ソフトウエア管理のコマンドライン比較

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コマンドラインによるソフトウエア管理ユーティリティの機能比較


ここには、コマンドラインによるソフトウエア管理ユーティリティのうち、メジャーなものについて機能を一覧にしています。一覧は「パッケージ管理」や「インストール元の管理」のように作業ごとにグループ分けしてあります。一番左の列にグループ名を、次の列に zypper 以外を利用した場合のコマンドラインを、一番右の列に zypper によるコマンドを示しています。


注意事項:

  1. 多くのパッケージ管理システムはパッケージの枠組みを超えた発想での作りがありません。これらの実装は一覧の終わりに示してあります。
  2. それぞれのツールはそれぞれインストール元に対して異なる条件を求めます。ここでは「インストール元」として区別せず表記していることに注意してください。
  3. コマンドで "rug" と書かれたものはそれぞれのバージョンで利用可能なものを示しています。 "rug*" と書かれたものはいずれかのバージョンでのみ利用可能なものを示しています。
  4. SUSE 以外のディストリビューションで固有のコマンドは省略しています (たとえば apt-cache madison)
  5. 特に apt コマンドなど、多くのコマンドでは適用可能な幅広いオプション設定が存在します。そのため、いくつかのコマンドは特定のオプションを使用することで 1 対多の対応になる場合があります。
  6. rug コマンド固有のデーモン操作は省略しています。
  7. 下記の一覧は概要を示したものです。これらのツールで実際に何が行なわれるかについては、それぞれのツールのドキュメントなどの詳細をお読みください。コマンドによっては難解なものもあります。


apt ツールでの注意事項:

apt は他のシステムでのツールで個別に提供される機能を 1 つのセットで提供しています。 apt-get はシステムの状態を変更する作業を行なうために認証を必要としますが、 apt-cache は読み込み専用で処理を行ないます。そのため、パッケージやパッケージ管理システムについての情報を取得するには認証を行なう必要がありません。


機能によっては dpkg と grep を併用する必要があります。


一覧は以下のようなセクションからなっています:


パッケージ管理

パッケージについて何らかの操作を行ない、システムの状態を変更するコマンドを指します。例外はパッケージ管理コマンドに大きく関連するパッケージ情報コマンドで、パッケージ情報コマンドもこのグループに含めています。


パッケージ情報管理'

パッケージについての情報を表示するコマンドで、特定のグループ内のパッケージやパッケージ管理システム内での状態を表示するものです。


インストール元の管理

インストール元の管理を支援するコマンドです。


SUSE 固有のコマンド

SUSE の環境に大きく依存する SUSE ツール固有のコマンドです。ここには rug と zypper のみを示しています。


セキュリティ

セキュリティ関連のコマンドで、証明鍵管理やユーザ管理などを示しています。


その他

他の分類に該当しないその他のコマンドを示しています。

パッケージ管理

パッケージのインストール 
名前を指定してパッケージをインストールします。
  • rug install
  • apt-get install
  • smart install
  • yum install
  • zypper install
パッケージの削除 
名前を指定してパッケージを削除 (アンインストール) します。
  • rug remove|erase
  • apt-get remove
  • smart remove
  • yum remove|erase
  • zypper remove
パッケージの検索 (全文検索) 
名前や概要、説明などを何らかのルールで検索します。
それぞれのツールでは既定で特定の項目のみを検索します。オプション設定を行なうことで他のツールと同じことを行なうことができます。
  • rug search
  • apt-cache search
  • smart search
  • yum search
  • zypper search
パッケージの更新 
既に古いバージョンがインストールされているパッケージについて、新しいバージョンのものをインストールします。
  • rug update
  • apt-get upgrade
  • smart upgrade
  • yum update
  • zypper update
パッケージのアップグレード 
更新 コマンドの発展系で、ディストリビューション全体のアップグレードなど、より複雑な更新を行なうものです。通常の 更新 コマンドでは依存関係に変更を加えるようなパッケージ更新は省略されますが、このコマンドではそれらを行なうことができます。
  • apt-get dist-upgrade
  • yum upgrade
  • zypper dup
パッケージの再インストール 
依存関係を壊さずに指定したパッケージを再インストールします。
  • apt-get --reinstall \ install
  • smart reinstall
  • zypper install --force
ローカルパッケージのインストール 
app.rpm などの形で手元に存在するパッケージをインストールし、併せてインストール元を利用して依存関係を解決します。
  • yum localinstall

ありません

ローカルパッケージを利用した更新 
ローカルパッケージを利用して更新し、併せてインストール元を利用して依存関係を解決します。
  • yum localupdate

ありません

壊れた依存関係を修復 
システム内で壊れてしまった依存関係を修復します。
  • apt-get --fix-broken
  • smart fix
  • rug* solvedeps

ありません

パッケージのダウンロード 
指定したパッケージを開いたりインストールしたりせず、ダウンロードだけを行ないます。
  • apt-get --download-only
  • smart download

ありません

不要な依存関係を削除 
たとえばそれらを必要としていたパッケージが削除された場合など、もはや必要とされていない依存関係を削除します。
  • apt-get autoremove

ありません

ソースパッケージの取得 
指定したパッケージ名に対応するソースパッケージをダウンロードします。
  • apt-get source
  • zypper source-install
構築依存関係を解決する 
構築時に必要となる依存関係をインストールしたり削除したりします。ソースパッケージの情報を使用します。
  • apt-get build-dep
  • zypper si -d
パッケージの施錠 
指定したパッケージについて、状態が変更されないようパッケージの施錠を設定します。
  • rug* lock-add
  • smart flag --set lock
  • apt (ピンと優先順位の設定で行ないます -- 面倒です!)

ありません

パッケージの解錠 
パッケージの施錠を解きます。
  • rug* lock-delete
  • smart flag --remove lock
  • apt (ピンと優先順位の設定で行ないます -- 面倒です!)

ありません

パッケージの施錠状態の表示 
パッケージの施錠状態を表示します。
  • rug* lock-list
  • smart flag --show lock
  • /etc/apt/preferences

ありません

チェックポイントの追加 
後からこの状態に戻す場合に備え、チェックポイントを追加します。
  • rug* checkpoint-add

ありません

チェックポイントの削除 
システムからチェックポイントを削除します。
  • rug* checkpoint-remove

ありません

チェックポイントの表示 
システム内に設定した全てのチェックポイントを表示します。
  • rug* checkpoints

ありません

パッケージの巻き戻し 
指定した日時またはチェックポイントにシステムを巻き戻します。
  • rug* rollback

ありません

パッケージ情報管理

システム全体の情報を出力 
パッケージ管理システムの現在の状態を表示したり保存したりなどを行ないます。テキストや XML での出力がメインです。 rug のバージョンのうちの 1 つでは sqlite データベースでの出力を行ないます。
(注意: なぜここで? どのツールにも出力の書式を設定するオプションがありません)
  • rug dump
  • apt-cache stats
  • smart stats

ありません

パッケージに関する完全な情報を表示 
パッケージについて、完全ないしはほぼ全ての情報を表示します。
ツールによって既定で出力される量は異なります。オプションを設定することで各コマンドとも同等のものにすることができます。
  • rug info
  • apt-cache showpkg
  • apt-cache show
  • smart info
  • yum list or info
  • zypper info
パッケージの検索 (全文検索) 
名前や概要、説明などを何らかのルールで検索します。
それぞれのツールでは既定で特定の項目のみを検索します。オプション設定を行なうことで他のツールと同じことを行なうことができます。
  • rug search
  • apt-cache search
  • smart search
  • yum search
  • zypper search
利用可能な更新を表示 
利用可能な更新が存在するパッケージを表示します。
注意: インストール元を制限して出力するための特別なコマンドやオプションが存在する場合もあります。
  • rug list-updates
  • rug summary
  • apt-get upgrade -> n
  • yum list updates
  • yum check-update
  • zypper list-updates
  • zypper patch-check (just for patches)
利用可能な全てのパッケージを表示 
パッケージ管理システムで処理することができる全てのインストール元からの全パッケージを表示します。
ツールによってはインストール元を制限して出力するためのオプションやコマンドが存在する場合もあります。
  • rug packages
  • apt-cache dumpavail
  • apt-cache dump (Cache only)
  • apt-cache pkgnames

作成中

X を提供するパッケージを表示 
指定したものを提供するパッケージを表示します。提供情報の逆検索とも呼びます。
主に特定の項目について検索を行なうためのショートカットとして機能します。他のツールでは検索コマンドでこの機能を提供している場合もあります。
  • rug what-provides
  • apt (dpkg | grep)
  • yum whatprovides
  • yum provides

作成中

X を必要とするパッケージを表示 
X をインストールすべきものとして必要としているパッケージを検索します。依存関係の逆検索とも呼びます。
rug の what-requires はパッケージ名以外に対しても機能します。
  • rug what-requires
  • apt-cache rdepends
  • yum resolvedep

作成中

パッケージ X に矛盾するパッケージの表示 
指定した表記 (主にパッケージ) について、これと矛盾するパッケージを表示します。
検索機能をこれと同等のものとして使用することもできます。 rug の what-conflicts 機能はパッケージ名以外に対しても機能します。
  • rug info-conflicts
  • rug what-conflicts
  • smart check

作成中

パッケージの要件を一覧表示 
指定したパッケージを利用するにあたって必要となる全てのパッケージを表示します。依存関係の表示とも呼びます。
  • rug info-requirements
  • apt-cache depends
  • yum deplist

作成中

パッケージの提供物の表示 
現在のパッケージが提供するものを表示します。
  • rug info-provides
  • yum provides

作成中

パッケージ内のファイルの一覧表示 
パッケージが保有するファイルの一覧を表示します。
なお、この機能は他の複雑なコマンドで擬似することもできます。
  • rug* file-list
  • yum provides

作成中

指定したファイルを保有するパッケージを表示 
指定したファイルを保有する全てのパッケージを検索します。
auto-apt はこの機能を利用しています。
  • rug* package-file
  • rug what-provides
  • apt-file
  • yum provides
  • yum whatprovides

作成中

廃止するパッケージの一覧表示 
指定したパッケージが廃止する全てのパッケージを表示します。
  • rug info-obsoletes
  • yum list obsoletes
  • apt-cache | grep

作成中

システムの依存関係の検証 
システム全体の依存関係を検証します。インストールの処理を中断した場合に使用します。
  • rug verify
  • rug* dangling-requires
  • apt-get check ?
  • apt-cache unmet
  • smart check
  • yum deplist

ありません

インストール済みパッケージの一覧表示 
インストール済みのパッケージを一覧で表示します。
  • apt-cache --installed
  • yum list installed

ありません

インストール済みのローカルパッケージの一覧表示 
どのインストール元でも提供されていないインストール済みのパッケージを一覧表示します。
  • yum list extras

ありません

最近追加されたパッケージの一覧表示 
1 つのインストール元について最近追加されたパッケージ (インストール元にとって新しいもの) の一覧を一覧表示します。
注意: Synaptic にはこの機能がありますが、 apt はこの機能を提供していないように思われます。
  • yum list recent

ありません

'ログの履歴検索 
ソフトウエア管理作業のログ記録を表示します。
  • rug history

ありません

ローカルキャッシュの清掃 
ローカルキャッシュを削除して掃除します。オプションでどの項目を清掃するかを指定できる場合があります。
autoclean は不要なものや古い情報だけを削除します。
  • apt-cache clean
  • apt-cache autoclean
  • smart clean
  • yum clean

ありません

パッケージキャッシュへのパッケージの追加 
デバッグなどの目的で、ローカルキャッシュに対してローカルパッケージを追加します。
  • apt-cache add

ありません

ソースパッケージの表示 
指定したパッケージ名のソースパッケージを表示します。
  • apt-cache showsrc

ありません

dotty 出力の生成 
指定したパッケージについて、 dotty で処理するために適切な出力を生成します。
  • apt-cache dotty

ありません

パッケージの優先順位設定 
アップグレードを回避したり、ダウングレードを強要したりなど既定の振る舞いを上書きする目的で、指定したパッケージの優先順位を設定します。指定したインストール元のパッケージを好んで使用する場合にも使用できます。
  • /etc/apt/preferences
  • smart priority --set

ありません

優先順位の削除 
以前に設定した優先順位設定を削除します。
  • /etc/apt/preferences
  • smart priority --remove

ありません

全ての優先順位を一覧表示 
設定した優先順位を一覧表示します。
  • apt-cache policy
  • /etc/apt/preferences
  • smart priority --show

ありません

優先順位問題の無視 
優先順位がもたらす問題を無視します。
  • smart priority --force

ありません

インストール元の管理

インストール元の追加 
システムに対してインストール元を追加します。ツールによっては特定のソース向けに別途のコマンドを提供している場合がありますが、それらのもの以外では追加コマンドで全ての種類の URI を指定できます。
なお、 apt や yum ではソース一覧を編集する必要があります。
apt-cdrom は CD や DVD をインストール元として設定するための特別なコマンドです。
  • rug service-add
  • rug mount /local/dir
  • apt-cdrom add
  • smart channel --add
  • zypper service-add
インストール元の更新 
指定したインストール元や、全てのインストール元に対する情報を更新します。
  • rug refresh
  • apt-get update
  • smart update
  • yum check-update
  • zypper refresh
全てのインストール元の一覧表示 
URI や別名など、重要な情報を含めた形でインストール元の一覧を表示します。
  • rug service-list
  • smart channel --show
  • zypper service-list
インストール元の削除 
一覧からインストール元を削除します。
  • rug service-delete
  • rug* unmount /local/dir
  • smart channel --remove
  • zypper service-delete
全てのインストール元の削除 
全てのインストール元を削除します。
  • smart channel --remove-all

ありません

インストール元の修正 
項目と値の組み合わせを指定して、インストール元の情報を修正します。
  • smart channel --set

ありません

インストール元情報の編集 
$editor で指定したエディタを使用し、インストール元の情報を修正します。
apt および yum ではある種の既定動作です。
  • smart channel --edit

ありません

インストール元の無効設定 
一覧から削除せずにインストール元を使用しないよう無効に設定します。
  • smart channel --disable
  • zypper modifyrepo --disable
インストール元の有効設定 
以前に無効に設定したインストール元を有効に設定します。
  • smart channel --enable
  • zypper modifyrepo --enable
インストール元の名前変更 
指定したインストール元の別名を変更します。
  • smart channel --set
  • zypper service-rename
ミラーサイトの表示 
マスターサイトの URL およびインストール元情報から、現在のミラーサイトを表示します。
  • rug mirrors
  • smart mirror --show

ありません

ミラーの追加 
指定したオリジナル URL に対してミラーサイトを追加します。
  • smart mirror --add

ありません

ミラーの削除 
指定したオリジナル URL に対するミラーサイトを削除します。
  • smart mirror --remove

ありません

全てのミラーの削除 
オリジナル URL に対する全てのミラーサイトを削除します。
  • smart mirror --remove-all

ありません

ファイルからミラー情報を同期 
指定したファイルからミラー情報を取得します。
  • smart mirror --sync=FILE

ありません

ミラーの編集 
$editor で指定したエディタを使用し、ミラー情報を編集します。
  • smart mirror --edit

ありません

ミラー履歴の消去 
指定したオリジナル/ミラーのペナルティデータを消去します。
  • smart mirror --clear-history

ありません

現在のペナルティ情報の表示 
現在のペナルティ情報を表示します。1 オリジナルまたはミラーサイトに設定します。
1おそらくミススペルですが、 smart がそれをどのように実装しているかによります
  • smart mirror --show-penalities

ありません

インストール元の登録 
品質の良いインストール元を登録します。
  • rug* register

?

インストール元の種類一覧 
インストール元として利用可能な種類の一覧を表示します。
  • rug* service-types

?

SUSE 固有のコマンド

修正の確認 
新しいパッケージが利用可能かどうか確認します。

ありません

  • zypper patch-check
修正のインストール 
指定した修正をインストールします。
  • rug install -t patch
  • rug patch-install
  • zypper install -t patch
修正の表示 
修正を表示します (指定したインストール元のもの)
  • rug patches
  • rug patch-list
  • zypper patches
修正の情報を表示 
指定した修正に関する詳細情報を表示します。
  • rug patch-info
  • zypper patch-info
修正の検索 
パターンに適合する修正を検索します。
  • rug* patch-search

作成中

パターンの表示 
指定したインストール元のパターンを表示します。
  • rug* patterns

作成中

パターン情報の表示 
パターンに関する詳細情報を表示します。
  • rug* pattern-info

作成中

パターンのインストール/アンインストール 
パターンに対する作業はパッケージのインストールやアンインストールのコマンドと同じです。
  • rug* install -t pattern
  • rug* remove -t pattern
  • zypper install -t pattern
  • zypper remove -t pattern
製品の表示 
指定したインストール元での全ての製品情報を表示します。
  • rug* products

作成中

製品情報の表示 
製品に関する詳細情報を表示します。
  • rug* product-info

作成中

製品のインストール/アンインストール 
製品に対する作業はパッケージのインストールやアンインストールのコマンドと同じです。
  • rug* install -t product
  • rug* remove -t product
  • zypper install -t product
  • zypper remove -t product

セキュリティ関連のコマンド

インストール元に対する証明鍵の追加 
鍵リングに鍵を追加します。
  • rug* key-add
  • apt-key add

ありません

証明鍵の削除 
鍵リングから鍵を削除します。
  • rug* key-delete
  • apt-key del

ありません

証明鍵リングの表示 
鍵リング内に存在する全ての鍵を表示します。
  • rug* key-list
  • apt-key list

ありません

鍵リングの更新 
鍵の更新を確認し、ローカルの鍵リングを更新します。
  • apt-key update

ありません

ユーザの追加 
ユーザを追加します。
  • rug user-add

ありません

ユーザの削除 
ユーザを削除します。

rug user-delete

ありません

ユーザの編集 
既存のユーザを編集します。
  • rug user-edit

ありません

ユーザの一覧表示 
ユーザの一覧を表示します。
  • rug user-list

ありません

その他のコマンド

シェルの起動 
単一のセッションで複数のコマンドを受け付けられるよう、シェルを起動します。
  • yum shell
  • zypper shell