Portal:15.3/Features
openSUSE Leap 15.3 とは...
概要だけでは短すぎますか? さらに詳しい変更予定については、 Features_15.3 をお読みください。
以前のバージョンの openSUSE Leap では SUSE Linux Enterprise とのソースコードの共有が行なわれてきましたが、 さまざまなビルド設定 を行なうことによって提供される機能が変わってしまい、異なるディストリビューションであるかのような見た目になってしまっていました。今回の openSUSE Leap リリースでは、ソースコードだけでなく機能セットさえも共有されるようになり、 SUSE Linux Enterprise 15 SP3 のバイナリパッケージをベースにして作られるようになっています。つまり、本リリースでようやく openSUSE Leap 15.3 と SUSE Linux Enterprise 15 SP3 が同一のバイナリとなるようになっています。このような同一性の進捗に関する詳細は、 こちら をお読みください。
Leap 15.3 でも、人工知能 (AI) 関連の多数のパッケージが提供されています。
Tensorflow: データサイエンティストが使用する深層学習向けのフレームワークで、数値計算やデータフローグラフの機能を提供しています。この柔軟な構造により、デスクトップやサーバ、モバイルデバイスなどで、コードを書き直すことなく自由に計算処理を配置できるようになります。
PyTorch: サーバやコンピューティングリソース向けの仕組みで、この機械学習ライブラリはプロジェクトの原型作成から本番環境への配置まで、さまざまな支援機能を提供します。
ONNX: 機械学習モデルを表現するためのオープンな書式で、 AI ツールスペース内での相互運用性を提供します。 AI の開発者に対してさまざまなフレームワークやツール、ランタイムやコンパイラなどを利用できるようにします。
ユーザ向け
Plasma 5.18 LTS は KDE Plasma チームが公開する 3 番目の長期リリース (LTS) 版です。 Leap 15.3 にはこの LTS 版が含まれています。 Plasma 5.18 では、通知をより明確に知る機能のほか、直感的な設定や外観の魅力性など、さまざまな機能が提供されています。 Plasma 5.18 は簡単で使いやすいものでありながら、仕事の生産性向上にも役に立つデスクトップ環境です。 学校や企業、組織の中などで Plasma への移行をお考えの場合、このバージョンは Plasma の中でも最も安定したバージョンであり、全ての新機能が搭載されたバージョンでもありますので、特にお勧めです。 Plasma 5.18 は仕事や遊び、そして自己表現に至るまで、さまざまな機能が追加されたフレンドリーなバージョンです。たとえば新しい絵文字セレクタは 2 つのキー入力だけで開くことができます。メタ (Windows) キーとピリオド (.) を押してみてください。あとは今の気持ちに最も近い絵文字を選んで、メールやソーシャルメディアの投稿、テキストメッセージングや端末内などに貼り付けることができます。 外観全体としても継続的に改善が図られています。 Plasma 5.18 では、クライアント側の装飾を利用した GTK アプリケーションもよりよくサポートするようになっています。これらのアプリケーションでは適切なシャドウやサイズ変更領域などが表示されるようになっています。 GTK のアプリケーションでは Plasma の設定を自動的に引き継ぐようになっていて、フォントやアイコン、マウスカーソルなどの調和が取れるようになっています。また Plasma ではさらに高速化が図られ、スクリプトは bash から C++ に変換されていて、同時並行で動作するようになっています。そのほか、公衆 WiFi ログインへのサポートも追加されています。 このほか視力低下を避けるため、新しいシステムトレイウイジェットでは夜間モードも提供しています。キーボードショートカットを設定することで、夜間モードや Do Not Disturb モードを切り替えることができます。詳しい変更点については こちら をお読みください。
Leap 15.3 では GNOME 3.34 (Thessaloniki) が提供されています。このバージョンでは多数の新機能のほか、バグ修正や性能向上など、さまざまな改善が図られています。 GNOME の中枢アプリケーションへの改善としては、新しいアイコンや Web 参照時のサンドボックス設定、 Music でのギャップレス再生や Terminal での双方向テキストへの対応、 Software での Featured Application の追加など、さまざまなものがあります。フォルダ管理として、ドラッグ&ドロップの操作でフォルダの作成や名前変更、削除などをアプリケーションオーバービューから行なうことができます。これによりアプリケーションの管理をより容易にし、オーバービューの表示をより分かりやすくする効果があります。オーバービューの外観も改善され、検索語句入力やログインパスワード入力、ウインドウの境界ハイライトなど、さまざまな改善が行なわれています。
Xfce デスクトップが Leap 15.3 のインストール時に選択できるようになっています。新しいアイコンやカラーパレット機能により、新しい外観になっています。アイコンは openSUSE Xfce チームの Geeko Maurizio Galli 氏による作品です。 GTK2 を使用しなくなっているほか、いくつかのシステムダイアログやアプリケーションで CSD タイトルバーを使用するようにもなっています。ウインドウマネージャにも多数の更新や改善が行なわれ、コンポジット表示や GLX などの領域にも改善が行なわれています。ディスプレイダイアログでは小数点以下の拡大率指定もできるようになりました。新しい "statustray" パネルに対するプラグインにより、 StatusNotifier と従来の Systray 項目の両方に対応しています。新機能に関する詳細や完全な一覧は、公式の Xfce 4.16 ツアー と 公式リリース告知 をお読みください。
openSUSE Leap 15.3 には、タイリング Wayland コンポジタである Sway も含まれています。こちらは X11 向けのウインドウマネージャである i3 をそのまま置き換えることができます。
Leap ディストリビューションでは健康管理や科学、研究や開発者コミュニティなどのパッケージを提供しています。たとえば GNU Health では医院内でのデータ運用支援のほか、患者のデータ収集などを支援しています。また QGIS では地理情報の作成から編集、可視化や分析、発行などの機能を提供しています。このほか Grafana と Prometheus は、分析のプロフェッショナルに対して新しい可能性を開く 2 種類のパッケージで、 Grafana はエンドユーザに対して対話的な視覚分析の機能を提供するものです。 Graphite, Elastic, Prometheus の機能豊富なデータモデリングパッケージにより、 openSUSE のユーザがデータをよりわかりやすく構築、計算、解読できるようになります。
本 openSUSE リリースでは Weblate を利用することで、 50 種類以上の言語に対応するようになっています。 openSUSE の Weblate インターフェイスでは誰にでも (専任の翻訳者からちょっとした参加者まで) 翻訳に参加できるようになっているほか、 openSUSE の翻訳を SUSE Enterprise Linux と共有するようにもなっていますので、コミュニティとエンタープライズの相互の対話を促進することができるようになっています。