openSUSE Weekly News/165
openSUSE Weekly News 日本語版 第165号 今週の見出し
- Build Service チーム、セキュリティ問題を修正した新バージョンをリリース
- openSUSE 11.4 のここに注目!
- SUSE Studio/Dominik Mayer: クラウド (雲) の中に城を築く
- Petr Mladek: openSUSE 用の LibreOffice 3.3.1 バグフィックスリリース公開
- OMG! SUSE!/R. Tyler Croy: openSUSE 10日間ツアー
編集/翻訳: openSUSE Weekly News 日本語版チーム (OWN-ja チーム)
編集部より
openSUSE Weekly News 日本語版 第165号 をお届けします。
この号が公開されるころには、すでに openSUSE 11.4 のインストールを始めていたり、あるいはもうインストールも終え、真新しい環境のあちこちを見て回っている方もいらっしゃるかもしれませんね。是非使ってみてのご感想など、ML やフォーラム、あるいはご自身のブログや Twitter、Facebook などでフィードバックお願いします。
それでは今週号も楽しく読んでいってください。
お知らせ
Build Service チーム、セキュリティ問題を修正した新バージョンをリリース
"OBS のバージョン 2.0.8 及び 2.1.6 が openSUSE Build Service チームによりリリースされました。どちらのバージョンでも、書き込み権限のないプロジェクトやパッケージをいじることができてしまったというクリティカルなセキュリティ問題が修正されています。お手元に OBS 環境を構築されているようでしたら、できるだけ速やかにこれらの新バージョンにアップデートするようにしてください。バージョン 1.7 はこの問題の影響を受けません。 (...)"
openSUSE 11.4 のここに注目!
openSUSE 11.4 と KDE
"KDE ファンなら誰でもきっと、メジャーな Linux ディストリビューションとしては初めて KDE Plasma ワークスペース、アプリケーション、開発プラットフォームのバージョン 4.6 を採用した openSUSE 11.4 には注目していることでしょう。KDE コミュニティのリリースしたこの3点セットは、パフォーマンスが大幅に向上したのみならず、あらゆる箇所で多くのユーザビリティや機能改善が施されています。openSUSE 11.3 に採用されたのが KDE 4.4 だったことを考えると openSUSE 11.4 は一段飛ばしでメジャーバージョンアップしたということになりますから、アップグレードされる方は KDE についていつもの二倍幸せな気持ちを味わうことでしょう。 (...)"
openSUSE 11.4 の GNOME
"来る新リリース、openSUSE 11.4 には、最新最高の GNOME 2.32 が搭載されることになります。この GNOME 2.32 は GNOME 2.x シリーズの最終版となるもので、openSUSE ユーザに対して以後8ヶ月にわたり安定したベースを提供するために多くの最終改良が施されています。同時に、openSUSE GNOME チームは既に精力的に GNOME 3 の準備に取り組んでいます。openSUSE 11.4 では GNOME 3 及び GNOME Shell のプレビュー版もお使いいただけるようになります。 (...)"
更新状況
ディストリビューション
SUSE Studio
SUSE Studio/Dominik Mayer: クラウド (雲) の中に城を築く
- つい先日、AWS (Amazon Web Services) の東京データセンターが開設されたとのニュースが Web を賑わせましたが、ほぼ時を同じくして SUSE Studio からも嬉しいお知らせが届きました。
"昨年の10月から、SUSE Studio で Amazon EC2 (Elastic Compute Cloud) 用のイメージを作ることはできていたのですが、これまでだと、作ったイメージをアップロードするにはまず一旦手元にダウンロードして解凍してから、私たちが提供しているスクリプトをローカルで走らせるか、サードパーティー製のツールを使わなければならず、AWS (Amazon Web Services) で使い始めるには一手間かかっていました。 しかし、時代は変わります。SUSE Studio をお使いであればどなたでも、ご自身でアプライアンスをビルドして、それをクラウド上に展開できる、とっても簡単便利なベータ機能を試せるようになったのです (ご自分のアカウントページに進んでお試しください)。つまり、もはや作ったアプライアンスをダウンロードしたり、ローカルマシンに追加でツールなどをインストールする必要がなくなったということです。以下、クラウドを制覇するという一見難しそうなタスクを実現するのに必要な方法を、手順を踏んでご案内いたしましょう。 (...)" (注:1)
SUSE Studio/James Tan: Amazon EC2 用の openSUSE 11.4
- 上記に続いて、Amazone EC2 ネタをもう一つ。3月10日のリリースとほぼ同時に SUSE Studio でも openSUSE 11.4 ベースのアプライアンスを作ることができるようになる予定とのことですが、それに先立って、SUSE Studio でビルドされた openSUSE 11.4 ベースの AMI (Amazon Machine Image) が既に公開されています。東京リージョン用の AMI も早速一覧表に追記されてますよ。:-)
チームレポート
Build Service チーム
Build Service 統計情報
- Build Service 関連の統計情報については http://build.opensuse.org をご覧になってください。
Mono チーム
Lluis Sanchez Gual: MonoDevelop 2.6 の初のベータ版
- MonoDevelop 2.6 のベータ 1 が公開されました。このバージョンの目玉機能は Git のサポート、バージョンコントロールビュー、MCS ベースのパーサー及びフォーマットエンジン、ユーザ定義ポリシーのサポート、デバッガでの IL 中間言語の逆アセンブルサポートなどとなっているようです。
openFATE チーム
支持を集めているフィーチャーリクエスト
- 以下は、多くの賛同を集めているものの担当者が決まっていないフィーチャー (訳注: 機能の実装、追加、改変要望) です。実装を担当してくださる方を募集中です。
ダウンロードとインストールを分離 (得票数: 344)
"パッケージのダウンロードとインストールが並行して行えるようになれば、ネットワークインストールがより改善されると思います。"
起動中のスプラッシュ用に Plymouth を使う (得票数: 181)
"初めて Plymouth のことを聞いた時からこれを openFATE にリクエストしようと思ってましたが、この話を読んでますます、採用した方がいいと思うようになりました。
「起動プロセス中に起こるチラつきやモードの切り替えは全て、全体的な印象を損なうものです」という出だしで始まる Ray のコメントは特に興味深いものです。
ここで「デフォルトで GRUB を見せないようにする」という要望もまとめて論じてしまってもいいでしょうか?"
1-クリック・アンインストール (得票数: 146)
"簡単にソフトウェアを削除できる手段を!
例えば、あるアプリケーションを 1-クリックインストールで入れたとします (これにより、必要なパッケージが全てインストールされることになります)。そのような場合、その 1-クリック操作で入れたものを簡単に (ここでも 1-クリックで) 削除する手段があるべきです...言い換えると、インストールしたソフトウェアの (依存関係にあるパッケージもまとめての) 「1-クリック・アンインストール」です。"
SaX2 の代替ツールを 11.3 そして 11.4 にも入れてください (得票数: 119)
"自動設定で適切なモニタ/キーボード/マウスが見つけられなかったときの安全策として、11.3 には SaX2 の代替ツールが必要です。 (...)"
Popularity contest (人気投票) (得票数: 91)
"ユーザに好まれ、良く使われているパッケージについてのフィードバックが必要です。Debian には既に Popularity contest (popcon) という名前のツールが用意されています。 (...)"
オフラインで 1-クリックインストール (Linux 版の MSI) (得票数: 75)
"コミュニティ仲間の Raúl García から頂戴したアイデアです。
Windows における MSI と同じコンセプトでありながら、openSUSE の 1-クリックインストールのコンセプトを活かしたものを想定しています (それはつまり、簡単明瞭さとコード、セキュリティを引き継ぐということです)。 (...)"
YaST-Qt: もっと必要な情報が収められた "インストールのサマリー”を (得票数: 71)
"YaST Qt パッケージマネージャーは、"インストールのサマリー" ビュー内で zypper と同じようにできるだけ多くの情報、特に、想定される全体ダウンロードサイズとかその操作を実行するとどれだけのディスクスペースが開放/使用されるかといった情報を提供すべきです。"
問題が起こったときに YaST で表示されるダイアログのメッセージをもっと穏やかな表現に (得票数: 62)
"YaST2 の sw_single (ソフトウェア管理) で、競合問題が起こったりベンダ変更、アーキテクチャー変更が必要となる場合などに表示されるダイアログの文面は、多くのユーザにとってはまるで脅し文句のように思えてしまいます。
ダイアログでは通常、あまり多くのヘルプ情報が提供されず、問題解決のために3つの提案の中ならどれか一つを選ぶように求められます。これだと、不満の種になったり、今もなお RPM の依存関係地獄がなくなっていないという噂を広めたりしてしまうことにつながります。 (...)"
先週挙げられた新規フィーチャーリクエスト
- 以下は、先週新たに挙げられたフィーチャーです。気になるものがあったらどうぞ投票、コメントお願いします。
usermod
デフォルトで PulseAudio が入らないように戻しましょう
udev の補助ユーティリティ biosdevname を openSUSE に採用しましょう
シャーシラベルを元にネットワークインターフェイスの名称を変更するために 71-biosdevname.rules を入れましょう
biosdevname を openSUSE のインストーラに統合しましょう
Add a short introduction movie to openSUSE の「ようこそ画面」に短い紹介動画を追加しましょう
RALCGM
Radiance
GhostPCL
rawtorle
UniConvertor
GhostXPS
インストーラでまた点字がサポートされるようにしましょう
インストールに失敗したら中断して完全に元の状態に戻す
openFATE 登録フィーチャー統計情報
OpenOffice.org / LibreOffice チーム
Petr Mladek: openSUSE 用の LibreOffice 3.3.1 バグフィックスリリース公開
"openSUSE 用のバグフィックスリリース、LibreOffice 3.3.1 を公開いたしました。パッケージは Build Service の LibreOffice:Stable プロジェクトより入手可能となっています。このバージョンでは、いろいろな場面でクラッシュを引き起こしていた問題や、ユーザビリティ、翻訳関連の問題などが修正されています。詳しくはlibreoffice-3.3.1.2 リリースニュースをご参照ください。また、openSUSE 版 LibreOffice に書かれている情報も参考になると思います。
Testing チーム
Larry Finger: 週刊ニュース3月5日号
"Testing コアチームは2011年2月28日18:00 (UTC = 日本時間 3月1日 AM3:00) にミーティングを開催しました。
私たちは 11.4 RC2 の使用感などを話し合ったのですが、概ね好評だったようです。その後話題はオープン・バグ・デーの成功に移り、次回の計画を立てることとなり、その日程を2011年4月2日の 00:00 から 23:59 (UTC) と決定しました。えーっと、けして一日遅れのエイプリルフールのジョークということじゃありません。11.4 で、11.1 〜 11.3 対象で登録されているバグが再現するか確認しようという企画です。今からカレンダーに印を付けておいてくださいね。詳細については二週間後に発表できると思います。
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
OMG! SUSE!: SCALE9x 初日
- R. Tyler による SCALE (Southern California Linux Expo = 南カリフォルニア Linux エキスポ) 9x 初参加の感想です。
"以前の記事でもお伝えした通り、今週末SCALE (Southern California Linux Expo = 南カリフォルニア Linux エキスポ) に参加してきました。前回の記事では、同展示会でいかに openSUSE コミュニティが目立っていたか、ということです。
朝から晩までずっと、openSUSE のブースはひっきりなしに訪れる人々々に openSUSE や SUSE Studio をご紹介し続け、目が回るくらい大忙しでした。 (...)" (注:3)
Jos Poortvliet: ロサンゼルスでの openSUSE マーケティング・ミーティング
- さて、上記の SCALE 9x に先立って、同地カリフォルニアでは openSUSE のマーケティング・ミーティングも開催されました。openSUSE カンファレンスの際に発案された企画なのですが、マーケティングチームで活躍する面々が世界各地から集結し、オフラインで顔を合わせつつアイデアを練り上げるという貴重な体験を持つことができたようです。
"(...) ミーティングはもちろん楽しい雰囲気で進行しました。世界中からチームの仲間が集結したのです ― オーストラリア (Helen)、ギリシャ (Kostas)、スイス (Bruno)、ブラジル (Izabel と Carlos)、アメリカ (Chuck、Tony、Bryen)、オランダからは私。Stephen と Tyler (OMGSUSE でおなじみ) は SCALE に参加してくれました。また、Alan Clark も一週間ずっと付き合ってくれたことを書き忘れちゃいけませんね。参加してくれると期待していた人のうちの何人か ― 病欠の James、インドの Manu Gupta は試験があったため旅行している場合ではなかった ― が参加できなくなってしまったのは残念でしたが、嬉しいことに、その二人も含め他の人たちも IRC 経由で話に加わってくれました。 (...)" (注:3)
イベント & ミーティング
近日開催:
- 2011年3月9日: プロジェクトミーティング
- 2011年3月10日: openSUSE 11.4 一般公開!!
- 2011年3月23日: プロジェクトミーティング
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
コミュニケーションチャンネル
貢献者
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
カーネルレビュー
- コミュニティ内外からの Linux カーネル関連ニュースです。
h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: 2.6.38 の新機能 (パート 4) – ストレージ
"3月予定の来るべきカーネルリリースには SANs (Storage Area Networks) 実装のための LIO ターゲットフレームワークが含まれます。またデスクトップシステムに関して、カーネルサイドのメディア検知通知 (media presence polling) 機能がディスクドライバや Device Mapper 最適化のために提供されます。
(...)
Storage Area Network (ストレージエリアネットワーク)
開発者たちは linux-iscsi.org が開発した LIO マルチプロトコルストレージターゲットを SCSI サブシステムに追加しました。これはストレージデバイスを iSCSI、Fibre Chanel、FCoE 等を介して他のシステムからアクセス可能な SCSI ターゲットとして統合することを可能にします。しばらくカーネルの一部だった STGT (SCSI Target Framework; カーネルコンフィグレーションオプション CONFIG_SCSI_TGT) は、この SANs 実装のためのソリューションにより直ちに置き換えられます。SCST (SCSI Target Subsystem for Linux) の開発者達も彼ら自身のソリューションを推進しましたが、成功しませんでした。 (...)
Polling places (デバイスポーリング)
Tejun Heo によって投稿された"in-kernel polling framework"により、デバイスポーリングを用いてカーネル自身がリムーバブルストレージメディア (メモリーカードやDVDのような光学メディア等) をモニタすることが可能になりました。ストレージメディアが交換されれば、、カーネルはデスクトップ環境のようなユーザーランドアプリケーションに通知します。この結果、これらのアプリケーションは自身でメディアを検出する必要がなくなります。現在のアプリケーションによるメディア検出は様々な問題を抱えたもので、その詳細はコミットコメントで解説されています。 (...)
Device Mapper と MD
新しいインターフェースが、MD (Multiple Devices) サブシステムによるソフトウェア RAID の管理機能にアクセスする手段を Device Mapper に提供するようになります。これは RAID4、5、6 に向けたものです。できたての DMRAID 新バージョンと併せて、マザーボードのチップセットが提供する RADI5 機能に対するカーネルサポートが長期的に改善されるはずです。以前は、これらの機能は特別なパッチを当てなければ利用できず、すべてのディストリビューションで可能なことではありませんでした。 (...)" (注:2)
Rares Aioanei: カーネル週刊ニュース – 2011年3月5日号
- 今週のカーネルニュースは70年代のヒットソングのパロディから始まりました。皆さんはどの曲のことだかわかりましたか? とりあえず、エンデは関係ないようです。さて、今週も多数の修正の pull リクエストが出ています。ocfs ツリーの修正に目を引かれるという方もいるかもしれません。OCFS (Oracle Cluster File System) は何かと噂の Oracle のプロジェクト。リクエストを出したのは長年に渡り OCFS に取り組んでいる Oracle 開発者、Joel Becker です。他にも perf や timer に関してお馴染みの Ingo Molnar からリクエストが出ています。興味がある方はチェックしてみましょう。
"果てしない“カーネル”物語の世界へようこそ! :P オーケー、ちょっと70年代のパロディをしただけだよ。さあ、今週のニュースに取り掛かろう。
- Joel Beckerは 2.6.38-rc に向けた ocfs ツリーのフィックスを公表、Ingo Malnar はいつもの pull リクエスト、つまり x86、perf、timer。Tony Lindgren は -rc6 に向けて omap を修正、Rajiv Andrade は TPM ツリーでの修正。詳細は以下の通り: (...)" (注:1)
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
TechRepublic/Jack Wallen: Calibre を使って自分の電子ブックコレクションにオンラインでアクセスする方法
- Amazon Kindle などの電子ブックリーダーと Linux を使っているなら Calibre はもちろんご存知ですよね。元々 SONY リーダー用のデータ変換ツールから始まり、数多くの電子ブックフォーマットのコンバートをサポートする上に、Web からデータを取り込んで電子ブックフォーマットにすることもできる非常に高機能なソフトなのですが、実は Web サーバも内蔵しており、Calibre が管理する電子ブックを外部からアクセスできるというんです! これはもう、電子ブックユーザーは今すぐ読むしかない!
- openSUSE 用の Calibre パッケージは Documentation:Tools リポジトリより入手可能です。ただし、開発者の利用しているライブラリが最新のため、11.4 以上のバージョン用しか配置されていません。
Jan Holesovsky: LibreOffice 検索バーの進化
- 日々進化を続ける LibreOffice ですが、検索機能についてもちょっとした工夫が追加されたようです。今まで Ctrl-F で表示されていた検索・置換ダイアログの代わりに、Firefox のような小さな検索バーが出るようになったのです (もちろん昔のダイアログも出すことはできます)。元記事でスクリーンショットをご覧あれ。
Scribbles and Snaps/Dmitri Popov: digiKam で写真メタデータを扱う
- デジタルカメラの画像には、撮影時刻や機材、ISO 設定などの情報を埋め込んだ、Exif や IPTC、XMP などの「メタデータ」というものが付いています。KDE の digiKam アプリケーションはこれら各種形式のメタデータに対応し、参照したり、ファイルに落としたり、クリップボードにコピーしたり、あるいは Web にアップロードする画像などのためにメタデータを削除することもできるのです。digiKam を使ってより楽しいデジカメライフを!
コマンド/スクリプト初心者向け
BashShell.net/Mike: ログ・パーサー
- よいシステム管理者とは問題が起こる前に手を打つものである、という教えがあります。そのために日々ログを監視して異常が起きる予兆を突き止めることは大切です。しかしログは膨大……待って!そのためにコンピュータってあるんでしょう? ということで小さな Bash スクリプトをご紹介。初歩的な機能だけしか使っていませんが、役立つ道具がすぐできる、これが Bash の魅力ですよね!
開発者/プログラマ向け
python4kids/Brandan Scott: 大きなビン一杯のピクルス (Pickles)
- 多くのスクリプト系言語は、内部のオブジェクトを、ファイルに落として永続化したり、ネットワーク経由で他の機器に送信したりできる形式に変換する「シリアライズ/デシリアライズ」という機構を持っています。Python ではこの機能を Pickle 化、と読んでいます。このチュートリアルでは「知識を蓄積するゲーム」という分かりやすい例でオブジェクトを Pickle 化することの意義と、Pickle 化したオブジェクトをファイルに出力するところまで説明しています。
システム管理者向け
IBM developerWorks/Roderick W. Smith: Linux を学ぼう:302 (Mixed environments;混在環境): コンセプト:Samba の役割
- LPICレベル3「Specialty」の認定資格「LPI 302 Mixed Environment (混在環境)」の試験対策記事です。162号で紹介した記事の続きとなります。受験を考えられている方はぜひ。
Planet SUSE
OMG! SUSE!/R. Tyler Croy: openSUSE 10日間ツアー 第1日: カーネル
OMG! SUSE!/R. Tyler Croy: openSUSE 10日間ツアー 第2日: LibreOffice
OMG! SUSE!/R. Tyler Croy: openSUSE 10日間ツアー 第3日: ネットブラウジング
OMG! SUSE!/R. Tyler Croy: openSUSE 10日間ツアー 第4日: GRUB2
OMG! SUSE!/R. Tyler Croy: openSUSE 10日間ツアー 第5日: Scribus
- openSUSE 11.4 正式リリースへのカウントダウンもいよいよ大詰めになってきた中、注目ポイントを日めくりカレンダーのようにご紹介していくシリーズです。
Jos Poortvliet: LibreOffice と openSUSE 11.4
- この記事が示すように、LibreOffice には各 Linux ディストリビュータからの人材を含め続々とコントリビュータが集結しています。そして Jos は「openSUSE が LibreOffice を同梱する最初のメジャーディストリビューションとなる」と高らかに宣言しています。
Gabriel Burt: PDF Mod アップデート
- PDF Mod をご存知でしょうか? 名前のとおり PDF の簡単な修正 (modify) を行うツールです。この記事では先にリリースされた 0.9.1 の新機能を紹介しています。ページ抽出や複数の PDF のマージ、メタデータの書き換えなどがサポートされたそうで、これは便利そうですね! openSUSE のパッケージも用意されていますので、ぜひお試しを。
Fridrich Strba: opensuse-mingw メーリングリスト
- Windows のフリーな開発ツールチェーンである mingw。これを OBS を用いてビルドして Linux - Windows のクロスコンパイル環境を構築し、さらに OBS 自身にそれを取り込んで OBS のパッケージ群を Windows 対応させてしまおうというワンダフルなプロジェクト、それが windows::mingw です。日々活発化するこのプロジェクトのために、ついに専用の ML が立ち上がりました。興味をお持ちの方はぜひ購読を!
Uwe Gansert: SUSE Manager 自動インストールのスクリーンショット
- 先日 Novell よりリリースされた SUSE Manager。管理者にとって興味深い言葉が並んでいますが、何かが足りないと思いませんか? そう、スクリーンショットです。作った人間も同じことを思ったようで、とにかくありったけのスクリーンショットを集めてくれました。Novell のサイトで興味をお持ちになった方は、ぜひスクリーンショットの数々をごらんください!
Andrew Wafaa: 昆虫学者の助けを借りて虫 (バグ) を追跡
- ディストリビューションの開発に携わっていると、いろんなバグ追跡システム (BTS) を渡り歩かなければなりません。ディストリビューション自身、デスクトップ、ミドルウェア、アプリケーション、などなど……。これらを一覧できるようなソフトがあったらいいなと思った原著者は過去に呼びかけを行いましたが、答えるものがないままでした……しかし、先日のハック週間 VI で、まるで虫 (バグ) 退治に昆虫学者が登場したように、強力な救世主が現れました。さてその名は? その成果は?
Jos Poortvliet: GNOME Shell についての批判
- [GNOME Shell] は GNOME 3 の目玉となる新しいシェルですが、その評価は必ずしも好意的なものばかりではないようです。では GNOME Shell についての批判は果たして妥当なものでしょうか? 新しい UI / UX を導入するときになにを考えるべきかに関心がある方は、読む価値がある記事です。
Google Summer of Code 関連
Michal Hrušecký: GSoC 2011 向けアイデア – Elgg 用の OpenID プロバイダー
Michal Hrušecký: GSoC 2011 向けアイデア – OBS での Bitbake サポート
- 先週もご紹介しましたが、Michal Hrušecký からの Google Summer of Code 向けのアイデア第2弾、第3弾です。まず最初は、openSUSE コミュニティの SNS サイトとすべく試験稼働を始めている openSUSE Connect のプラットフォームとして採用した Elgg 用の OpenID プロバイダープラグインを作ってみようというお話。次は、組み込み Linux 用のビルドプラットフォーム OpenEmbedded で利用されている Bitbake を OBS でサポートしましょう、というお話です。
openSUSE フォーラム
MPlayer + VDPAU + DivX = 再生できない
NVIDIA の VDPAU (訳注: 日経 ITpro の解説などが参考になると思います) テクノロジーを有効にして MPlayer で DivX のムービーを再生しようと思ったら問題が起こってしまったというスレ主が立てたスレッドです。同じ NVIDA 製のカードでもものによって結果はまちまちとなるため、この問題の原因がどこにあるか見つけるためのやりとりは手探りとなるでしょう。お使いのシステムでもこの問題が起こるようでしたら、ぜひ一読してみてください。
あるマシンにインストールした openSUSE をそのまま別のマシンに持っていくには?
このスレッドは、ユーザからのはっきりとした「こうしたいんだ」という選言から始まりました。彼はデフォルトのインストール状態にいろいろと手を加えた環境を構築していて、友達のためにその環境をそっくりそのまま仮想マシンとして動くように移植する方法を探しているのです。このスレッドを読めば、仮想マシンにするということ限定ではなく「実機に環境を引く継ぐ」ことも含めていろいろな方法があることが分かると思います。
複数のユーザを作成するときに一気に複数のグループに登録してしまう方法
多くのユーザが使うようなシステムを新たに設定するような場合、全ユーザを登録してアクセスできるようにしてあげなければいけなくなります。そして、それぞれのユーザを複数のグループに登録しなければいけないということもよくあることでしょう。そういった情報がテキストファイルにまとめてあるとしたら、いっぺんにそれを適用することってできないものでしょうか? 使っているのは Linux ですから、当然答えは「イエス」です。シェルスクリプトでどんなことができるかという好例のちりばめられた面白い読み物になっていますよ。
openSUSE 11.4 がやってくる: 関連スレッド集
openSUSE 11.4 のリリースを間近に控え、RC1 や RC2 を試してみたユーザからの報告が多数寄せられています。以下、そんな中から気になるスレッドをいくつかご紹介。openSUSE 11.4 がリリースされた後は、毎週 11.4 がらみのスレッド集をご紹介していくことにします。
Web 上の記事から
- openSUSE に限らず Linux、FLOSS 界隈で話題となっている注目情報をご紹介します:
お知らせ
KDE News/Cornelius Schumacher: Qt and the Future of KDE
- Nokia の携帯デバイスに対する戦略変更に伴い、KDE SC の基盤にして、魅力あふれるクラスプラットフォーム開発環境、Qt はどうなるのだろうと気にしている方も多いでしょう。この記事は Qt の開発がオープンガバナンスで継続していくこと、KDE がそれを支援することについて表明しています。コメント欄も併せてお読みください。
レポート
h-online/Chris von Eitzen: X.org、X サーバー 1.10 を完成
"X のベテラン開発者である Keith Packard は X.org の X サーバー バージョン 1.10 を リリースしました。 変更点は、ちょっとした改良やバグフィックスがほとんどですが、リリースメールに記載されています。最も目立つ新機能は NVIDIA の開発者によってコントリビュートされ、OpenGL ベースと X のレンダリングコンテキストの同期を向上させる Fence インターフェースです。
さらに特筆すべきことは予定されていたすべてのコンポーネントが新しい X サーバーに入ったわけではないということです – 例えば主に Packard により開発されていた RandR 1.4 がそうで、開発者がクライアントインターフェースに満足していないからという理由で、バージョン 1.10 がリリースされる直前に ちょっとした注意書きとともに取り除きました。開発者たちはすでに X Input 2.1 とスレッド化入力イベントも以降のバージョンに延期を決めていました。 (...)" (注:2)
ServerWatch/Sean Michael Kerner: IBM DB2、Linux ソフトウェアアプライアンス提供について Novell と提携
- IBM DB2 は非常に歴史のあるデータベースエンジンで、今でも企業のビジネスを支えています。今回、Novell の SUSE Studio で DB2 組み込み済のテンプレート追加および、SUSE Gallary での SLE アプラインス配布が決まったとのこと。お仕事で DB2 をお使いの方には朗報ですね!
レビュー/エッセイ
Linux.com/Jennifer Cloer: 専門家に聞こう: コミュニティに参加するためには
- Linux Foundation 主催の「専門家に聞こう (Ask the Experts)」シリーズ。専門家を招いたパネルディスカッション形式のコラムです。前回は「Linux で糧を得るには」でしたが、コメント欄でも大変議論が盛り上がったようです (この記事もぜひ!)。今回も LWN.net の Jon Corbet 他、豪華なゲストを迎えてのお届け。「オープンソースの開発に参加するのってなんか怖そう」というのは日本だけの感じではないようですが、専門家たちは「そんなことはない」とか。さてその理由は?
フィードバック / 交流 / 仲間に加わろう
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また、openSUSE Weekly News の編集/翻訳に興味をお持ちでしたら、 Weekly News チームのページをご参照のうえ、ご連絡ください。
Facebook には openSUSE Weekly News のコミュニティページ (英語)もあります。
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クレジット
- Sascha Manns (英語版編集長)
- Gertjan Lettink (『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstätter (『イベント & ミーティング』情報担当)
- Thomas Schraitle (英語版 DocBook 指導)
- Satoru Matsumoto (英語版編集室/日本語版チーム)
- Naruhiko Ogasawara (日本語版チーム)
- Ko Kazaana (日本語版チーム)
- Yuta Hanayama (日本語版チーム)
日本語以外の言語版について
openSUSE Weekly News には英語版及び日本語以外の言語バージョンもあります。現在購読可能な言語版については こちらをご覧ください。
免責事項
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