openSUSE Weekly News/168
openSUSE Weekly News 日本語版 第168号 今週の見出し
- openSUSE 11.4 はまだまだ好調
- openSUSE は Google Summer of Code の承認を受けました!
- openSUSE 11.2 サポート終了についての先行お知らせ
- Alexander Naumov: osc プラグイン – 変更点
- h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: 2.6.39 の開発進行中、.33 系も改定
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
お知らせ
openSUSE 11.4 はまだまだ好調
"今から一週間ちょっと前、多くのわくわくする新機能を引っさげて openSUSE 11.4 をリリースしました。結果は、金曜日 (リリース直後の金曜日) にも書いた通り大好評で迎えられました。最初の24時間で10万ダウンロードを突破し、世界中のあちこちで賞賛のブログ、記事、レビューが書かれました! ということで本日は、一週間経過してどんな状況になっているか眺めてみることにしましょう。まだ勢いはキープできているでしょうか?
(...)"
openSUSE は Google Summer of Code の承認を受けました!
"openSUSE は、Google Summer of Code (GSoC) プロジェクトで今年もまた成功をおさめるための第一のハードルをクリアしました! OMGSUSE で先週土曜日に明らかにされた通り、Google は我々の提案を承認し、晴れて指導組織となることができたのです。つまり、もし興味があるならこの夏 openSUSE にどっぷり浸かったうえに報酬まで手に入れられるかもしれないというチャンスがあるということなのです!
GSOC 2011 アイデアページに寄せられたアイデアと、指導者となる意志を示してくれた方々のおかげで、openSUSE の開発に加わる素晴らしいきっかけができたのです。スロット数がいくつになるかは未定ですが、我こそはとお考えの学生や指導者候補の皆さんは、もう今から、寄せられているアイデアの肉付け作業や相談を始めておいてください! (...)"
Linux Foundation による Linux 20周年記念キャンペーンとビデオコンテスト
"8月の Linux 生誕20周年記念日を前に、Linux Foundation は2011年4月6日から8日にかけてサンフランシスコの Kabuki ホテルで開催される コラボレーションサミット (The Collaboration Summit) を皮切りとして各種記念行事を開催していきます。一連のキャンペーンのハイライトとなるのは毎年恒例のビデオコンテストで、今年が20周年に当たるということで Linus Torvalds 本人が審査員を務めることになりました。 (...)"
openSUSE 11.2 サポート終了についての先行お知らせ
"opensuse-security-announce メーリングリスト登録者及び openSUSE ユーザの皆様へ
SUSE セキュリティチームは近日中に openSUSE 11.2 のアップデートリリースを終了いたします。過去2回のリリース期間プラス2ヶ月間にわたりセキュリティ関連の修正プログラムを配布してまいりましたが、2011年5月12日以降はアップデートの提供は行われなくなります。
openSUSE 11.1 用の Evergreen にあたるコミュニティ運営のメンテナンス拡張を準備するかどうするかについての議論は現在も進行中です。
この結果、download.opensuse.org サーバの openSUSE 11.2 ディストリビューション用のディレクトリ (/distribution/11.2/) は各ミラーサイトの領域開放のため削除されることになります。/update/11.2 以下のアップデートツリーにある 11.2 用のディレクトリについても、すべてのアップデートが公開された後速やかに削除されていくこととなります。
openSUSE 11.2 を含む openSUSE Build Service のリポジトリも DISCONTINUED:openSUSE:11.2 へ移動となり、全 Build Service プロジェクト内で、openSUSE 11.2 を対象としたビルドができなくなります。 (...)"
Google Summer of Code (GSoC) 関連情報
- 上の『お知らせ』コーナーにもありますように、今年もまた openSUSE は GSoC に参加することになりました。これに伴い、様々なアイデアが寄せられています。
Stephan Kulow: GSoC のアイデア: Clic ファイルシステムの改善
Will Stephenson: GSoC のアイデア: Build Service Plasma ウィジェットスイート
Thomas Schmidt: Summer of Code 2011
====Alexander Naumov: GSoC 2011====
更新状況
ディストリビューション
Stephan Kulow: 状況報告: ディストリビューション
"検討の結果、法令規範準拠レビューのステップをガラス張りにすると決定しました。これに伴い、今後 Factory にパッケージをサブミットすると「自動法令規範チェック (legal-auto)」グループにレビュー申請が届くようになりました - この処理は、そのパッケージが既にレビュー済みかどうかを判別する Jürgen の書いたスクリプトにより実行されます。もしレビューが済んでいないようなら、「リーガルチーム (legal-team)」グループにレビュー依頼が届くのです。
これによって、もうリクエストが無視されたかのように見えることはなくなります。将来的にはできるだけ早く、ビルド状況のレビューや基本チェックをするための自動チェックやマニュアルチェックでも同じようなことができるようにしていきたいと計画しています。
(...)
存在しないパッケージに Kiwi が依存しているため、現時点では残念ながら新たなビルドを公開することはできないでいます。 ;("
Bugzilla
Bugzilla 関連参照リンク:
SUSE Studio
James Mason: 新しいベータ機能: リビジョン管理 101
- SUSE Studio を使っていくつものアプライアンスを作っていくと、度のバージョンにどのような設定を施してあったか混乱してきてしまうことってありませんか? その問題を解決できそうな機能が追加されつつあるようです。
"ここしばらく、SUSE Studio で作るアプライアンスをより使い易くするためのお手伝いをしてきました。まずその第一歩として取り組んだのは、アプライアンスをビルドした履歴をリビジョンコントロールシステムみたいな感じで扱えるようにするということでした。これが何とか形になり、ベータ版をお使いの方にはこの機能をいくつか試していただけるところにまでこぎつけました: アプライアンスの全設定を単一ページで一覧できるようになった; あるバージョンを指定してクローンを作ることにより、アプライアンスのブランチを作れるようになった; 各バージョン間での変更点を動的に生成できるようになった。 (...)" (注:1)
チームレポート
Build Service チーム
Adrian Schröter: Factory のポリシーについての提案: tar ball のソースを追跡可能にする
"tar ball (あるいはその他アップストリーム出自のファイル) がどこから持ってきものなのかを文書化するため、openSUSE:Factory プロジェクトに適用すべき共通ポリシーを一つ提案したいと思います。何のために? これが決めてあると、バージョン更新を確認するのがより簡単になりますし、悪意のあるコードを埋め込まれた tar ball が紛れ込んでいるかもという心配もなくなるからです。
既に「download_url」及び「tar_scm」というソースサービスを OBS インスタンスに追加してあり、コミットすることでファイルをダウンロードして保存できるようにしてあります。一部の人はもうこの機能を使っているのですが、ファイルに「_service:」というプレフィックスをつけて保存しておきたいという理由からこの機能を使いたくないという人たちも存在します。 (...)"
Alexander Naumov: osc プラグイン – 変更点
"osc はパッケージングに精通した人たちにとっては Build Service の最新最高の機能を実感させてくれるパワフルなツールです。Python で書かれていて、学ぶのも使うのも簡単です。とはいえ、ある状況では機能が充分だとは言えない場合もあり、何か特別な解決法が必要となってしまうこともあります。そのような場合に役に立ってくれるのが、osc でとても簡単に実現できるようになっているプラグインというメカニズムです。
プラグインは osc に実装済みの機能であれば何でも利用できますし、自分の使い易いフォーマットで出力させるということも可能です。例えば、openSUSE:11.3 と openSUSE:11.4 とで kdelibs4 のどこが変わっているか確認したいとき、以下のようにすることができます:
こうすると、全変更についての詳細な出力を得ることができるのです。そうです、素晴らしいですね… でも、いつもこれが便利だというわけではありません。この例でいくと、出力は2000行を越えてしまい、何が変わったのかを手っ取り早く理解したいなら、そう、*.changes ファイルに当たる部分を探すための時間が必要になってしまうのです。また、他のプログラムで処理するために出力を転送したいような場合 (実際よくあることです)、このデータを整形しなければいけなくなります。残念ながら、osc はそれほどお利口さんではなく、一つのファイル (例えば *.changes) だけ見て変更点を表示したりすることができないのです… (...)"
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
GNOME チーム
Frédéric Crozat: GNOME 3 Live イメージのリリース 0.2.0 公開
- GNOME 3 Live イメージはリリース間近の GNOME 3 のデモンストレーションとなる Live CD で、非常に活発に開発されています。この記事の 0.2.0 では Network Manager まわりで大きな進歩があった GNOME 2.91.92 を採用していますが、3/30 付けの記事では GNOME 2.91.93 にスイッチした上、Radeon のドライバを入れ替えマイナーフィックスした 0.3.1 がリリースされています(多分次号の OWN ではもっと進んでいるでしょう!)。GNOME 3 の最新動向が気になる向きは、彼のブログを直接購読したほうがよいかも?
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 348)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 181)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
SaX2 の代替ツールを (得票数: 120)
"自動設定で適切なモニタ/キーボード/マウスが見つけられなかったときの安全策として、11.3 には SaX2 の代替ツールが必要です。 (...)"
GRUB v2 へアップデート (得票数: 109)
"GRUB 0.97 に対するバグ修正や追加機能を開発しても、もう GRUB 2 を使うからという理由でアップストリームプロジェクトには受け入れてもらえなくなってしまっています。ディストリビューションを開発するコミュニティの間ではブートローダーの切り替えには抵抗があるようですが、もはやこの膠着状態が解消する見込みはなさそうです。コード自体は綺麗だとも言えませんし、しっかりメンテナンスされているとも言えません。何か新しい機能を追加しようと思ったら、あらゆる実行時の制限をなんとか迂回したとしても、ちゃんと機能するかどうか分からない何段階もの手順を踏まなければいけなくなります。例えば、ファイルシステムの実装はメモリ管理に使える静的なバッファを持ちます。このサイズはたったの 32k です。複雑なファイルシステム、あるいはシンプルなジャーナリングファイルシステムであっても、扱う場合には問題が起こってしまいます (Reiserfs でバグをロードするのが全然終わらないといったようなケース)。というのも、ジャーナルのためにブロックマッピングを行うのに十分なメモリーが割り当てられておらず、メタデータを読み込むごとにいちいちスキャンしなければいけなくなってしまうからです。(本当に、もう。) (...)"
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、 先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
KDE の「システム設定」を YaST と統合
グローバルメニュー
xautolock
openSUSE の GNOME スピンオフ版 – Mint、Fusion、Fuduntu などの対抗馬となるものを…
システム全体と馴染むように KDE のデフォルトテーマの色調を緑系にする
openFATE 登録フィーチャー統計情報
OpenOffice.org / LibreOffice チーム
Petr Mladek: openSUSE 用の LibreOffice 3.3.1 バグフィックスリリース公開
"openSUSE 用の LibreOffice 3.3.1 バグフィックスリリースを公開いたしました。パッケージは Build Service の LibreOffice:Stable プロジェクトより入手できるようになっています。この版ではクラッシュを引き起こしていた問題や、ユーザビリティ及び翻訳関連の様々な問題が修正されています。詳細については LibreOffice 3.3.1.2 リリースニュースをご覧ください。また、 openSUSE 版 LibreOffice に書いてあることもご参照ください。
Testing チーム
Larry Finger: 週刊ニュース3月26日号
"次回の Testing コアチームの IRC ミーティングは2011年3月28日 17:00 UTC からです。時間が変更されたのは、ほとんどの参加者がサマータイムに入ったことによります。
ミーティングでは、2011年4月2日(土) 0:00 〜 23:59 UTC に開催する次回の「オープン・バグ・デー」の計画を最終的に固めることになります。以前も書いた通り、今回重点を置くのは 11.2 以前の版で報告されていて、11.4 でもまだ再現するバグの特定となります。今回はそういったバグをすべて解決しようということではなく、あくまで備忘のための作業ということになります。 11.5 M5 が出た後、バグ撲滅の日を開催する予定です。 また、ミーティングでは、バグの選択及び処理を補助してくれる Bernhard Wiedermann が書いてくれたウェブアプリケーションのテストとそれについての意見交換も行う予定です。
今回が、イベント前に出す最後の週刊ニュースとなります。是非このバグ識別作業にご参加ください。この「オープン・バグ・デー」用の特設ウェブページはまだ準備できていませんが、 Testing チームのページから辿れるようになるはずです。"
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
Klaas Freitag: ケムニッツ Linux デー 2011 (Chemnitzer Linuxtage 2011)
"先週末、ドイツ、ケムニッツで開催される有名な Linux イベント、ケムニッツ Linux デー 2011 (Chemnitzer Linuxtage 2011) に参加してきました。私が同イベントに参加したのは今回が初めてでしたが、いい意味でびっくりしました。非常にしっかりした運営で、建物内には完璧な環境がしつらえてあり、多くのボランティアが参加して楽しくくつろげる週末を演出してくれました。どうもありがとうございました。このように和気藹々とした雰囲気の中で多くの方々とお会いできたのはとても楽しい体験でした。 :o )
openSUSE もブースを開きました (Fedora の皆さん、写真をありがとう)。そして、幸運にもできたてほやほやの 11.4 のプロモ DVD が間に合ったので、興味をお持ちの皆さんにお配りしてきました。openSUSE 11.4 は全般的に、訪問してくださった皆さんの殆どに好評を博し、この最新リリースを出せたことがとても幸せでした。openSUSE 全体に対する感触も同じく上々で、私たちがやっていること、私たちのやり方などについて、例えばコラボレーション機能のある OBS だとかディストリビューションあるいは全般的な活動についてポジティブなフィードバックを多数いただきました。皆さんには我々の努力が伝わっているのです。 (...)"
Jos Poortvliet: 欠くことのできないコラボレーション
- Unity に端を発した GNOME と Canonical の対立については、主に Canonical 側に非難が寄せられましたが、Canonical からは「Unity を GNOME に提供するつもりだったが拒否されたのだ」との説明がありました。そして KDE の Aaron Seigo も GNOME の閉鎖性を指摘しています。本当のところはどうなのでしょう? 複数のプロジェクトが協調して働くためにはどういったことが大事なのでしょうか? 非常に示唆的な記事です。
Kai-Uwe Berhrmann: CLT 2011 での Oyranos
- Oyranos は OS レベルでカラーマッチングをサポートしようとするプロジェクトです。カラーマッチングは様々な入出力デバイスで色味を合わせる、地味ではありますが非常に重要な技術で、近年急速に開発が進んでいます。この記事は Chemnitzer Linux Tage (ケムニッツ Linux デー) でブースを出したときのレポートです。SUSE Studio や OBS が大活躍したようで、ここらへん openSUSE の強みですね。
Cornelius Schumacher: フリー (自由) なデスクトップ上での皆さんの成果を見せてください
- ベルリン・デスクトップ・サミットの CFP (発表者募集) が迫っていますよ……という記事なんですが、日本からだとなかなか大変ですよね。記事とは直接関係ありませんが GNOME.Asia というイベントがちょうど今週、インドのバンガロールで行われます。日本でもデスクトップを指向した国際イベントが行われたら楽しいですね! そういう意味で、海外のイベント事情にも注目しましょう。
イベント & ミーティング
終了分:
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
コミュニケーションチャンネル
貢献者
新規/更新アプリケーション @ openSUSE
Holger Hetterich: SMB Traffic Analyzer 1.2.3 リリース
- 活発に開発が進んでいる SMB Traffic Analyzer (SMBTA) ですが、この度 1.2.3 がリリースされました。Samba サーバーについてのトラフィックを解析するこのツール群は、Linux / Windows 混在環境の管理者にとって欠かせないツールだといえるでしょう。今回の変更で特筆すべきは "sbmtad" というデーモンプログラムのようですね。さて、このツールが、そしてバージョンアップが、管理者の皆さんにどのような機能をもたらしてくれるのでしょうか?
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
SUSE セキュリティ報告: IBM Java (SUSE-SA:2011:014)
"パッケージ: java-1_6_0-ibm,java-1_5_0-ibm,java-1_4_2-ibm
報告 ID: SUSE-SA:2011:014
日付: 2011年3月22日(火) 12:00:00 +0000
影響を受けるプロダクト: SUSE SLES 9、Open Enterprise Server、Novell Linux POS 9、SLE SDK 10 SP3、SUSE Linux Enterprise Desktop 10 SP3、SUSE Linux Enterprise Server 10 SP3、SUSE Linux Enterprise、SUSE Linux Enterprise Software Development Kit 11 SP1、SUSE Linux Enterprise Server 11 SP1
脆弱性タイプ: remote code execution
CVSS v2 基本値: 10.0 (AV:N/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C)
SUSE にデフォルトで含まれるパッケージか否か: Yes
クロス・レファレンス: CVE-2010-1321、CVE-2010-3553、CVE-2010-3557、CVE-2010-3571、CVE-2010-3574、CVE-2010-4422、VE-2010-4447、CVE-2010-4448、CVE-2010-4452、CVE-2010-4454、CVE-2010-4462、CVE-2010-4463、CVE-2010-4465、CVE-2010-4466、CVE-2010-4467、CVE-2010-4468、CVE-2010-4471、CVE-2010-4473、CVE-2010-4475、CVE-2010-4476
(...)"
SUSE セキュリティ報告: Linux kernel (SUSE-SA:2011:015)
"パッケージ: kernel
報告 ID: SUSE-SA:2011:015
日付: 2011年3月24日(木) 16:00:00 +0000
影響を受けるプロダクト: SLE SDK 10 SP3、SUSE Linux Enterprise Desktop 10 SP3、SUSE Linux Enterprise Server 10 SP3
脆弱性タイプ: remote denial of service
CVSS v2 基本値: 7.1 (AV:N/AC:M/Au:N/C:N/I:N/A:C)
SUSE にデフォルトで含まれるパッケージか否か: Yes
クロス・レファレンス: CVE-2010-1173、CVE-2010-3875、CVE-2010-3876、CVE-2010-3877、CVE-2010-4075、CVE-2010-4076、CVE-2010-4077、CVE-2010-4163、CVE-2010-4242、CVE-2010-4248、CVE-2010-4342、CVE-2010-4526、CVE-2010-4527、CVE-2010-4529、CVE-2010-4655、CVE-2010-4668、CVE-2011-0521、CVE-2011-0710、CVE-2011-0711
(...)"
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: 2.6.39 の開発進行中、.33 系も改定
"カーネルバージョン .39 での追加点は Xen ネットワークバックエンド、ipset のサポート、出来たばかりの Poulsbo グラフィックスドライバーで、またカーネルハッカーたちはBKL (Big Kernel Lock) を完全に取り除くことに躍起になっています。Greg Kroah-Hartman は .33 系カーネルのメンテナンスを再び行っています。というのもこの系列はリアルタイム・ブランチの基礎となっているからです。
先週火曜日の Linux 2.6.38 のリリースから24時間たたないうちに、Linus Torvalds は Linux 2.6.39 向けの変更のマージにとりかかりました。コミットにはすでに Dom0 カーネル向けのXen ネットワークバックエンドが追加されていました - が、同様に Dom0 に意味があるストレージバックエンドはまだカーネルには取り込まれていません。
予想されたとおり、Big Kernel Lock (BLK) を使っていた最後に残ったコンポーネントが取り除かれたので、カーネルハッカーたちは "BKL:That's all, folks (これで終わりだ、みんな)" と題されたコミットによってこのロックを追放できたのです。別の新規追加は、確実なネットフィルターポリシー最適化する第六世代の ipset プログラムです。ステージング領域には、Poulsbo の名で知られる Intel の US15W に採用されている GMA500 グラフィックチップセット用の出来立てのグラフィックドライバーが追加されています。
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
LinuxUser & Developer/Dmitri Popov: Firefox 4 の同期機能:ステップバイステップ
- Firefox 4 の同期 (Sync) 機能は 3 系に比べ刷新されています。ライバルの Google Chrome と同様あるいはそれ以上に、複数の Firefox 環境の間でブックマークや設定や履歴やタブなどのデータを同期できるのです。Firefox 愛好家のみなさん、ぜひ本記事を読んで、同期機能をご活用あれ!
Linux.com/Nathan Willis: Google の WebP イメージツールを Linux 上のオープンなツールで扱う
- Google によるオープンな動画コーデックプロジェクト WebM そして VP8 が Linux、そしてオープンソース界に与えた影響は大きなものでした。同じように、JPEG の置き換えとして Google が発表したのが WebP です。よりよい画質をより小さなサイズで実現したこのデータフォーマットは注目に値しますが、この記事では Linux で表示したり、編集したり、加工したりする方法について述べています。
Berthold Gunreben: openSUSE 11.4 で iTunes
- Linux 等の Unix システムライクな OS を愛用されている方の中にも、Windows や Mac OS が手放せないという方は多いのではないでしょうか。Berthold Gunreben が取り上げているのは、その理由の代表格、iTunes です。実際には、古いバージョンのみという制限があるものの、iTunes は Linux 上でも容易に利用することができます。これは Windows 互換 API を提供する Wine プロジェクトの努力の成果です。今回、Berthold は多くの初心者が躓くであろう 64 ビット環境での iTunes のインストール方法を紹介しています。完全ではないものの、リリースされて間もない openSUSE 11.4 で動作しています。
- 編注: Mac OS X も Unix 互換 OS ですが、デスクトップ環境が大きく異なるため、Mac OS X 版 iTunes は他の Unix 系 OS で用いることはできません。
- 編注: iPod をサポートしている Amarok や Rhythmbox などの Linux アプリケーションからも iPod を利用することもできます。問題は iTunes Store で楽曲を購入したり、購入済の DRM 付きの曲を再生したりするときです。
コマンド/スクリプト初心者向け
BashShell.net/mike: 五日で学ぶ find コマンド
- Linux エキスパートにお気に入りのコマンドを訪ねると、決まって挙げられるのが find です。find は様々な条件でファイルやディレクトリを検索し、あらゆるコマンドを適用することができます。シェルスクリプトでよく用いられる xargs も、ファイル処理に関しては出る幕がないといっても過言ではありません。mike の連載では find コマンドの便利な使い方が多数紹介されています。
開発者/プログラマ向け
Dominique Leuenberger: brp と rpmlint の警告を修正する – 本日のお題: char* ポインタと文字列リテラルを比較する式
"何度か似たような類の質問を目にしたあとで、 ちょっとした「rpmlint エラーとその典型的な対応集」みたいなのを作ったら面白いんじゃないかと思ったんです。
興味ありますか? では、ようこそ第1回 (この記事のこと) へ。この「エラーと対応集」はまだ巣立ちできているとはいえないけれども、できるだけ多くのエラーやトピックを、見かけしだい書こうと思っています。もし OBS でパッケージをビルドしているときにエラーを見たり体験したときには、ぜひ私に知らせてください。
さて意味はともかくとして、OBS が以下のメッセージを出したとしましょう:
- Expression compares a char* pointer with a string literal. Usually a strcmp() was intended by the programmer
(...)" (注:2)
Sankar P: 前置インクリメント対後置インクリメント
- C/C++ プログラマの中でときおり論争になるのが「値を利用しないインクリメント (++) / デクリメント (--) 演算子は前置がよいか、それとも後置がよいか?」ということです。この記事の筆者は Google 検索したところ「前置記法のほうが、演算子適用前の値を取っておかなくていいからパフォーマンスがよい」というのを信じていたのですが、ある発言をきっかけに調べてみることにしました。さてその結果は?
Python4Kids/brendanscott: 新たなチュートリアル – 「つまらない質問」プログラムを進化
- 「8歳からの Python チュートリアル」を掲げる「Python4Kids」。今はファイルに状態を保存するというチュートリアルとして「つまらない質問」プログラム、つまり簡単なクイズを出すプログラムを作ってきました。そのためにオブジェクトを pickle 化してファイルに保存するということを学んできたわけですが、今回はさらに pickle 化してファイルに保存したものを取り出して、また加工して保存するということを学びます。
システム管理者向け
Berthold Gunreben: シンプルな udev の操作
- Linux でデバイス管理をしたことがあるなら、udev という文字を目にしたこともあるでしょう。デバイスの自動認識が当たり前になった今、udev の理解はシステム管理にも欠かせません。この小さな記事では、キャッシュのストライプサイズを変えるという例で、udev ルールの書き方を説明しています。
HowtoForge/luisfreitas: Apache-Solr のインストール方と、Drupal および ISPConfig と一緒に用いる方法 (openSUSE/Debian)
Planet SUSE
OMG!SUSE! team: リリース日、まるで巨大なダンプカーが通ったようでした
- 11.4 のリリース日、それは世界中の Geeko ファンが待ち焦がれていた日でした。実際どれだけのダウンロード数があったんでしょう? この記事では BitTorrent 経由のダウンロード数と、そこから推し量れる実際のダウンロード数について考察しています。その結果はちょっと驚くべきものですよ?
OMG!SUSE! team: Google パワーで openSUSE を検索しよう
- search.opensuse.org をお使いになったことはありますか? これは Google のカスタム検索を使ったちょっとしたページで、英語版フォーラム、Wiki、それに全 ML アーカイブの横断検索をしてくれるものです。gitrious にソースも公開されているので、自分のサイトに検索機能を用意したい方、参考にしてみては?
OMG!SUSE! team: SUSE Studio が 11.4 のパレード車に飛び乗った
- openSUSE 11.4 リリースのお祝いムードのなか、無論兄弟である SUSE Studio だって黙っていたわけではありません! すぐさま 11.4 のアプライアンス構築をサポートしただけでなく、11.3 アプライアンスの 11.4 マイグレーションまですばやくサポートしたのです。詳細はこの記事で!
OMG!SUSE! team: 投票のお願い: もう 11.4 を使ってますか?
- 前置きはいいですね。今すぐリンク先に飛んで投票しましょう。openSUSE 11.4 をもう使ってます? 使いたいけどまだ? 使う気はない? それとも……Ubuntu?
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
お知らせ
迅速なネットワークの進化のため Open Networking Foundation 結成
- 3月21日、オレゴン州ポートランドから届いたニュースです。世界のネットワーク界に名だたる六つの企業 — Deutsche Telekom、Facebook、Google、Microsoft、Verizon、Yahoo — が、Software-Defined Networking (SDN) と呼ばれる新しいアプローチのネットワークを推進する非営利団体、Open Networking Foundation (ONF) を結成したというのです。ONF は瞬く間に17のメンバー企業を集め、ネットワークに対するイノベーションを推進していくと述べています。
- ComputerWorld 日本語版の記事をごらんください。
募集
LinuxJournal/Katherine Druckman: 募集: 情熱的なギークたち
- LinuxJournal では、Linux を愛してやまないギークたちからの寄稿を募集しています。英語のハードルはあるものの、17年の歴史があり信頼されている LinuxJournal で記事を書けるというのは大きなチャンス! サーバ管理からデスクトップのノウハウ、その他 Linux に関することならなんでも募集しているようです。関心がある方、この記事を読んで、応募してみてはいかが?
レポート
h-online/Dj Walker-Morgan: Linux Foundation、MeeGo TV のスイッチをオンに
"Linux Foundation は MeeGo スマート TV ワーキンググループの結成を発表しました。このワーキンググループはインターネットに接続された TV やセットトップボックスなどを示す新しい「スマート TV」マーケットにおいて、MeeGo をどのように使うかを探索することを目的とするものです。このグループに参加したのは Intel、Nokia、MIPS、Telecom Italia、Amino Communications です。このワーキンググループは MeeGo の対象デバイスの範囲を現在のネットブック、タブレット、自動車向けシステムから拡張することになるでしょう。
このグループは4月に最初の会合を予定しており、MeeGo Linux プラットフォームと Qt ベースユーザインタフェースがどのように使い道を提供するかを明らかにするため、年二回 (第一および第三四半期) のリリースを提供するためにコードを受け付けることになっています。さらにこのワーキンググループは、今のところ焦点をおいていたタッチパネルやハンドヘルドインタフェースにおいて、リモコンインタフェースをどのように作るかという課題にも取り組まねばなりません。 (...)" (注:2)
Unixmen/Anuradha Shukl: オープンソースのキモノ・ランタンを災害救援のために
"日本における (訳注:東北地区の) 壊滅的な被害は痛ましく、我々一人ひとりが、このような状況からの復興支援に貢献しようという気持ちにならざるをえません。Freaklabs の開発者たちにも同じような考えが広まったようです。東京ハッカースペースで、庭やテラス用に設計された太陽光充電式ランタンを一緒に作ったのです。キモノ・ランタンと名付けられ、使いやすく改良されました。設計すべてをオープンソースハードウェアコミュニティに寄付したことで、これは本当の意味でのオープンソースコミュニティへの貢献となったのです。
(...)
キモノ・ランタンは基本的には小出力ですが長寿命のバッテリー向けにデザインされています。ソーラーセルを太陽光のもとに8時間晒すことで、被災者に十分な明かりを提供することができます。懐中電灯のようにも使えますし、その他の一般的な人工光源で照らされるべき特別かつ必要不可欠な場所、例えば仮設医務室のような場所においても、キモノ・ランタンは十分に機能するでしょう。街灯や、その他暗闇の中の安心を提供してくれるでしょう。 (...)" (注:2)
OSOR.EU/Gijs Hillenius: EU: 欧州議会議員、Document Freedom Day に参加
- ヨーロッパ各国はもともと政策的にオープンソース化を推し進めてきましたが、欧州議会議員とそのアシスタントたちが、自由なドキュメントフォーマットとオープンな標準の重要性をアピールするイベント、今年の Document Freedom Day に参加し、三つプレゼンも行ったとのことです。ODF (Open Document Format; OpenOffice.org / LibreOffice などの文書フォーマット) を採用する政府も増える中、どんなプレゼンだったのでしょう? 詳しくは記事とその関連リンクをお読みください。
Networkworld/Jon Brodkin: Linus Torvalds: デタラメの Android 著作権侵害クレーム
- Android が Linux の (GPLv2) ライセンスに違反しているのではないかという疑問が知財専門家より呈されていたようですが、誰あろう Linux の創始者である Linus Torvalds 自身が「完全なデタラメだ」といっているとのこと。何故「デタラメ」なのか? 何かと誤解が多いオープンソースライセンスについて、きちんと理解したい人には必読でしょう。
レビュー/エッセイ
TechRepublic/Jack Wallen: KDE 4.6 を引っさげた新しい openSUSE は表舞台に復帰できるか?
- 「SuSE Linux が本当にエネルギーに満ちていたときを覚えているかい? YaST は最高の管理ツールで、SuSE は KDE をデフォルトデスクトップにした数少ないディストリビューションだった。しかし Novell が SuSE を買収して事情は変わった……」というやや懐古的・悲観的な調子で始まるこのレビュー。しかし KDE 4.6 と Tumbleweed の二つにより、openSUSE は再び活気を取り戻すだろうと筆者は述べます。
Hubfolio/Matthew Casperson: openSuse 11.4 を新規に導入した後するべき五つのこと
- openSUSE 11.4 は非常に素晴らしい出来である、この記事でもまたこの賛辞を目にしました。しかし、たった五つのことをやるだけで、openSUSE 11.4 はさらによい環境になるというのです。それはいったい? どれも難しいことではありません。騙されたと思って試してみては?
ITworld/Steven J. Vaughan-Nichols: openSUSE 11.4: 過去の Linux から吹く風
- 1996年、まだ S.u.S.E Linux 4.2 の頃からの Geeko 愛好家の目から見た openSUSE 11.4 レビュー。インストールから始まり細かな点を丁寧に見ていっています。基本的にかなり高評価ではありますが単なる礼賛記事に留まってはいません。まだインストールしていない方は、インストール前に読んでおいて損はないでしょう。
Das U-Blog/Prashanth Venkataram: Review: openSUSE 11.4 KDE
- openSUSE についてはやはり「KDE ディストリビューション」という側面が強いのではないでしょうか。本記事では、KDE の新機能に焦点を当てた 11.4 のレビューになっています。さまざまなレビュー記事でも絶賛されている KDE 4.6 はどんなものなのでしょう?
Linux Journal/Susan Linton: openSUSE な皆を繋ぐ
- 先日 Henne Vogelsang からアナウンスされた opensuse.org の新機能、connect。皆さんはもうお使いですか? いわゆるソーシャルネットワークなわけですが、Geeko 愛好家のための Geeko 愛好家のための存在。opensuse.org にアカウントがある人ならだれでも使うことができ、Geeko 愛好家同士を「つなぐ」この新しいサービスを試してみたい方、上記のアナウンスともどもぜひこの記事を読んで、[http://connect.opensuse.org/ connect」をクリック!
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