リリースアナウンス 15.6

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Leap 15.6 がユーザへの選択肢を開く

ドイツ・ニュルンベルク - [Leap 15.6](https://get.opensuse.org/leap/15.6/) の提供開始により、さらに長期間のサポートを提供する SUSE Linux Enterprise への道を開くとともに、次期メジャーリリース予定の Leap 16 への準備が行われました。

デジタルの世界において、強健で安全性の高い、安定したオペレーティングシステムの存在は、以前よりもさらに重要となっています。コミュニティ主導の [Leap 15.6](https://get.opensuse.org/leap/15.6/) と [SUSE Linux Enterprise (SLE) 15](https://www.suse.com/products/server/) Service Pack 6 の組み合わせによって、重要性の高いインフラストラクチャ管理に最適なソリューションを提供しています。特に SUSE 社の一般サポートと [長期サポート](https://www.suse.com/products/long-term-service-pack-support/) では、 Leap 15 のサポート期間よりも長いサポート期間を提供します。

[SLE 15](https://www.suse.com/products/server/) SP 6 は機能リリースであるため、 [Leap 15.6](https://get.opensuse.org/leap/15.6/) でも同様にさらに多くの機能を提供します。

Leap と SLE の組み合わせはビジネスの世界でも有用です。 Leap という透明性の高い環境で開発を行い、 SLE という長期サポートを提供する環境で実運用を行うことで、安定性と安全性を長期に保つことができるようになります。組織がアップグレートパスを検討するような場合でも、 SUSE のようなエンタープライズグレードの製品は戦略的に有効なソリューションとなります。特にさまざまな部門をまたがってデータをやり取りするような広範囲なネットワーク環境を管理するには最適です。

2018 年 5 月 25 日に、 Leap はコンテナ技術や不変システム、仮想化や組み込み開発などの高度な技術を取り入れました。 [使用状況](https://metrics.opensuse.org/) でも示されているとおり、 Leap は起業家やホビーイストだけでなく、研究者や開発者からも支持される Linux ディストリビューションとなっています。

[Leap 15.6](https://get.opensuse.org/leap/15.6/) は次期リリースとの間で十分な移行期間が確保できるよう、2025 年末までのメンテナンスおよびセキュリティ更新を提供する予定となっています。これにより、 Leap 16 や SUSE 社の提供する長期サポート版への移行を円滑に行うことができるようになります。なお、 SUSE 社の商用サポート版をお使いになりたい場合は、 [移行ツール](https://ja.opensuse.org/SDB:How_to_migrate_to_SLE) をお使いください。

また openSUSE Leap 15.6 では [Cockpit](https://cockpit-project.org/) に対する顕著な更新も行われています。こちらはシステムやコンテナを Web ブラウザで管理するためのシステムで、より使いやすくなっているほか、画面間のリンクや操作性の向上を図っています。なお Leap では SELinux のポリシーは付属しておりませんので、 Cockpit での SELinux 機能は動作しません。

コンテナ技術は Podman 4.8 でさらに強化され、 Quadlets を介した Nextcloud のサポートが含まれるようになりました。また Distrobox, Docker, python-podman, Skopeo, containerd, libcontainers-common 等のバージョン更新により、コンテナ管理システムがさらに強化されています。仮想化技術についても同様に、 Xen 4.18, KVM 8.2.2, libvirt 10.0, virt-manager 4.1 がそれぞれ提供されています。

Leap 15.6 リリースでは性能やセキュリティの強化を目的とした主要ソフトウエアのアップグレードも行われています。最も顕著なものは Linux カーネル 6.4 で、最新のドライバをいくつかバックポートして提供しているほか、性能面も改善されています。このほか OpenSSL 3.1 では新しい既定値が設定され、より強健で強固な暗号化アルゴリズムを使用するようになっています。また MariaDB 10.11.6 や PostgreSQL 16 のように、データベース管理システムも更新されています。 Redis 7.2 は高度なデータ処理機能を提供し、ソフトウエアスタックは PHP 8.2 と Node.js 20 で完成されています。いずれも性能面やセキュリティ面の改善が行われています。 Leap では Java アプリケーション向けに OpenJDK 21 も提供されています。

通信関連のソフトウエアとしては DPDK 22.11 と Open vSwitch バージョン 3.1, そして ovn 23.03 がそれぞれ提供されています。

KDE 環境は長期サポート版である KDE Plasma 5.27.11, Qt 5.15.12+kde151, KDE Frameworks 5.115.0, Qt6 version 6.6.3 がそれぞれ提供され、より円滑にアプリケーションを使用できるようになっています。また Python 3.11 にあわせて PyQt5, PyQt6 も提供されています。

なお、数多くのメンテナンスされていない Python パッケージが、 Python 3.11 への移行により削除されています。詳しい情報は [リリースノート](https://doc.opensuse.org/release-notes/x86_64/openSUSE/Leap/15.6/index.html) をお読みください。

GNOME 45 ではデスクトップ環境への改善のほか、ユーザエクスペリエンス向上のための機能を提供しています。オーディオ技術は PulseAudio 17.0 および PipeWire 1.0.4 でさらに強化され、ハードウエア互換性や Bluetooth の機能追加のほか、バッテリーレベルの表示機能などが含まれています。

これらの更新は全体的なシステムの安定性向上とユーザエクスペリエンス改善に繋がっています。これにより、 Leap 15.6 は研究者だけでなく、企業や組織にとっても説得力のある選択肢になっています。

Leap は get.opensuse.org からダウンロードできます。

サポート終了について

本日のリリースにより、 Leap 15.5 は 6 ヶ月の移行期間ののちサポート終了となります。 Leap 15.5 をお使いの方は、セキュリティ更新やメンテナンス更新を受け続けるため、 6 ヶ月以内に Leap 15.6 への移行を行ってください。

Leap 15.6 のダウンロード

ISO イメージは https://get.opensuse.org/leap/ からダウンロードできます。

問い合わせ

本リリースに関する質問やバグ報告については、下記チャンネルにて受け付けております:

https://t.me/openSUSE

https://chat.opensuse.org

https://lists.opensuse.org/opensuse-support/

https://discordapp.com/invite/openSUSE

https://www.facebook.com/groups/opensuseproject

プロジェクトへの参加

openSUSE プロジェクトとは、あらゆる場所での Linux の利用を目指す世界的な取り組みです。 Tumbleweed と呼ばれるローリングリリースモデル型のディストリビューションと、 Leap と呼ばれるエンタープライズ・コミュニティ共同作業型の 2 種類のオペレーティングシステムを提供しています。openSUSE は、世界的なフリー/オープンソースソフトウェアコミュニティの一部として、オープンに、透明に、友好的に協力し合い、世界最高の Linux ディストリビューションの一つを創っています。

プロジェクトはそのコミュニティによって管理されており、テスター、ライター、翻訳者、ユーザビリティの専門家、アーティスト、Ambassador、開発者など、個々人からの貢献により成り立っています。プロジェクトでは、多種多様なテクノロジー、そして様々なレベルの専門技術を持ち、様々な言語を話し、様々な文化的背景を持つ人々を受け入れています。詳しくは opensuse.org をご覧ください。


***** Wayland 環境の [GNOME 45](https://en.opensuse.org/openSUSE:Known_bugs_15.6#GNOME) で Chrome を利用した場合に、 2 つの問題が発生することが判明しています。近いうちに解決される予定です。 *****