リリースアナウンス 15.5

移動先: 案内, 検索

openSUSE Leap 15.5 リリースアナウンス

Leap 15.5: 次期バージョンへの準備

EN / [CA] / [CS] / [ES] / FR / [IT] / [JA] / NL / [SV] / [ZH-CN] / [ZH-TW]


2023/06/07

ドイツ・ニュルンベルク - [openSUSE](https://get.opensuse.org) 15 シリーズの最新バージョンは、 5 年以上前からのメンテナンス修正/セキュリティ修正の集大成となっています。

[Leap 15.5](https://get.opensuse.org/leap/15.5/) は直近 5 年間のコンテナ技術やイミュータブルなシステム、組み込み開発やその他の高度な技術革新の集大成として提供されています。

起業家やホビーイスト、プロフェッショナルから開発者に至るまで、 Leap はマイナーリリースを追うごとに [利用の幅が広がり続けています](https://metrics.opensuse.org/) 。レガシーソフトウエアから新しいシステムへの移行も差し迫っています。

[Leap 15.5](https://get.opensuse.org/leap/15.5/) は [SUSE Linux Enterprise 15](https://www.suse.com/products/server/) サービスパック 5 をベースにしていて、 2024 年の終わりまでメンテナンス更新やセキュリティ更新が提供されます。これにより、後継バージョン (現時点ではまだ未確定ですが) への移行にも十分な期間が用意されていることになります。なお、商用サポートが必要となる環境の場合は、 [新しいツール](https://ja.opensuse.org/SDB:How_to_migrate_to_SLE) を利用することで、商用サポートを受けることができるようになります。 Leap のダウンロードは get.opensuse.org をご利用ください。

本リリースでは [Mesa](https://www.mesa3d.org/) 等の新しいパッケージが提供されていますが、 [Leap 15.5](https://get.opensuse.org/leap/15.5/) はメンテナンスリリースとしての提供となっています。このほか KDE [Plasma 5.27](https://kde.org/announcements/plasma/5/5.27.0/) は Plasma 長期サポートバージョンのものが用意され、来る 2024 年の新バージョンに備えた環境を提供しています。また [Konqi](https://community.kde.org/Konqi) では新しい「ようこそ」ウイザードが用意され、デスクトップワークスペースの動的なカスタマイズができるほか、 [KRunner](https://userbase.kde.org/Plasma/Krunner) では完全なデスクトップ検索機能や為替レートによる通貨変換機能、辞書定義や計算機機能、数式のグラフィカル表示機能なども提供しています。このほかカラーピッカーではいくつかの改善が図られ、新しいカラーサークルからの選択ができるようになっています。 [KDE Gear 22.12.3](https://kde.org/announcements/gear/22.12.3/) はリリース内での新規パッケージとして提供され、 [Plasma 5.27](https://kde.org/announcements/plasma/5/5.27.0/) の使いやすさを補足する存在となっています。このほかのデスクトップアプリケーションでは、圧縮展開ツールである [ark](https://apps.kde.org/ark/) の機能拡張や、テキストエディタ [Kate](https://apps.kde.org/kate/) の改善、ビデオエディタ [Kdenlive](https://apps.kde.org/kdenlive/) のクラッシュ問題の修正などがあります。 Qt 5.15 LTS は [KDE Qt 5 patch collection](https://dot.kde.org/2021/04/06/announcing-kdes-qt-5-patch-collection) のものが用意されています。

テキストエディタ [Vim](https://www.vim.org/) は新しいメジャーバージョンに移行しています。 [Vim](https://www.vim.org/) 9 は新しいスクリプト言語の機能が含まれていて、これによってテキストエディタとしては 10 倍から 100 倍くらいの性能改善が図られています。古いバージョンのスクリプトを使用している場合は、あらかじめプロジェクトが提供する [Vim 9.0 リリース情報](https://www.vim.org/vim90.php) をお読みください。ここにはアップグレードの方法や後方互換性に関する情報のほか、本リリースでの新機能も説明しています。

Linux コンテナのネットワークを扱うプロフェッショナル向けには、本リリースで [netavark](https://github.com/containers/netavark) 1.5.0 が提供されるようになりました。既に [Flatpaks](https://flatpak.org/) をお使いの場合は、本リリースでは [1.14.4](https://github.com/flatpak/flatpak/releases/tag/1.14.4) へのアップグレードが用意されています。このバージョンでは [Common Vulnerability and Exposure (CVE)](https://en.wikipedia.org/wiki/Common_Vulnerabilities_and_Exposures) で公開されている [CVE-2023-28101](https://github.com/flatpak/flatpak/security/advisories/GHSA-h43h-fwqx-mpp8) 等の脆弱性に対応が行われています。また、この新しいバージョンでは、アクセス許可を昇格させる意図を持って不正な Flatpak を公開する攻撃者に対して、アクセス許可を隠蔽する修正も行われています。

Leap 15.5 では新たに [OpenH264](https://en.opensuse.org/OpenH264) リポジトリが新規インストール時に設定されるようになりました。これは [Open Source at Cisco](https://eti.cisco.com/open-source) からの貢献によるものです。

Leap 15.5 では [Linux カーネル](https://www.kernel.org/) 5.14.21 が提供されています。ここには SUSE 固有の LTS カーネルのバックポートも含まれています。 Leap 15.5 は SLE 15 SP5 とカーネルを含む多数のパッケージを共有しているため、同じ修正やバックポートをそのまま使用することができます。デバイスのファームウエア更新パッケージ [fwupd](https://github.com/fwupd/fwupd) はバージョン 1.8.6 になっています。この新しいバージョンでは、 [s390x](https://ja.wikipedia.org/wiki/IBM_S/390) と [ppc64le](https://en.wikipedia.org/wiki/Ppc64) でビルドする際のコンパイルエラーが修正されています。

Python 開発者には良いニュースです。 Leap 15.5 ではシステムが提供する Python (python36) に加えて、完全機能の Python 3.11 スタックも利用することができます。これにより、ユーザや開発者により新しいリリースの利用を促すことができます。なお、パッケージを作成する場合は、 Python 3.11 への移行をお勧めします。

その他のパッケージとしては、 [Ugrep](https://github.com/Genivia/ugrep) 3.11.0 や [NetworkManager](https://networkmanager.dev/) 1.38.6 等があります。 [webkit2gtk3](https://webkitgtk.org/) と [webkit2gtk4](https://webkitgtk.org/) はいずれも 2.38.5 になっています。 [Mozilla](https://www.mozilla.org/) プロジェクトの提供するインターネットブラウザ [Firefox](https://www.mozilla.org/en-US/firefox/new/) は、新しい拡張サポートリリースである 102.9.0 に、 [Mozilla](https://www.mozilla.org/) が提供する電子メールクライアント [Thunderbird](https://www.thunderbird.net/en-US/thunderbird/102.8.0/releasenotes/) は 102.8.0 にそれぞれ更新され、視覚面やユーザエクスペリエンスの改善が図られています。

サポート期限

本リリースにより、 openSUSE Leap 15.4 は本日より半年後にサポート期限 (EOL) となります。そのため、新しいセキュリティ更新やメンテナンス更新を受けるため、本バージョンをお使いの方は半年以内の移行をお願いいたします。

15.5 のダウンロード

ISO イメージをダウンロードするには、 https://get.opensuse.org/leap/ にアクセスしてください。

質問

本リリースに対するご質問やバグを見つけたような場合は、それぞれ下記にて連絡をお願いします:

https://t.me/openSUSE

https://chat.opensuse.org

https://lists.opensuse.org/opensuse-support/

https://discordapp.com/invite/openSUSE

https://www.facebook.com/groups/opensuseproject

参加

openSUSE プロジェクトとは、あらゆる場所での Linux の利用を目指す世界的な取り組みです。 Tumbleweed と呼ばれるローリングリリースモデル型のディストリビューションと、 Leap と呼ばれるエンタープライズ・コミュニティ共同作業型の 2 種類のオペレーティングシステムを提供しています。openSUSE は、世界的なフリー/オープンソースソフトウェアコミュニティの一部として、オープンに、透明に、友好的に協力し合い、世界最高の Linux ディストリビューションの一つを創っています。

プロジェクトはそのコミュニティによって管理されており、テスター、ライター、翻訳者、ユーザビリティの専門家、アーティスト、Ambassador、開発者など、個々人からの貢献により成り立っています。プロジェクトでは、多種多様なテクノロジー、そして様々なレベルの専門技術を持ち、様々な言語を話し、様々な文化的背景を持つ人々を受け入れています。詳しくは opensuse.org をご覧ください。