SDB:システムアップグレード

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このガイドでは、 Zypper でディストリビューション全体をアップグレード (ライブアップグレード) するための手順を説明しています。
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Leap 16.0 ベータへのアップグレード

一般的には、アップグレードは zypper --releasever $RELEASE dup を実行するだけの作業となります ($RELEASE=16.0) 。 ですが、今回はメジャーバージョンアップグレードとなり、ディストリビューションリポジトリの提供方式も変更となりますので、既存の環境をアップグレードするには、いくつかの追加手順を実施する必要があるはずです。

ディストリビューション提供のリポジトリの仕様変更について

Leap 16.0 のリポジトリ設定は openSUSE-repos GitHub プロジェクト で提供されています。 Leap 15 と比較すると、大きく下記の点が異なります:

  • 更新専用のリポジトリ提供が無くなりました。
  • アーキテクチャごとに別々のリポジトリとなり、リポジトリのデータサイズ縮小や更新速度の向上が行われています。

また、 Leap 16.0 の既定では リポジトリインデックスサービス を利用するようになっています。 openSUSE-repos パッケージでは自動的にリポジトリ設定を管理しますので、これによって手作業でリポジトリ管理を行う必要が無くなります。

この仕組みにより、さまざまな openSUSE ディストリビューション間の移行も円滑に実施できるようになっています。

サードパーティ製リポジトリを使用している場合の注意

OBS や Packman 等のサードパーティ製リポジトリを使用している場合、移行に際してさまざまな問題に直面する可能性があります。

特に Leap の初期開発サイクルにおいては、対応するサードパーティ製リポジトリが存在していなかったことから大きな問題となりました。それだけでなく、ディストリビューションのバージョン番号が $RELEASEVER ではなく固定値で書かれてしまっているものもあり、これによって古いソフトウエアからの更新を妨害する結果にもなってしまっていました。

そのため、バージョンアップグレードを行うに際しては、あらかじめ非公式のリポジトリの全てを無効化しておくことを強くお勧めします。

 zypper lr -u | egrep -v "/distribution/|/update/" # サードパーティ製リポジトリの一覧表示
 zypper modifyrepo -d <REPO_ID> # リポジトリの無効化

主な変更点

Leap 16.0 は x86_64-v2 に対応していないマシンでは動作しませんx86_64-v2 対応 のマシンをお持ちでない場合は、 openSUSE Tumbleweed への移行をお考えください。

Leap 16.0 では SELinux が新しい既定のセキュリティモジュールとなっています。 AppArmor も従来通りお使いいただけます。

多くの YaST 機能が SLES 16 から削除されたことに伴い、 Leap でも同様に削除されています。なお、ソフトウエアのインストール GUI については、 YaST の直接的な置き換えとなる Myrlyn が提供されています。

Leap 16.0 リリースノート草案

Leap 16.0 のリリースノートは大幅に改良中です。草案は こちら で作成中です。

opensuse-migration-tool を利用したアップグレード

Hackweek 24 の成果として opensuse-migration-tool が提供されています。 このツールは標準的なリリースバージョン間アップグレードのほか、ディストリビューション間 (たとえば Leap から SLES とか、 Leap から Slowroll や Tumbleweed とか) の更新にも対応しています。

このツールは リポジトリインデックスサービス を利用していて、リポジトリの更新は openSUSE-repos パッケージの更新として配置されます。

移行先のバージョンにあわせて適切なリポジトリ設定をインストールしたのち、 zypper dup を実行してアップグレードを実施します。

 sudo zypper in opensuse-migration-tool # 15.6 移行で利用可能
 sudo opensuse-migration-tool
 sudo reboot # 移行完了後に実施

なお、 btrfs をご利用の場合は、移行が失敗しても snapper で元に戻すこともできます。

ファイル:Opensuse-migration-tool-all.png
opensuse-migration-tool インターフェイス

このツールを利用した場合に何らかの問題が発生した場合、もしくは opensuse-migration-tool の開発にご協力いただける場合は、 [1] にアクセスしてください。

zypper dup を利用した手動アップグレード

/etc/zypp/repos.d/ 以下にあるリポジトリ設定を編集して、 Leap 16.0 の リポジトリ設定 と一致するように調整します。

 sudo zypper --releasever 16.0 dup
 sudo reboot # 移行完了後に実施

openSUSE-repos パッケージを利用した手動アップグレード

このほかにも、 Leap 16.0 が提供する openSUSE-repos パッケージを手動でインストールして、リポジトリ設定を更新することもできます。 https://software.opensuse.org/package/openSUSE-repos-Leap からダウンロードしてお使いください。

なお、 Leap 16.0 は software.opensuse.org で SLFO_Main と表示されることに注意してください。

osc を利用してパッケージをダウンロードすることもできます:

 zypper in osc
 osc getbinaries -d /tmp openSUSE:Leap:16.0 openSUSE-repos:openSUSE-repos-Leap standard x86_64
 sudo zypper in /tmp/openSUSE-repos-Leap*.rpm


Leap 16.0 のリポジトリ設定を行ったあとは下記を実行するだけです:

 sudo zypper --releasever 16.0 dup
 sudo reboot # 移行完了後に実施