openSUSE Weekly News/138
openSUSE Weekly News 日本語版 第138号 今週の見出し
編集部より
- openSUSE ウィークリー・ニュースの第138号をお届けします。
- 今週号も openSUSE 関連の情報満載でお届けできることを幸せに思っています。ちょっとさわりをご紹介しますと…。
- 最も注目すべきトピックは、評議会 (Board) 選挙のルールをどうするか、話し合いが始まったということです。更に、Akonadi 関連の興味深い記事あり、Mono チームからの新情報もあります…。
- さて、それでは今週号も楽しく読んでいってください。
更新状況
評議会 (Board)
Andreas Jaeger: 評議会 (Board) 選挙ルールの改訂について
- "昨年行った openSUSE 評議会 (Board) 選挙では、選挙ルールがまだ完璧なものにはなっていないということが明らかになりました。なので、今年の選挙を開始する前に、ルールの改訂を提案したいと思います。このポストを皮切りに、どうやって変えていくかを話し合っていきましょう。
- 私が見る限りでは、以下のようなケースについての決まりがありません:
- * それぞれのカテゴリ (Novell/Novell 外) で候補者数が定員を下回った場合
- * (Novell/Novell 外それぞれで) 改選数と候補者数が同じだった場合
- * 評議会 (Board) メンバーの再選について
- * 評議会 (Board) メンバーが欠員となった場合、また、その務めを継続することができなくなった場合の措置
- * 評議会 (Board) メンバーが Novell に雇用された場合、もしくは Novell を離れた場合の措置
- また、選挙後どの時点で新たな評議会 (Board) として始動するのかについてもはっきりさせておく必要があります。"
ディストリビューション
来週の予定
- "2010年9月2日: openSUSE 11.4 マイルストーン 2 リリース:
- 目標: 特に検討課題を設定しないスナップショットリリース。いくつかキーとなるコンポーネントが組み込まれた際にリリースしていく。"
メンテナンスアップデート
- * openSUSE-RU-2010:0531-1 (推奨度: 低): NetworkManager: NFS 再起動のコールを削除
- * openSUSE-RU-2010:0530-1 (推奨度: 中): inputattach: init スクリプトにおけるシンタックスエラーを修正
- * openSUSE-RU-2010:0535-1 (推奨度: 中): mount.cifs: (documented, preferred) credentials オプションがサポートされていないように見えた問題をこのアップデートで修正
- * openSUSE-RU-2010:0534-1 (推奨度: 高): cpio: 存在しないパターンファイルがあるとクラッシュしていたのをこのアップデートで修正
- * openSUSE-RU-2010:0533-1 (推奨度: 低): smpppd: ダイアルアップ以外のインターフェイスを制御できるように
- * openSUSE-RU-2010:0545-1 (推奨度: 高): lxdm: lxdm 関連のまとめアップデート
- * openSUSE-RU-2010:0548-1 (推奨度: 低): pstoedit: Inkscape から呼び出されると pstoedit がクラッシュしていたのをこのアップデートで修正
- * openSUSE-RU-2010:0555-1 (推奨度: 低): ivman: hal のイベントを受け取っていなかったのを修正 (openSUSE 11.2)
- * openSUSE-RU-2010:0554-1 (推奨度: 低): ivman: hal のイベントを受け取っていなかったのを修正 (openSUSE 11.3)
Bugzilla
今週の openSUSE プロジェクト関連の登録数は以下の通りです:
- オープンな報告の総数: 5297 (+44)
- Blocker(最重要課題): 3 (+0)
- Critical(緊急): 338 (+11)
- Major(重要): 994 (+11)
- Normal(普通): 2965 (+16)
- Minor(影響度の小さい問題) 444 (+6)
- Enhancements(機能強化の要望): 553 (+0)
参照リンク:
チームレポート
ビルド・サービス・チーム
Martin Mohring: OBS 2.1: QEMU による PowerPC 及び MIPS サポート状況
- "OBS での ARM サポートが日に日に信頼に足るものとなってきている中、QEMU を使っての PowerPC 及び MIPS 向けビルドの現状について報告しておきたいと思います。これらについても ARM 同様実装が済んでいて、(ARM でやっているのと同じように、x86 ベースのクロスコンパイラの速度を上げるために) QEMU のユーザモードを使っています。
- まず最初に知っておいていただきたいのは、PowerPC ネイティブでのビルドはもうずっと前から (3年以上前から) できていたということです。初期の時点では、OBS では Xen 仮想化のみしか使えませんでしたが、Xen は PowerPC のハードウェア上では動かないのです。先日、1.8 のリリースで OBS にも KVM の自動設定が追加されたのですが、KVM であれば PowerPC のマシン上でも動いてくれます。ですから、現時点では仮想マシンによるサポートでフル機能が使える PowerPC のネイティブなビルドもできるようになっているのです。"
ビルド・チーム・ミーティング
- ミーティング議事録
ビルド・サービス統計情報
- プロジェクト数: 14665 (+96)
- パッケージ数: 98471 (+445)
- リポジトリ数: 23907 (+126)
- ユーザ数: 24478 (+98)
- ( ) 内の数字は対前週比の増減を示しています。
KDE チーム
Sebastian Kügler: Akonadi の謎を解き明かす
- "「Akonadi」というちょっと耳慣れない名前が指しているのは、伝承上の人物でもあり、KDE プラットフォームの情報集約フレームワークでもあります。この記事では、どのように Akonadi がパフォーマンスと統合性を改善していこうとしているのか、そしてどのように KDE アプリケーションとの連携が図られようとしているのかといったことについて、いくつかの謎を解き明かしていきたいと思います。また、この技術がどのように機能しているのか、また、この新しい PIM フレームワークでどんなことができるようになるのか、私の考えも披露していきたいと思います。
- たくさんの方から Akonadi ベースの新しい Kontact グループウェアスイートは現状どうなっているのかという質問をいただいています。私は PIM のハッカーたちとも近しいところで作業してきていますので、読者の皆さんに、現在進行中のことやこれから期待できることについての情報をお伝えしたいと思います。この記事の中では、移植版の例としてしばしば Kmail を取り上げることになると思いますが、Kontact スイートを構成する他の PIM アプリケーションについても同様のことが言えるでしょう。"
Mono チーム
Stephen Shaw: Mono Accessibility 2.1 リリース
- "最初の 2.x シリーズアップデートを今週リリースしました。このリリースでは 127 個のバグが修正されています。
- この何ヶ月かというもの、at-spi2 をよりよくすることに十分関心が寄せられました。ご存知ない方のために一言で解説すると、at-spi2 とは次世代の「補助技術サービスプロバイダーインタフェース」 (Assistive Technology Service Provider Interface) です。新しい at-spi2 は corba と bonobo を gnome スタックから取り除くことを目指し、dbus を採用しています。"
Mario Carrion: Mono Accessibility 2.1
- "この間の火曜日、Mono Accessibility 2.1 を提供しました。このリリースのために本当に懸命に働きました。私たちの主な目標は、他のこともそうですが、at-sp2 との通信に磨きをかけ、Moonlight のアクセシビリティと、カスタムなクライアントサイドのプロバイダの扱いをより良くすることでした。すべてのコントリビュータのこの目的に向けた素晴らしい働きにより、このリリースでは目的を達成することができたのです。"
openFATE チーム
#310402: コニカミノルタ magicolor 2490MF (及び他の) プリンタドライバー
- "コニカミノルタ の magicolor プリンタの数機種 (例えば 2490 MF) 用に使える foo2lava プリンタドライバは結構前から存在しているのですが、SUSE ディストリビューションには標準では組み込まれていません。このドライバをディストリビューション標準で同梱できたらいいのではないかと思います。"
#310403: DLNA クライアント / サービスの統合
- "家庭内で使われている多くのデバイスやコンピュータは、メディアの再生や配信のために DLNA (訳注: Digital Living Network Alliance Wikipedia の項 などを参照してください) サーバやクライアント機能を提供できるようになっています。以下、2点ばかり提案したいと思います: (...)"
#310405: YaST2 の Wagon を完全にグラフィカルなものにアップグレードすべきです
- "新しいリリースにアップグレードするのに使える YaST2 Wagon があるってことがとても気に入ってます。これを使えば "zypper dup" コマンドでできるのと同じことを、よくできた GUI インターフェイスでやってしまえるのです。 (...)"
#310406: 初期状態で sudo から /sbin と /usr/sbin にアクセスできるように
- "現状では、一般ユーザのパスには /sbin と /usr/sbin が含まれていません。なので、'sudo' を使って sbin 以下にある管理ツールを使おうとすると失敗してしまいます。 (...)"
#310410: libjpeg-turbo への切り替えを検討しましょう
libjpeg-turbo は、オリジナルの libjpeg プロジェクトからフォークしたものです。パフォーマンス関連の様々な機能強化が盛り込まれていて、MMX/SSE 命令セットを使うプラットフォーム上ではオリジナルの libjpeg を使うのと比較して少なくとも2倍の速さで JPEG 圧縮/伸長を行うことができます。またオリジナルの libjpeg と同じ API/ABI が使え、SSE ではないプラットフォームでも走らせることができて、約25%速くなります。 http://sourceforge.net/projects/libjpeg-turbo
- このライブラリを評価してみて、パフォーマンス改善のために libjpeg と置き換えることができるものかどうか検討してみるべきだと思います。"
#310431: 新規にユーザを作成したら自動的にそのユーザに対応したグループも作成するようにしましょう
- "YaST のユーザ管理で新規ユーザを追加する時のダイアログに、そのユーザに対応した新しいプライベートグループを作成できるようなオプションを追加しましょう。そのグループ名はユーザ名と同じにしておくのです。 (...)"
#310433: apt-url のサポート
- "実際のところ、多くのウェブサイトや記事 (それらは必ずしも Ubuntu のチュートリアルというわけではない) を見てみると、ソフトウェアのインストールに apt-url 機能を使うという解説が目につきます。openSUSE でもこの機能に相当する独自のソリューションを実装できたらいいと思うのです。 (...)"
#310442: 新たな .desktop の機能
- "デスクトップソフトウェアを使い易くするために、desktop ファイルには多くの情報を盛り込んでおくべきです。
- 改善すべき点の第一は、他の desktop ファイルとの連携です。つまり、.desktop ファイルは使ったり表示されたりしたら自動的に状態をアップデートするようにしておくべきだ、ということです。
- 第二は、壊れている desktop ファイルの自動削除です。"
#310443: openSUSE の preload の改善
- "preload チームは現在いろいろと preload の改善に取り組んでいるのですが、openSUSE ディストリビューション内ではそのほとんどがまだ完了していません。改善内容はバグフィックスやハードウェア使用可能性や UI の変更などです。
- 目標: preload 関連の改善を次の openSUSE リリースには全部取り込む。"
統計情報
- openSUSE 11.4 に向けての機能追加リクエストの統計は以下の通りです。
- 総数: 185 (+15)
- 未確認 (Unconfirmed): 171 (+13)
- 新規 (New): 6 (+0)
- 評価中 (Evaluation): 6 (+0)
- 候補 (Candidate): 0 (+0)
- 完了 (Done): 1 (+1)
- 不採用 (Rejected): 0 (+0)
- 重複 (Duplicate): 1 (+1)
翻訳 (Translation) チーム
コミュニティ内での出来事
Sirko Kemter: FrOSCon 2010
- "先週末 FrOSCon が開催されたのですが、openSUSE も参加して素晴らしいプレゼンをしてきました。今回が第5回となる FrOSCon ですが、私は第2回から参加しています。FrOSCon はどちらかといえば開発者指向のイベントですので、openSUSE をプレゼンするためには簡単なブースを展開するのが一番いい方法でしょう。FrOSCon では、そこで自分たちのプログラムを組むことができるプロジェクトルームなるものを使わせてもらうことができるようになっています。PHP、 Django、Perl、Geany などといったプロジェクトがこのプロジェクトルームを利用しました。LinuxTag の後、私は Henne に「我々も開発ルームを準備しよう」と進言していました。そうすればそこでやりたいことができるし、そこでやることの準備だけすれば済むのだから、と。"
Will Stephenson: FrOSCon 2日目の openSUSE Boosters
- "ニュルンベルクの我が家に戻ってきました - 日曜日は Elgg とそのプラグインをハックして openSUSE コミュニティのソーシャル面をケアするユーザサイトに合わせていくことに費やした長い一日でした。
- 私たちの「ハック道場」は、爽やかな8月の空気のもと開かれる FrOSCon の土曜の夜恒例のパーティーで気持ちが緩みきってしまった後で取り組むにはちょっとばかりハードでしたが、お遊び気分を封印して、基礎固めをし、その週末の目標を達成しました。ユーザデータにメンバーシップ状態や IRC クロークなどといった openSUSE 特有のフィールドを含めるようにしたり、情報収集用に投票プラグインを拡張したり、我らが万能 Bento を Elgg 用のテーマにしたり、openSUSE の世界で次にどんなことが予定されているのかみんなで情報を共有できるようにイベントをカレンダー化したり、あなたが行ったパッケージングやバグ報告などの成果を世に知らしめることができるようにする、などという作業をする必要がありました。"
Nelson Marques: マーケティングのコンセプトと openSUSE カンファレンス 2010
- "親愛なる openSUSE 貢献者及び愛好家の皆さん、フリーソフトウェア開発にとってマーケティングは重要だと思いますか? openSUSE カンファレンス 2010 で私はコミュニティの皆さんとこの答えを探り、openSUSE コミュニティ独自のマーケティングを形成することができたらいいな、と考えています。私はこいったことを話し合うのは非常に役に立ち、重要なことだと信じていて、それは私のささやかなプレゼンテーションに皆さんが協力してくれたり参加してくれることによってはじめて達成できることだと思っています。
- 私のプレゼンがターゲットにするのは「マーケティングのコンセプトと FOSS 開発」で、その目標は、トレード、価値、利用者、プロセスなどといったマーケティングに欠かせない個々の小さなコンセプトのセットを元にして openSUSE コミュニティが独自のマーケティングコンセプトを固めていくことにあります。"
ようこそ、新 Member
- 皆さんに新たな openSUSE メンバー(Member) をご紹介します:
- * Christophe Hoenen (oeilvert) 積極的なフォーラムへの投稿により承認。
- * Kyrill Detinov (Lazy_Kent) Bugzilla、メーリングリスト、ビルド・サービスへの非常に積極的な関与により承認。
- * Sebastian Kügler (vizzzion) アクティブな openSUSE KDE 開発者。メーリングリストや Bugzilla にも積極的に関与。
- * Christian Wittmer (computersalat) ビルド・サービスでの積極的なパッケージングにより承認。
イベント & ミーティング
終了分:
- 2010年8月21日-22日: FrOSCon (ドイツ/ザンクト・アウグスティン; http://www.froscon.de/ )
- 2010年8月24日: openSUSE Marketing チーム・ミーティング
- 2010年8月25日: openSUSE 評議会 (Board) ミーティング
近日開催:
- 2010年8月31日-9月1日: LinuxCon Brasil 2010 (ブラジル/サンパウロ)
- 2010年9月1日: ドイツ語 Wiki チーム・ミーティング
- 2010年9月2日: openSUSE KDE チーム・ミーティング
- 2010年9月7日: VOLDAY 2 (ブラジル/サンパウロ)
- その他のイベント情報については以下をご覧ください:
耳で聞く openSUSE
- openSUSE ウィークリー・ニュースのドイツ語版をライブ・ストリームまたはポッドキャストで聴取することができす。http://blog.radiotux.de/podcast より聴取またはダウンロードしてください。
交流
- メーリングリスト登録者数: 37674 (-8)
- openSUSE フォーラム]登録者数: 49631 (+252)
- 最大同時オンライン数は 30559 名で、2010年1月8日 13:06 のことでした。
- ( ) 内の数字は対前週比の増減を示しています。
貢献者
- ユーザ名簿に登録している 12550 (+40) 名のうち、4947 (+18) 名が基本方針(Guiding Principles)の支持を表明しています。評議会(Board)は、436 (+5) 名のメンバー(Member)を承認しています。
新規/更新アプリケーション @ openSUSE
Packman: imagination 2.1.1
- "Imagination は C で書かれ GTK+2 ツールキットで作られた、軽量でシンプルな DVD スライドショウメーカーです。Linux にはユーザフレンドリな DVD スライドショウメーカがないことが気になっていたので、imagination の開発を始めました。ええ、同じような仕事をこなしてくれる他の GUI ツールキットがあることは分かりますが、そういうのには最初にインストールするときにたくさんの依存関係がついているのが嫌だったんです。Imagination は最初から素早く、軽快に、簡単に使えるように設計されました。動画ファイルを扱うため「だけに」ffmpeg を用います - DVD を焼く機能はありません、それは他のアプリケーションでやってください。他のサードパーティソフトウェアは要りません。私は KISS (Keep It Simple Stupid) の原則が好きなんです :)。
- Imagination は最初に読み込まれるプラグインによって 26 種類の画面切り換え効果が提供されます。FLV フォーマットへのスライドショウの書き出しもサポートされています。音楽と Ken Burns エフェクトの機能はまだありませんが、次のリリースに入れる予定です。"
OMG!SUSE! チーム:写真家大喜び! digiKam 1.4 登場
- "プロ向け写真管理アプリ digiKam のバージョン 1.4.0 が登場し、いくつかのクラッシュバグを含むフィルム一巻分 (原注:写真ネタのシャレは得意じゃないんです) ものバグを修正しました (完全版の changelog).
- 余り詳しくない方のために説明すると、digiKam は KDE の自動写真管理アプリケーション (でも GNOME でも使えますよ!)で、すごく簡単に写真を取り込んで管理できるのです。"
セキュリティアップデート
完全版のセキュリティ報告が読みたい場合、あるいは報告がリリースされたらできるだけ早く報せを受け取りたい場合は openSUSE セキュリティ・アナウンスメーリングリストを参照してください。
SUSE セキュリティ要約レポート: SUSE-SR:2010:016
- 報告 ID: SUSE-SR:2010:016
- 日付: 2010年8月26日(木) 11:00:00 +0000
- クロスリファレンス: CVE-2010-0211, CVE-2010-0212, CVE-2010-1168
- CVE-2010-1447, CVE-2010-1507, CVE-2010-1797
- CVE-2010-2497, CVE-2010-2498, CVE-2010-2499
- CVE-2010-2500, CVE-2010-2519, CVE-2010-2520
- CVE-2010-2527, CVE-2010-2541, CVE-2010-2548
- CVE-2010-2576, CVE-2010-2783, CVE-2010-2805
- CVE-2010-2806, CVE-2010-2807, CVE-2010-2808
- CVE-2010-3019, CVE-2010-3020, CVE-2010-3021
- その他のセキュリティアップデート
- * openSUSE-SU-2010:0430-4 (影響度: 重要): MozillaThunderbird: 3.0.6 セキュリティリリースにアップデート
- * openSUSE-SU-2010:0540-1 (影響度: 重要): opera: バージョン 10.61 で様々な脆弱性の修正
- * openSUSE-SU-2010:0546-1 (影響度: 中): openldap2: MODRDN DoS、レプリケーションの一貫性破損、\0 文字を利用した DoS などを修正 (openSUSE 11.2)
- * openSUSE-SU-2010:0547-1 (影響度: 中): openldap2: MODRDN DoS、レプリケーションの一貫性破損、\0 文字を利用した DoS などを修正 (openSUSE 11.1)
- * openSUSE-SU-2010:0549-1 (影響度: 深刻): freetype2: 様々なバグに対応したセキュリティアップデート
- * openSUSE-SU-2010:0553-1 (影響度: 中): java-1_6_0-openjdk のセキュリティアップデート
カーネルレビュー
h-online/Thorsten Leemhuis: Kernel Log: 新しい X サーバー、Radeon 5000 用の 3D ドライバー、新しい安定版カーネル
- "新しいカーネルバージョンはマイナーなバグ修正だけでしたが、X.org の次世代 X サーバーは幅広い進化をもたらしています。AMD の開発者からのたくさんのコード片によって X.org の Radeon GPU 用のオープンソースドライバでは Radeon シリーズ 5000 グラフィックスカードで 2D と 3D のアクセラレーション機能が使えるようになったのです。"
Rares Aioanei: openSUSE カーネルレビュー
- "やあみんな、そして openSUSE スタイルでお届けする今週のカーネルニュースへようこそ!
- - まずは Ryusuke Konishi の nilfs2 についての pull リクエストから。「これは nilfs で放置されていた同期の失敗を修正するものです」。それからほかの口切りのニュースとして、Pekka Enberg もまた slab tree (-rc2) への pull リクエストを出していたことと、Avi Kivity が kvm の -rc1 向け git ツリーにいくつかのリグレッションバグの修正を入れ込んでいたことだね。 (...)"
Linus Torvalds: Linux 2.6.36-rc2
- "新たな週が来て、新たな -rc が出る。-rc1 をリリースしたときは本当にアナウンスしている余裕がなかったのと、直すための時間が取れなかった些細な問題 (例えばあちこちで変な問題を引き起こした、HID レイヤでのメモリ破損とかね) が残っていたもんで、リリース通知を出さないままだったんだ。-rc2 ではこれまでに指摘されていた問題がうまく修正できてることを期待してる。"
Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)
デスクトップユーザ向け
makeuseof.com/Justin Pot: BleachBit – Linux システムを掃除するユーティリティー
- "誰もが知っていることですが、多くのプログラムは、意味はあるけれど、使い道のないごみのようなものでハードディスクを埋めてしまいます。ブラウザのキャッシュや、インストール時に残されたログなど、コンピュータの中は不要な情報で溢れてしまっています。
- Windows ユーザーであれば CCleaner を使えばこの問題を解決できてしまいます。このプログラムはドライブからつまらないごみファイルを体系的に取り除き、コンピュータをより高速 にします。それでは、Linux マシンをきれいに掃除したいと思った Linux ユーザーはどうしたらよいでしょう。openSUSE であれば、我々のリポジトリ から bleachbit をインストールすることができます。
コマンド/スクリプト初心者向け
Linux Journal/LJ Staff: ごく簡単な tar の使い方
- "Linux システムでファイルをパッケージ化する最も一般的なプログラムとして、由緒ある tar があります。tar は Tape Archive の略語で、元々はファイルをテープデバイス向けに圧縮するツールでした。現在は、アーカイブを一つのファイルとして作成するという用途で使うことが多いのではないでしょうか。tar ファイルを使うとき、コマンドラインオプションの -f でファイル名を指定します。新しい tar ファイルを作成する場合は、コマンドラインオプション -c を使います。tar ファイルを展開する場合は、-x オプションを使います。また、2つのメソッドを用いて、tar ファイルへ圧縮する手段もあります。bzip2 を使う場合は -j オプション、gzip を使う場合は、-z オプションを用います。 (...)"
ServerWatch/Juliet Kemp: Bash の シングルクォート vs ダブルクォート
- "Bash では、シングルクォートにすべきか、ダブルクォートにすべきかは、あなたがどんなことをしたいかによって変わってくるため、使うときに注意しておかないと、その違いで思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。今回は、これらのそれぞれの役割は何なのか、どのような場合に使うのか、ちょっとした要約を紹介します。(...)"
開発者/プログラマ向け
IBM developerWorks/Wei Dong Xie: POSIX スレッドプログラミングでメモリリークを防止
- "POSIX スレッドプログラミングは、C 言語プログラミングの型、関数、定数といった基本的なセットを定義しており、pthread はスレッド管理に必要な強力なツールを提供しています。pthread を十分に生かすために、ありがちなミスを避けたいと思うことでしょう。よくある失敗の一つとしては、合流可能 (joinable) なスレッドに合流 (join) するのを忘れることで、それによってメモリリークを引き起こし、余計な仕事が増えてしまうというものがあります。このコツ指向の記事で、POSIX スレッドの基礎を学び、どのようにスレッドのメモリリークを確認し発見していくか、また、メモリリークを避ける手段を確実に理解していきましょう。"
システム管理者向け
Jared Ottley: Alfresco: パーミッションを変更する Web スクリプト
- "2~3ヶ月前、お客様から Alfresco リポジトリのコンテンツ/スペースのパーミッションを修正できるような Web スクリプトを書いてもらえないかとの依頼を受けたのですが、ようやくテストに時間が割けるようになったので、この件について書いてみることにします。
- Web スクリプトの通常処理についてはあっという間に書くことができました。JavaScript の例外処理(より時間を費やしてしまったのですが)については、特に楽しい作業でした。本当に楽しかったです! Alfresco のどのバージョンを使用しているかによって、例外処理の方法も若干異なってきます。お客様が使用しているバージョンは Enterprise 3.1 だったのですが、もっと新しい Alfresco のバージョンでもちゃんと使えるかどうか確認しておきたいと思いました。これから出回ってくるであろう Enterprise 3.2.1 や Community 3.3 では、例外処理がシンプルになります。今回は例外処理について、次回はバージョンごとの違いについて紹介します。まずは、新しい Web スクリプトについて語っていきましょう!"
IBM developerWorks/Ian Shields:LPI 101 対策: ファイルシステムの整合性を維持する方法
- "Linux ファイルシステムの整合性をチェックする方法、ファイルシステム内の空き領域を調査する方法、ちょっとした問題を解決をする方法を学んでいきましょう。今回の話題は、Linux システム・アドミニストレーターとしてのスキルを証明するのに役立つ LPI 101 の勉強にもなり、ファイルシステムをチェックしてよい状態を保つ方法、または、システムがクラッシュした、電源が落ちた後などの対策としても役に立ちます。"
Planet SUSE
Wolfgang Rosenauer: テスター募集:KDE での (そして一般的な) Firefox 4.0b4 について
- "あなたが勇気に溢れているなら、mozilla:beta リポジトリから Firefox 4.0b4 をどうぞご自由にアップデートしてください。このアップデートは既存のバージョンと並列にはインストールされず、すでにインストールされている Firefox パッケージを置き換えてしまうのです。いつものように、プロファイルのバックアップをあらかじめとっておきさえすれば、元のバージョンに戻すのはなんの造作もありません。
- 最新版のパッケージには私たちが FF3.x に入れた KDE 統合パッチが含まれていますが、ちゃんとテストされたとはいえません。もしあなたが KDE をお使いで、この機能をためしてみたいなら、ぜひ見つけた問題を Novell の Bugzilla でご報告ください。"
Holger Hetterich: SMBTA 文書化進む
- "現在私たちは smbtad と smbtatools の最初のリリースに向けて準備を進めている真っ最中なのですが、この間に「SMB トラフィックアナライザーガイド (SMB Traffic Analyzer Guide)」をリリースしてしまいました。これは本当に最初のバージョンです。このガイドは SMB トラフィックアナライザーのすべてのコンポーネントの完全なドキュメントとなることを目指しています。最初のバージョンに問題があることは承知していますが、SMBTA ガイドを改善していく努力を続けていくつもりです。ですから文句をおっしゃる前に、まず座って、休息をお取りになって、これがまだ作業中だということを思い出して欲しいのです。"
LenZ Grimmer: OpenSQL キャンプ・ヨーロッパと FrOSCon:総括
- "OpenSQL キャンプと FrOSCon が終わってからもう一週間ほど経ってしまいましたので、簡単なまとめを書くときかと思います。私は月曜の朝に帰路について火曜日は休暇としたので、やらなきゃいけないことが山のようにたまっていたんです...
- 例年のように、FrOSCon はまたもや素晴らしかった! 締めのキーノートによれば、ほぼ 1,500 人 (実人数で) が訪れ、とても素晴らしいときを過ごしました。さまざまなオープンソースコミュニティにおける古顔も新顔もすべてが集まったミーティングは実に楽しかったです。スピーカーのラインナップも最高で、Jon "maddog" Hall の「開発の世界におけるフリーでオープンソースなソフトウェア (Free and Open Source Software in the Developing World)」と題したキーノートは実に実に洞察に優れ、刺激的なものでした。"
Thomas Biege: SAD 0: オープンソース界で安全な開発
- "SAD とはどんな意味でしょうか? あとではっきりさせるので、今のところは気にしないでください...悲しまないでね (don't *sad* about it).
- ここ何年か、いくつかの巨大ソフトウェア企業、例えばマイクロソフト (2002) または Cisco (2010) は彼らのソフトウェア開発プロセスを、プロダクトの膨大な脆弱性に的をしぼったものに変更しはじめました。MS はこの戦略がうまくいったようで、さまざまなグラフ、数値、記事がそれを裏付けています。「でもオープンソースの世界では、Linux ディストリビューションの世界では、どうしてるんだろう?」 と疑問に思われるのではないでしょうか。少しばかり明かりを灯してみましょうか。"
Mike McCallister: 一日が30時間にならないかな? Linux プロジェクト管理ツールを求めて
- "ぼくの人生はシンプルに生きていくにはあまりにも複雑になりつつあります。秋が来て、重なり合った予定同士をどうにかしなきゃいけなくなりました。以下のようなことを考えてください:(...)"
openSUSE フォーラム
openSUSE にも安定版 (LTS = Long Term Support) があればもっと使ってもらえる?
- "ここでは、 openSUSE のリリーススケジュールとライフサイクルを中心に、アプリケーションのアップデートについての話も加わった興味深い討論が展開されています。"
GRUB の問題
- "一つ二つではなく、三つの問題が同時に起こってしまいました。GRUB の使い方に混乱した時にありがちなんですが、ここでもあるユーザが、再インストールした方がいいかどうかの別れ道にたってしまいました。情報が整理されていなかった時点のことならいざしらず、今なら再インストールせずに問題解決する手助けをしてあげることもできるのではないでしょうか。とはいえ、11.1 を使っているのであれば、何はともあれアップグレードした方が良さそうだと思うのではないでしょうか。"
Firefox が開くんだけれど、どこかへ行ってしまいます
- "どうも少々混乱した質問、あるいは説明のしかたが変だったということなのかもしれませんが、最終的にはなんとか解決にこぎつけました。また一人お客さんに満足感を提供できたようです。"
DVD のトレーが2度目には開いてくれない!
- "果たしてこの問題の真相に辿り着くことはできるでしょうか。最初はドライブがおかしくなってきているだけなんじゃないかと考えていたんですが、よくよく見ていくと、どうも何か (のプロセス) がドライブを掴んで離さなくなってしまっているのではないかと思えてきました。"
Web 上の記事から
お知らせ
PlanetQT/Henry Haverinen: Qt 4.7 リリース候補版と Qt Quick
- "多くのみなさんがすでにご承知のとおり、ほんのちょっと前に Qt 4.7 リリース候補版 (RC) をリリースしました。Qt 4.7 はパフォーマンスと Qt Quick の追加というとても大きな一歩を踏み出していますので、Qt 4.7 で Qt アプリケーションを動かすと、それまでに比べ高速かつなめらかになっているのをご覧になれるでしょう。
- Qt 4.7 のリリースには Qt Quick が含まれていますので、なめらかで、アニメーション機能を持ったアプリケーションと UI を作ることができるこの強力な機能にすぐにアクセスできます。Qt Quick は三つの部分からできています。(1) QML 言語、(2) Qt フレームワークの QtDeclarative モジュール、(3) Qt Creator の Qt Quick ツールコンポーネント"
- 訳注:Qt Quick についてはこちらの連載が参考になると思います。
レポート
linux.com/Jack Wallen: KDE と openSUSE について Jos Poortvliet との対話
- "先日、喜ばしいことに openSUSE コミュニティマネージャに新たに就任し、以前は KDE マーケティング部門を率いていた、Jos Poortvliet と、KDE 4.5 がリリースされたことによるユーザの目に見える変化についてチャットする機会を得ました。私たちは KDE 4.5 における変化について10個の質問をし、また乗り越えなければならない問題はなにか、KDE の未来はどのようになるのか — そして彼が openSUSE についてどう思っているのかを尋ねました。
- Jos Poortvliet は8月初旬、openSUSE コミュニティマネージャとして Novell に雇用されました。その前は国際的な KDE コミュニティのマーケティングチームを率いてボランティアとして活発に活躍していました。リリースについてのよしなしごとを調停して貢献もし、マーケティングに必要なものを作り、カンファレンスを訪れたり開催したりし、報道関係者との関係を保守しました。「本当の」人生では彼はロイヤルバンク・オブ・スコットランド、オランダ教育省、オランダの著名な電話会社 KPN などの企業向けのビジネスコンサルタントを務めて来ました。"
LinuxJournal/Doug Roberts: Linux マーケットシェア
- "毎日の普通の日の中で、ときどきちょっと休憩をとってニュースをチェックします。お気に入りのニュースサイトは Slashdot、Linux Journal、Linux Today です。しばしばこれらのニュースは記事のネタを与えてくれます。ときにはまさに書こうとしていたことをずばり扱っている記事をみつけたりもします。今日の記事もそういうもので、たまたまとてもよくまとまっていた、Linux Today で参照されていたこの Royal Pingdom のブログに行きあたったんです。このブログはデスクトップ Linux が 1% のシェアの壁を突破できないことについて述べており、読んだあと少しばかり落ち込んだことを告白します。しかしそれはそれとしてこの件についてちょっとした意見を述べておこうと思います。"
Linux Journal/Susan Linton: 二つのディストリビューションに、誕生日おめでとう!
- "Linux コミュニティは最近二つの誕生日を祝いました。Debian GNU/Linux は 8 月 16 日に 17 歳を迎え、openSUSE が最高のデスクトップ Linux を提供するようになってから 5 年が経ちました。"
LinuxTrends.com: Linux ディストリビューションの評判のトレンドをグラフ化してみました
- "さまざまな Linux ディストリビューションのここ何年かの人気の感覚をつかむために、その名前を Google の検索解析ツールに食わせて、結果のグラフのイメージを得ました。この結果はいくつか興味深いトレンドを示しており、また Linux の未来も予告していました。 (...)"
TechCrunch/MG Siegler: 発表から三週間でどこかにいってしまったオープンソースの Facebook 置き換えソフト Diaspora
- "Diaspora を覚えているでしょうか? 忘れていたとしても無理はありません。先の5月に、オープンソースの「Facebook に取って代わるもの」という過大な評価をたくさん受けてから、彼らは静かになってしまったのです。実際、7月の頭から、進捗をまったく発表していません。しかし本日、彼らは最新情報を引っ提げて再登場しました。注目すべきは、彼ら曰く「やっと納得がいくように Diaspora を動かすことができるようになりましたので、9月15日にオープンソースとして公開します」という点。たったの三週間後です。"
警告!
Hacking Truths/rafay: リモートファイルインクルージョンを使って Web サイトをハックする
- "リモートファイルインクルージョンは、基本的には Web アプリケーションで発見されるとても一般的な脆弱性の一つです。この種の脆弱性は「ハッカー」または攻撃者が Web サーバーにリモートのファイルを追加させることができてしまうものです。もし攻撃に成功したら、攻撃者はウェブサーバへのアクセスが容易になり、そのため、サーバ上でどんなコマンドも実行可能になってしまうのです。 (...)"
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クレジット
- Sascha Manns (編集長)
- Sebastian Schöbinger (『Tips and Tricks(ヒントや「使える」小技集)』セクション担当)
- Satoru Matsumoto (編集室、日本語翻訳ページ作成)
- Carl Fletcher (英語版ニュースレター担当、『openSUSE フォーラム』担当)
- Thomas Hofstätter (イベント & ミーティング情報担当)
- Naruhiko Ogasawara(日本語翻訳)
- Ko Kazaana(日本語翻訳)
- Masahiko Hashimoto(日本語翻訳)
翻訳版(Translations)
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