リリースアナウンス 16.0
Leap 16 リリースによる次章の幕開け
openSUSE プロジェクトは openSUSE Leap 16 の公開をお知らせします。
本メジャーバージョンは固定リリース方式のコミュニティ主導型 Linux ディストリビューションで、ソフトウエアスタックやメンテナンス、そしてセキュリティサポートサイクルの刷新を図っています。特にインストーラについては全く新しいものとなり、バージョン移行もよりシンプルに実施できるようになっています。
"ベンダーや開発者は Leap や Leap Micro の存在を真剣に捉え、自分たちのソリューションのターゲットのうちの 1 つとして検討すべきだ。 24 ヶ月にわたる無償のメンテナンスリリースとセキュリティ更新を提供しているのは、他のコミュニティディストリビューションでは無いものである。" とリリースマネージャの Lubos Kocman は述べています。
Leap 16 はコミュニティサポート型のプラットフォームで、オープンソースの開発ブレークスルーのほか、現実世界では何年も先に使われるであろうソリューションを提供しています。本リリースは 2038 年問題 が解決済みであり、既定では 32 ビット (ia32) サポートが無効化されています。なお、 32 ビットサポートはインストール後に手作業を行うことで有効化できますので、 Steam のような 32 ビットライブラリを使用するゲームなども楽しめます。また、ハードウエア要件が変更され、 Leap 16 では x86-64-v2 が最小アーキテクチャレベルとして指定されています。これは 2008 年以降に発売された CPU であれば対応しています。それ以前の古いハードウエアをお使いの場合は、 Slowroll もしくは Tumbleweed への 移行 をお願いします。
Leap 16 ではコミュニティとエンタープライズの双方が協力して作り上げられたディストリビューションで、 SUSE Linux Enterprise Server (SLES) をベースにしているため、ソースコードもバイナリも完全に同じものになっています。そのため Leap 16 から SLES 16 への 移行 は容易に実施することができますし、開発者であれば openSUSE Leap を開発環境として利用し、実際の本番環境では SLES を使用するようなこともできます。
Leap 16 では新しく Agama インストーラを提供しています。これは古い YaST ベースのインストーラを置き換えるもので、よりモダンで分かりやすいインターフェイスとなっています。 Leap 16 ではこのほか、パッケージマネージャの Zypper で同時並行ダウンロードの仕組みが導入され、インストールや更新にかかる時間の削減を実現しています。
本メジャーバージョンでの移行はより簡単になり、新しい 移行ツール を利用することで、 Leap 15 から Leap 16 への円滑なアップグレードができるほか、 Slowroll, Tumbleweed, SLES 等への移行も実施できるようになっています。
Leap 16 はバージョン番号の通り、新しいライフサイクル計画が開始されます。後ほど戦略の変更が実施された場合を除き、毎年のマイナーリリースが Leap 16.6 まで提供されるようになる予定です。 Leap 16 に続くメジャーバージョンは、 2032 年に公開予定です。なお、不変型のディストリビューションである Leap Micro についても、同じスケジュールとなる予定です。
本リリースでは新しく SELinux が Linux セキュリティモジュール (LSM) として提供されるようになっています。もちろん従来の AppArmor を後から選択することもできます。 AppArmor や 32 ビットサポートの廃止については、ユーザへの移行期間として提供されています。
Leap 16 では暗号化・コンテナ化・システムツール・ハードウエア暗号化などの様々な仕組みが成熟していくことにより、次の 10 年のリリースに向けて進化を続けることになります。
Leap 16 に対する開発をご希望の方は、毎週月曜日に開催される 機能レビューミーティング (英語のみ) への参加をお勧めします。