011-0872 CVE-2011-0873
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
openSUSE-SU-2011:0637-1: 深刻: flash-player: 10.3.181.26 にアップデート
"SUSE セキュリティアップデート: flash-player: 10.3.181.26 にアップデート
報告 ID: openSUSE-SU-2011:0637-1
深刻度: 深刻
レファレンス: #699942
クロスレファレンス: CVE-2011-2110
影響を受けるプロダクト: openSUSE 11.4、openSUSE 11.3
(...)"
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
Linus Torvalds: Linux 3.0-rc3
- LinuxCon Japan から戻った Linus からの RC 3 リリースアナウンスです。ところで、バージョンナンバリングが変わって、安定版が出るまで RC っていったいいくつくらいリリースされることになっていくんでしょうか?
".. もう旅からは帰ってきたんで、今回はちゃんと tar ボールも検分してるからね。
何が入ってるかって? -rc2 よりは多くのものさ。LinuxCon のために日本にいたのが誰とか、何か他の理由で起きだしたのは誰かってことははっきり知らないけどね。
一行野郎がたくさんだけど、ちょっとばかり大きな塊もいくつかある。Radeon DRI の更新、btrfs の更新、Sparc LEON サポート (と PCI サポート) の修正なんかね。nilfs2 と ceph に似たような修正があって、s390 と arm にも。その他、あちこちにバラけたドライバの更新が全体的にある。
実に自己説明的な短いログにも書いたけど、小さなあちこちへの変更、大きな興味深いものはなし。細かな問題に悩まされている人たちに、その修正を提供するかもしれないものだ。
でもいつものように、みんな十分にテストしておくれよ。 (...)" (注:1)
Rares Aioanei: カーネル週刊ニュース – 2011年6月18日号
- 毎度おなじみのカーネル週刊ニュース。大きなニュースとしてはやはり上でご紹介した 3.0 -rc3 のリリースでしょうが、それ以外にも Networking ツリーからかなり大きな pull リクエストがあったり、あと Iwai さんからサウンド周りのリクエストなどなど、いつもながら盛りだくさんですね。
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
Jos Poortvliet: openSUSE とオンラインサービス
"「クラウド」という言葉がしきりと叫ばれるようになったのはつい最近のことではありません。中にはまだこのコンセプトに懐疑的な人もいるようですが、Android 搭載のスマートフォンなどのような製品では、データをいずこかにある、巨大で不定形なサーバのネットワークに置いておくことの利点が明かになっています。Apple も先日独自の新たなクラウドサービスを発表しましたし、Microsoft もクラウドを提供しています。主要どころがみなクラウド、クラウドとかまびすしい中、Linux での状況はどうなっているでしょうか? (...)"
Jos Poortvliet: openSUSE とオンラインストレージ、同期サービス
"(...)
ファイル共有/同期サービス
ファイル共有/同期サービスを使うことで、ファイルを複数台のコンピュータに保存したり、そのファイルをウェブ上で他の人と共有したりすることができるようになります。先日 Apple が発表したサービスはまさにこういったサービスなんですが、これは別に Apple が先陣を切ったというわけではありません。
SpiderOak も、ファイルを同期するためのオンラインスペースを提供しています。ローカルハードディスク上の指定したフォルダーにファイルを放り込むだけで、複数台のコンピュータ、モバイルデバイス、更には他の人たちともそのファイルを共有することが可能となるのです。SpiderOak は 11.3 以降 openSUSE のリポジトリから導入できるようになっています。
有名所で言うと Dropbox サービスも同様のオンラインスペースを提供していて、Nautilus ファイルマネージャーと統合して使うことができるようになっているのです!(...)"
Nelson Marques: 'イケてるお前ら' 向けのGNOME2 版 openSUSE 11.4… 手みじかなハウツー!
- 見た目はただの Classic GNOME だけど、フォントサブピクセルレンダリングの有効化、Wine のインストール、各種コーデックの追加などを兼ね備えた、小粒でぴりりと辛い、そんな openSUSE 環境を作るやりかたをササッとご紹介。
TechRepublic/Jack Wallen: LibreOffice で協調作業を行う五つのコツ
LinuxJournal/Bruce Byfield: Scribus でテキストを修正
コマンド/スクリプト初心者向け
Linux.com/Carla Schroder: GUI では決してできないこと: Linux のいろいろな情報探し
開発者/プログラマ向け
Justine Leng: Git について学んだ11の事柄
Python4Kids/Brendan Scott: おさらい - へんな文章を書式付きで出力する
- おなじみ Python4Kids。前回のチュートリアルでは range と for を組み合わせた繰り返しと、乱数に依る「変な文章」の生成プログラムを取り上げましたが、今回はこのネタを使って、「書式付き出力」について学ぶことになります。プログラミングをしているとよく出てくる "%s %n" みたいなアレですね。ほとんどの言語が備えているこの機能、もちろん Python にも備わっています。具体的な使い方は記事をご覧あれ。あ、練習問題を解くのもお忘れなく!
システム管理者向け
OStatic/Jon Buys: 仕事で使っているデータベースを削除してしまったそのとき - さて、どうする?
- 色んなシステムの背後で欠かせなくなった MySQL。当然大事なデータがたんまりと入っているはず。それを操作ミスでうっかり消してしまったとしたら、当然背筋が凍ることでしょう。でもそういうときこそ深呼吸して、このハウツーを読んでみてください。慌てて取り返しが付かなくなる前の助けになるかも?
Planet SUSE
Jakub Steiner: キリングモードスイッチ (Killing Mode Switch)
- デスクトップ環境を開発していく場合、その機能、外観的なデザイン、操作性はそれぞれ切り離して考えるわけにはいかないもので、何が「正解」なのかは一概に言えるものではありません。実際に使ってみて初めて「しっくりくる/こない」が分かるものなので、試行錯誤の連続となっていくようです。
"Allan が既に彼のまとめた便利な要約のうちの一つで言っているように、シェルの「概要」内のアプリケーションピッカーのレイアウトをどうやって改善していったらいいか、このところずっと考え続けています。彼が提示してくれたモックアップではクリック対象が小さすぎるという問題がありそうで、ダッシュボードと連携させるにはまだ向いていないように感じました。ということで別のデザインを試しに採用してみたんですが、このレイアウトだと何かが本質的に違う感じになっちゃって、さっぱりした「囲いのない」概観の雰囲気が損なわれちゃうんですよね。 (...)" (注:1)
Fridrich Strba: Windows 用の実験的な Evolution インストーラー
- 生粋の Linux ファンであっても、どうしても Windows を使わないといけない場合ってありますよね。そういう場合、普段 Linux で使い慣れているアプリが使えると多少はストレスが和らぐというもの。ということでこの記事の筆者が作ってみたのは Windows 用の Evolution インストーラー。注目すべきは、このインストーラーには RPM が仕込まれているってことですね。
"皆々様に最新の Windows 用 Evolution インストーラーをご紹介できること、この上なく喜ばしく名誉なことだと感じています。我らが openSUSE Build Service のこのリポジトリなどに置いてありますので、そちらからご入手ください。このインストーラーには /usr/i686-pc-mingw32/sys-root/mingw ディレクトリ以下に mingw32-evolution-installer RPM が仕込んであります。Windows で RPM ってどういうこと?と訝しんでいる方のために説明しますと、7-zip を使うと LZMA ペイロードを使っている RPM ですら解凍することができてしまうんです。 (...)" (注:1)
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
お知らせ
Adobe/Dave Mc Allister: 次世代 Linux クライアントに焦点を置きます
- Adobe が Linux 向けの AIR の開発を打ち切るというニュース、残念な思いで読んだ方も多いのではないでしょうか。この記事では、なぜその決断に至ったのかという理由が説明されています。簡単に言ってしまうと、デスクトップとしての Linux が伸び悩んでいる間にシェア面で Android が追い越してしまったという状況の中、どちらに注力していくべきかは自ずと明らかだろう…ということになります。時を同じくして日本でも、ATOK X for Linux の新版が出るという話が一向に聞こえてこない中、JustSystems から ATOK for Android の発表がありました。こういった流れがあることは厳然たる事実として受け止めなければならないのでしょうが、諦観を持って受け止めたり他人のせいにするのではなく、「Linux をデスクトップ OS の選択肢の一つとしていく」ために「自分ができること」は何か、もう一度考えてみるきっかけにしたいですね。
"1999年当時の私は、2005年にはデスクトップ Linux はかなりの市場を獲得しているだろうと予測を立てていました (私が見込んでいたのは Mac OS くらいの数字、10-15% のシェアを獲得するだろうという予測でした)。サーバ OS としての Linux が無視できない地位を獲得しているのは間違いありませんが、デスクトップとしては少なくとも「有力な選択肢の一つ」となるには至っていません。 (...)" (注:1)
The Document Foundation: LibreOffice への業界の幅広いサポートを示す The Document Foundation の初代 Advisory Board を発表
- The Document Foundation が Advisory Board のメンバーを選定したそのお知らせの日本語訳です (余談ですがこのようなプレスリリースがすぐコミュニティで翻訳される日本の LibreOffice コミュニティも非常にステキですね)。ボードとしては個人を選ぶのではなくスポンサー企業の中から選ばれ、実際に活動する人は企業から代表として選出されるという形式で発言権を行使するという方式のようです。もちろん、多くのコミッターを抱える我らが SUSE もメンバーですよ!
"本日 The Document Foundation はその Advisory Board の最初のメンバーをお知らせします: Google、SUSE、Red Hat、Freies Office Deutschland e.V.、Software in the Public Interest、および The Free Software Foundation です。今回新任されたメンバーは一期一年間務めます。
Advisory Board は、The Document Foundation のスポンサーを代表しています。各スポンサーは一名の代表を出す権利があります。彼らは将来の Board of Directors にアドバイスや指導、提案を与え、TDF のさらなる発展およびその関連するプロジェクトについて定期的に相談します。 (...)" (注:3)
募集
LinuxJournal: デスクトップ用途で使うならどの Linux ディストリビューションがお気に入り?
- LinuxJournal がアンケート調査を実施しています。openSUSE に是非とも清き一票を! :-)
レポート
Linus Torvalds と Greg Kroah-Hartman による Linux の20年 @ LinuxCon Japan 2011
- 先日、盛況に終わった LinuxCon Japan 2011。そのなかでもやはり、トップキーノートであった Linus - Greg 対談がやはり注目の的ではないでしょうか。対談の内容としてはさまざまな媒体で紹介されているので一例としてクラウドWatchの記事あたりを見ていただくとして、どんな雰囲気で行われた対談かはビデオを見るのが一番! 二人とも非常に和やかな雰囲気で、英語も比較的聞き取りやすいので、二人の生の声にぜひ触れてみましょう。この雰囲気は今年の LinuxCon Japan の雰囲気を象徴していると思います。
Softpedia: 新たな NVIDIA の Linux ドライバーで GNOME 3 と KDE SC 4 のサポート強化
Internet.com/Sean Michael Kerner: Linux ユーザーを見捨てた Adobe AIR
- Adobe のマルチプラットフォームランタイム環境 AIR。Flash の経験があれば比較的とっつきやすい開発環境であり、Windows、Mac OS X、Linux に対応していることがウリだったのですが、このたび Adobe から「Linux 版の開発を中止する」というショッキングなアナウンスがありました。Adobe は Linux デスクトップを投資の価値のある成長市場だと認めていないからだということです。この記事は事実を端的に伝えたものですが、コメント欄はなかなか色々な意見があり面白いです。みなさんはどう思われますか?
レビュー/エッセイ
h-online/Glyn Moody: FSF、GNU、GPL は未だに必要なのか?
- Richard M. Stallman (rms) が GNU 宣言を起草し、Free Software Foundation を設立して GPL というライセンスのもとで GNU Emacs や GCC という素晴らしいソフトウェアを開発、リリースしたのは「ソフトウェアはもちろん自由に使うことができ、中を覗いて、場合によっては改良できる自由を担保することで、世の中は幸せになる」というrmsの信念によるものでした。コピーレフトはこの理想を実現するためのものだったわけです。ソースコードの公開を理念的な理由ではなく、ある種の利益を受ける手段であると捉えるオープンソース運動においても、Linux をはじめとして、GPL などのコピーレフトライセンスが多数派であり、GNU は欠かせない位置づけである、そう考えられてきました。しかしながら Ubuntu の main リポジトリのコード量を分析した「衝撃」のデータが紹介されています。なんと Ubuntu の main リポジトリにおいて GNU のコードはたった 8 %しかないというのです。GNU という強い精神性を持ったプロジェクトの果たす意義はだんだんと縮小しつつあるのでしょうか? その答えの一部は、この記事にもあるかも?
"何か物事がすでに与えられたように考えるのは簡単なことです - 世界が常に等しくあると仮定するように。そしてときどきショックを受けるのです。居住まいを正して予想を考えなおさなければならないような新たな情報が現れたときには。 (...)" (注:2)
Linux Magazine/Bruce Byfield: OpenOffice.org の衰退と没落
- Sun が独 StarDivision を買収して手に入れたオフィススィート StarOffice をオープンソース化した OpenOffice.org。完全にオープンなオフィススィートとして MS Office の対抗馬と考えられるまで発達し、そのドキュメントフォーマット ODF は国際標準になり、ヨーロッパなどでは自治体公式フォーマットとして採用されるなど、栄光の道を歩んできたかに見えます。しかしその実、OpenOffice.org は決して円滑なコミュニティ運営だったというわけではなく、それが LibreOffice プロジェクトのフォーク、 そして Oracle が突如、コードベースを Apache に寄贈した理由といえなくもありません。そして多くの貢献者を抱え、実際に頻繁なリリースを行っている LibreOffice に比べ、Apache 版 OpenOffice の未来はどうなるのでしょうか? 二者は再び合流することがあるのでしょうか? それとも対等なライバルとして切磋琢磨していくのでしょうか? Linux に限らずフリーなデスクトップを牽引する巨人ソフトたちの未来は如何に?
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クレジット
- Sascha Manns (英語版編集長)
- Gertjan Lettink (『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstätter (『イベント & ミーティング』情報担当)
- Thomas Schraitle (英語版 DocBook 指導)
- Satoru Matsumoto (英語版編集室/日本語版チーム)
- Naruhiko Ogasawara (日本語版チーム)
- Ko Kazaana (日本語版チーム)
- Yuta Hanayama (日本語版チーム)
日本語以外の言語版について
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(注:3) 原文は CC BY-SA 3.0 ライセンスの元に公開されています。
(注:4) 原文は CC BY-NC-ND 3.0 ライセンスの元に公開されています。