Portal:15.5/Features
openSUSE Leap 15.5 は...
概要だけでは短すぎますか? さらに詳しい変更予定については、 Features_15.5 をお読みください。
以前のバージョンの openSUSE Leap では SUSE Linux Enterprise とのソースコードの共有が行なわれてきましたが、 さまざまなビルド設定 を行なうことによって提供される機能が変わってしまい、異なるディストリビューションであるかのような見た目になってしまっていました。今回の openSUSE Leap リリースでは、ソースコードだけでなく機能セットさえも共有されるようになり、 SUSE Linux Enterprise 15 SP5 のバイナリパッケージをベースにして作られるようになっています。つまり、 openSUSE Leap 15.5 と SUSE Linux Enterprise 15 SP5 が同一のバイナリとなるようになっています。
Leap 15.5 でも、人工知能 (AI) 関連の多数のパッケージが提供されています。
PyTorch: サーバやコンピューティングリソース向けの仕組みで、この機械学習ライブラリはプロジェクトの原型作成から本番環境への配置まで、さまざまな支援機能を提供します。
ONNX: 機械学習モデルを表現するためのオープンな書式で、 AI ツールスペース内での相互運用性を提供します。 AI の開発者に対してさまざまなフレームワークやツール、ランタイムやコンパイラなどを利用できるようにします。
ユーザ向け
Plasma 5.27 LTS は KDE Plasma チームが公開する長期サポート (LTS) 版です。 Leap 15.5 にはこの LTS 版が含まれています。 Plasma 5.27 では様々な改善が図られています。 本リリースでは、新規ユーザ向けに Konqi の ようこそ ウイザードが追加され、オープンソースソフトウエアの紹介を行うようになりました。 機能という点では新しいタイル表示システムがあります。独自のタイル型配置を設定することで、隣接するタイル型ウインドウを同時にサイズ変更できるようになっています。こちらはシステム設定のワークスペース動作から、デスクトップ効果として設定してください。
- 日本語版注釈:
- Leap 15.5 インストール後、KDE で日本語の入力ができないというバグがあります。原因は日本語入力システムである ibus が Plasma で自動起動しないためです。
- 回避策はこちらをご覧ください。→ openSUSE Leap 15.5 で日本語入力ができないバグとその回避策
Leap 15.5 では GNOME 41 が提供されています。 GNOME 41 は GNOME プロジェクトの 6 ヶ月間の作業の成果で、数多くの改善や新機能のほか、小さいながらも数多くの拡張が行われています。 本リリースでもっとも気づきやすい変更は、 Software アプリや新しいマルチタスク設定、そして拡張された電源管理機能でしょう。これらの変更により、 GNOME は従来よりもさらに賢く柔軟で、より魅力的な体験を提供するものに仕上がっています。 この新しいリリースでは、開発者向けのドキュメンテーション Web サイトやヒューマンインターフェイスガイドラインの新版、そして Builder IDE や GTK 4 の拡張など、様々な開発者向けの改善も含まれています。
Leap 15.5 での Xfce デスクトップはバージョン 4.18 になっています。 Xfce 4.18 では新機能が追加されていて、ファイル名の入力のためのウイジェット (XfceFilenameInput) が新たに追加され、正しくないファイル名を早期に検出してエラーとするほか、よくある様々な問題に対してより細かいフィードバックを示すようになっています。また、汎用ショートカットエディタのウイジェットは、現時点では Thunar, Xfce4-terminal, Mousepad のそれぞれ内部でのみ使用されていますが、その他のコンポーネントについても今後使用するようになる予定です。
openSUSE Leap 15.5 には、タイリング Wayland コンポジタである Sway も含まれています。こちらは X11 向けのウインドウマネージャである i3 をそのまま置き換え、かついくつかの拡張を使用することができます。
Leap ディストリビューションでは健康管理や科学、研究や開発者コミュニティなどのパッケージを提供しています。たとえば GNU Health では医院内でのデータ運用支援のほか、患者のデータ収集などを支援しています。また QGIS では地理情報の作成から編集、可視化や分析、発行などの機能を提供しています。このほか Grafana と Prometheus は、分析のプロフェッショナルに対して新しい可能性を開く 2 種類のパッケージで、 Grafana はエンドユーザに対して対話的な視覚分析の機能を提供するものです。 Graphite, Elastic, Prometheus の機能豊富なデータモデリングパッケージにより、 openSUSE のユーザがデータをよりわかりやすく構築、計算、解読できるようになります。
本 openSUSE リリースでは Weblate を利用することで、 50 種類以上の言語に対応するようになっています。 openSUSE の Weblate インターフェイスでは誰にでも (専任の翻訳者からちょっとした参加者まで) 翻訳に参加できるようになっているほか、 openSUSE の翻訳を SUSE Enterprise Linux と共有するようにもなっていますので、コミュニティとエンタープライズの相互の対話を促進することができるようになっています。