Features 15.3

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目次

リリーススポットライト

このページでは、今回の openSUSE リリースで何が新しくなっているのかについて説明しています。
概要を知りたい場合は、 機能ハイライト をお読みください。

コンテナ

podman

podman はデーモンを使用しないコンテナエンジンで、お使いの Linux システムを OCI コンテナの開発や管理、実行のための環境にすることができます。コンテナは root 権限があってもなくても動作させることができます。 alias docker=podman と指定するだけです。 Leap 15.3 では SUSE Linux Enterprise とバージョンが同期され、 2.2.1-4.28.1 になっています。 Leap でコンテナを作成してメンテナンスし、 SLE に移行することもできます。

CRI-O

CRI-O は Kubernetes 向けの軽量コンテナランタイムです。 CRI-O は OCI に準拠したランタイムと kubelet との間を仲介する統合役として存在しています。特に OCI 準拠のランタイムを利用して Kubelet Container Runtime Interface (CRI) を実装しています。 CRI-O は CRI と同じスコープに結びついています。 Leap 15.3 では、 CRI-O 1.17.3 を提供しています。

containerd

containerd はシンプルさと強健さ、そして可搬性に力を注いだ業界標準のコンテナランタイムです。 containerd は Linux 向けのデーモンとして動作します。ホストシステムでのコンテナのライフサイクル全体を管理し、イメージの転送と保存からコンテナの実行、そして低レベルのストレージ管理やネットワークへの接続など、さまざまな処理を行います。 Leap 15.3 では、 1.3.9-5.29.3 を提供しています。

kubeadm

kubeadm を使用することで、ベストプラクティスに沿った最小限の Kubernetes クラスタを構成することができます。 kubeadm では、 Kubernetes 準拠テストに合格するクラスタをセットアップすることができます。 kubeadm ではブートストラップトークンやクラスタのアップグレードなど、その他のクラスタライフサイクル管理にも対応しています。 Leap 15.3 では、バージョン 1.18.4 を提供しています。

人工知能/機械学習

TensorFlow Lite

TensorFlow は機械学習を行うためのエンド-エンド型のオープンソースプラットフォームです。さまざまな範囲にわたる柔軟なツールやライブラリのほか、機械学習の分野における最先端の研究を支援するためのコミュニティリソースも提供しています。これにより、開発者は機械学習の力を借りたアプリケーションを容易に構築し、配置することができるようになります。本リリースでは TensorFlow 2020.08.23 が提供され、安定した Python や C++ API のほか、他の言語での非保証な後方互換性 API も提供しています。

PyTorch

Pytorch は研究時のプロトタイプ作成から本番環境への配置まで、さまざまな範囲に対して支援を提供するオープンソースの機械学習フレームワークです。 Leap 15.3 では、バージョン 1.4.0 を提供しています。

ONNX

Open Neural Network Exchange ONNX はオープンソースのエコシステムで、 AI の開発者に対してプロジェクトが必要とする正しいツールの選択を支援する仕組みです。 ONNX は AI モデルに対してオープンソースのフォーマットを提供し、深層学習や従来の機械学習に対応できるようにします。また ONNX では拡張性のある計算グラフモデルのほか、内蔵の演算子や標準データ型などの定義も行っています。

本リリースでは ONNX 1.6.x が提供され、多数のフレームワークやツール、ハードウエアで使用することができます。 ONNX では異なるフレームワーク間の相互運用性も提供し、研究開発の段階から本番運用の段階までの円滑な移行や、 AI コミュニティにおける改革の加速などを支援しています。

Grafana

Raspberry Pi で Grafana を使用することで、さまざまなソフトウエア動作に関するダッシュボードを表示することができます。 Grafana はさまざまな要件に合った問い合わせや可視化、アラートや理解の機能を提供します。チーム内でダッシュボードを作成して表示し、共有することで、データドリブンな文化をはぐくむことになります。

Grafana 7.3.1 では下記のような修正が含まれています:

   Cloudwatch: 重複するメトリックデータの修正 (#28642)
   Loki: いくつかのクエリに対して 0 の結果を返してしまうエラーの修正 (#28645)
   PanelMenu: 画面の右端に近いパネルで、パネルのサブメニューにアクセスできない問題の修正 (#28666)
   Plugins: 子孫関係にあるプラグインの署名検証の修正 (#28638)
   StatPanel: グラフ下の値の修正、および白黒テキストの混在に関する問題の修正 (#28641)
   TextPanel: テキストパネルが古い内容を表示してしまう問題の修正 (#28643)

Prometheus

Prometheus はオープンソースのモニタリングソリューションで、より高い次元のデータモデルを実装しています。パワフルなクエリ機能や精密なアラート、多数のクライアントライブラリにより、さまざまな要件にあったソリューションの構築を支援します。 Prometheus は完全なオープンソースで、コミュニティ主導で開発されています。

Server

Pagure Git ホスティングサーバ

Leap 15.1 で追加された Pagure Git ホスティングサーバは、 Leap 15.3 でも更新されています。 Leap 15.1 と Leap 15.2 と同様、既定では openSUSE 独自のテーマが提供されています。

Pagure は使いやすくカスタマイズに優れ、必要な全ての機能を備えた軽量な git リポジトリサーバを構築することができます。その他の有名な git ベースのサーバと同様、開発者や貢献者がコードを共有したり、相互に対話を行ったりする機能があります。なお、他の git ベースのサーバとは異なる機能も提供されていて、中央集権型ではない連合型のソフトウエアコードホスティングおよび開発を行うことができます。

Leap 15.3 では Pagure はバージョン 5.13.2 に更新されています。新バージョンにおける新機能は下記のとおりです:

  • プロジェクト内での "collaborator" ロールによるブランチ単位での書き込みアクセス ACL
  • プロジェクト管理のための新しい API エンドポイント
  • 通知メールを送信するための STARTTLS を使用するメールサーバへのサポート
  • インスタンス全体で新しいプロジェクトに適用する既定のメインブランチの設定
  • さまざまな API エンドポイントに対するページ制御の追加
  • PR フラグからコミットフラグへの移行 (API エンドポイントの PR フラグは廃止予定に)
  • PR を編集する際のターゲットブランチの更新へのサポート

5.5 もしくは 5.10.0 から 5.13.2 に更新する際の詳細については、 "/usr/share/doc/packages/pagure/UPGRADING.rst" をお読みください。

GNU Health

GNU Health は Tryton サーバ向けのモジュール集です。 GNU Health HMIS は下記のような機能を提供します:

  • Hospital Management Information System (HMIS)
  • Electronic Medical Record (EMR)
  • Health Information System (HIS)
  • Laboratory Information System (LIS)

GNU Health は受賞歴のある健康/医院管理システムで、本バージョンでは 3.8.0 が提供されています。 COVID-19 パンデミック追跡への対応のほか、更新された ICD-10 コードや改善された実験室機能などがあります。また新しい Dentistry パッケージも使用することができます。また、フリーな PACS サーバである Orthanc との直接インターフェイスも用意されています。

デスクトップ環境

Xfce

Xfce 4.16 では新しく大きな機能が提供されています。 Xfce の本リリースでは新しいビジュアルアイデンティティとして、アイコンやパレットなど、インストール当初から美しさを表すようになっています。また Settings Manager ではフィルタボックスの視覚が一新され、恒久的に隠すことができるようになりました。フィルタボックスの検索機能は、各ダイアログのランチャー (.desktop ファイル) の 'Comments' (コメント) パートも検索できるようになりました。電源マネージャの設定ダイアログはより分かりやすいものになり、 'バッテリー動作中' か '電源接続中' かが明確に識別できるようになりました。

既定のアプリケーションでは新しいダイアログになり、以前は 'MIME 設定' と 'お気に入りアプリケーション' として別々のダイアログだったものが統合されるようになっています。これにより、ファイルタイプやそれに対応するアプリケーションを簡単に選択できるようになっています。このほか高解像度ディスプレイへの対応やさまざまなサイズおよび密度への対応のため、 4.16 には X11 の RandR 拡張をベースにした小数点単位の拡大率設定に対応しています。ディスプレイのモードと縦横比の推奨値には、アスタリスク (*) が付くようにもなっています。

Thunar におけるコピーおよび移動のダイアログでは、容易に処理を一時停止できるようにもなっています。このほかファイル転送のキュー設定や、フォルダごとの表示設定、 Gtk テーマでの透過表示への対応なども追加されています。パネルではいくつかの注目に値する更新が提供され、 autohide や intellihide の際のアニメーション表示や従来の systray アイテムと StatusNotifier アイテムの両方に対応した新しい 'Status Tray' プラグイン、そしてダークモード対応やランチャーでの右クリックでの追加アクションの表示や '新しいインスタンスの起動...' のためのウインドウボタンなど、さまざまな機能が追加されています。

KDE

Plasma

Plasma 5.18 LTS は KDE Plasma チームが公開した 3 つめの長期サポート版です。 Leap 15.3 ではこの新しい LTS バージョンを提供しています。 Plasma 5.18 では通知が分かりやすくなっているほか、直感的な設定や対話性の向上など、さまざまな更新が行われています。 Plasma 5.18 は使いやすく面白いものに仕上がっており、同時に生産性を向上するための仕組みも備えています。

学校や企業、組織内で Plasma への更新もしくは移行をお考えの場合は、このバージョンが最適です。これは、もっとも安定した Plasma バージョンでありながら、新しい機能も同時に追加されているためです。

Plasma 5.18 には各種の使いやすい機能が追加され、日々の作業をよりやりやすくすることができます。たとえば新しい絵文字セレクタは、常に 2 つのキーストロークだけで起動できます。メタ (Windows) キーとピリオド (.) を押すだけです。あとは必要な絵文字を選んで、電子メールやソーシャルメディアの投稿、テキストメッセージや端末内などに貼り付けるだけです。

外観に関しても改善が続けられています。 Plasma 5.18 ではクライアント側での装飾を利用した GTK アプリケーションの対応が改善されています。これらのアプリケーションには適切な陰影やサイズ変更領域が追加され、フォントやアイコン、マウスカーソルなどの Plasma 設定を自動的に引き継ぐようになっています。また Plasma はさらに高速化され、スタートアップスクリプトも bash から C++ に更新され、かつ同時並行に動作するようになっています。このほか、公衆 WiFi ログインへのサポートも強化されています。

視力の低下を防ぐため、ナイトカラーモードに切り替えるための新しいシステムトレイウイジェットにも対応しています。キーボードショートカットによるナイトカラーモードと Do Not Disturb モードの切り替えにも対応しています。

システム設定

Plasma 5.18 のシステム設定するには、いくつか新しいものが追加されています。最も顕著な追加としては、ユーザフィードバック設定です。既定ではプライバシー保護のために無効化されています。また、仮想デスクトップのシステム設定も Wayland のサポートのために作り直され、 Thunderbolt デバイスを管理したり設定したりするための新しいパネルも追加されています。

フレームワーク

KDE フレームワークは 70 種類以上ものアドオンライブラリから構成されています。フレームワーク 5.76.0 は Gold Master 版として提供される予定のもので、この新しい KDE フレームワークには Baloo, Breeze Icons, KAuth, KActivities, KConfig, KIO, Kirigami, KWidgetsAddons, KWayland, Oxygen Icons など、さまざまなパッケージに対する変更が含まれています。主な変更点は下記のとおりです:

Breeze Icons

   48 ピクセルのダイアログ警告アイコンの追加
   media-repeat-single で番号 1 を使用するように変更
   git 無視ファイルの追加
   削除前のファイル存在チェック
   シンボリックリンク作成時に宛先ファイルを先に削除するように修正
   Okular 向けのいくつかの色モードアイコンの追加
   タスク完了アイコンの追加 (bug 397996)
   ネットワーク制限アイコンの追加
   スケーラブルテストの問題に対応するために 32 ピクセルの kup シンボリックリンクを apps/48 にコピー
   meeting-organizer アイコンの追加 (bug 397996)
   指紋アイコンの追加
   繰り返しタスク/繰り返しアポイントメントアイコンの追加 (bug 392533)
   Windows での一時的なアイコン生成の無効化
   kup.svg から preferences-system-backup.svg へのシンボリックリンク

Plasma フレームワーク

   BasicPlasmoidHeading コンポーネント
   ExpandableListitem ボタンをホバー時だけでなく常に表示するように修正 (bug 428624)
   [PlasmoidHeading]: 暗黙のサイズ設定を修正
   Breeze Dark および Breeze Light でのヘッダ色のロック (bug 427864)
   32 ピクセルと 22 ピクセルのバッテリーアイコンのアスペクト比の統合
   マージンヒントを toolbar.svg に追加、 PC3 ツールバーの再構成
   PC3 への AbstractButton と Pane の追加
   コンテキストアクション内での排他アイコングループへの対応
   不可視状態でも BusyIndicator が回転する問題への修正 (再度)
   モバイルタスク切り替えアイコンに色が適用されていない問題への対応
   Plasma モバイルタスク切り替えの追加とアプリアイコンの閉じるボタンの追加 (タスクパネル)
   PlasmaComponents3 でのメニュー更新
   ComboBox.contentItem に存在していた不要なアンカーの削除
   スライダーハンドルの位置修正
   [ExpandableListItem] 必要に応じた展開ビューの読み込み
   PlasmaCore.ColorScope.inherit: false の追加
   ルート要素への PlasmoidHeading colorGroup の設定
   [ExpandableListItem] 色つきのテキストを完全に不透明に修正 (bug 427171)
   BusyIndicator: 不可視時に回転しないように (bug 426746)
   自動補完への対応のためComboBox3.contentItem を QQuickTextInput に修正 (bug 424076)
   FrameSvg: サイズ変更時にキャッシュをリセットしないように修正
   ショートカット有効時にプラズモイドを切り替え (bug 400278)
   TextField 3: 必要なインポートの追加
   plasmavault_error アイコンの ID 修正
   PC3: TabButton ラベルの色の修正
   ブール値ではなくヒントを使用するように修正
   プラズモイドでマージンを無視するように修正

アプリケーション

KDE アプリケーションはバージョン 20.04.2 に更新されています。このバージョンではミュージックプレーヤ Elisa の改善のほか、 Dolphin の検索タグの改善や KDE のビデオ編集アプリケーションである kdenlive の編集の高速化などが行われています。

GNOME

Leap 15.3 では GNOME 3.34 (Thessaloniki という名称が付けられています) が提供されています。このバージョンでは多数の新機能やバグ修正、そしてパフォーマンス改善が行われています。

フォルダ管理

アプリケーションのオーバービューでは、ドラッグ&ドロップの操作でフォルダの作成や名前変更、削除を行うことができるようになりました。これによりアプリケーションの管理が簡単になり、より見やすい形式にすることができます。オーバービューの視覚スタイルのほか、検索語句入力のフィールドやログインパスワードフィールド、オーバービューのウインドウ強調表示なども改善されています。

icon-grid-drag.png

アクセシビリティ

古いアクセシビリティ機構は Wayland では動作しませんでした (Wayland ではグローバルな座標系にアクセスできず、ポインタも操作できなかったため) 。 3.34 ではポインタ位置の表示やクリックアシストなどが gnome-shell/mutter に移行され、 X11 でも Wayland でも動作するようになっています。


背景のプレビュー

設定での背景パネルが完全に書き換えられ、背景のプレビュー表示がやりやすくなっているほか、メインスクリーンやロックスクリーンに対して背景を選択できるようになっています。

background-panel.png

アプリケーション

GNOME の中枢アプリケーションに対する改善としては、新しいアイコンや Web のサンドボックスアクセス、 Music でのギャップ無し再生や Terminal での双方向テキストへの対応、そして Software 内でのフィーチャーアプリ機能など、さまざまな改善が行われています。

技術的な詳細については、 full release notes (英語) をお読みください。

一般的な改善点

Linux カーネル

Leap 15.3 では 5.3.18 Linux カーネルを使用しています。 Leap 15.3 でのカーネルは SUSE Linux Enterprise 15 Service Pack 3 で使用されているカーネルと同一で、 SUSE 側で管理されるようになっています。この Linux 5.3 カーネルでは AMD Navi GPU へのサポートのほか、新しい IPv4 アドレスへの対応も行われています。このほか、 RISC-V コードの改善もこのカーネルに含まれていて、 Intel Xeon サーバでの Intel Speed Select との互換性もあります。

ハードウエアサポート

Leap 15.3 は x86_64, aarch64, PowerPC (ppc64le), s390x の各ハードウエアで動作します。物理ハードウエアのほか、仮想環境のホストやゲスト、クラウドにも配置することができます。

GNU Compiler Collection

systemd

Leap 15.3 では systemd バージョン 246.10-1.10 が提供されていて、さまざまなバックポート修正や更新が含まれています。このシステム/サービスマネージャは Linux システムにおける基本構造を提供するもので、 PID 1 で動作してシステムのその他の起動処理を行います。

systemd は積極的な並列処理機能を提供し、ソケットや D-Bus のアクティベーション処理を利用してサービスを起動するほか、必要時のデーモン起動や Linux のコントロールグループを利用したプロセス追跡、マウント処理やマウントポイントの管理、複雑なトランザクション依存関係ベースのサービス制御ロジックを提供しています。このほか systemd では SysV および LSB の初期化スクリプトにも対応していますので、 sysvinit の代替としても使用することができます。

systemd ではこのほかに、ログ記録デーモンやホスト名/システム日時/ロケールなどを制御するためのユーティリティや、ログインユーザの一覧やコンテナ/仮想マシン、実行時ディレクトリや設定、シンプルなネットワーク設定や時刻同期、ログ転送や名前解決などの管理機能も提供されています。

Mesa

Mesa 20.2.4 はバグ修正版で、 OpenGL 4.7 API を実装しているバージョンですが、 glGetString(GL_VERSION) もしくは glGetIntegerv(GL_MAJOR_VERSION) / glGetIntegerv(GL_MINOR_VERSION) で報告されるバージョンは、使用しているドライバによって異なります。ドライバによっては OpenGL 4.6 で必要となる全ての機能には対応していないものもあります。 OpenGL 4.6 は、コンテキスト作成時に要求した場合にのみ使用することができます。互換性コンテキストを使用した場合は、ドライバによってはより低いバージョンを報告する場合があります。

また Mesa 20.2.4 では Vulkan 1.2 API を実装していますが、 VkPhysicalDeviceProperties 構造体の apiVersion プロパティで報告されるバージョンは、使用しているドライバによって異なります。

セキュリティ/ネットワーク/プライバシー

AppArmor

AppArmor パーサは、 AppArmor セキュリティカーネルモジュールに対してプログラムプロファイルを読み込む際に使用するユーザレベルプログラムです。 AppArmor 2.13.6 は AppArmor セキュリティプロジェクトが提供するユーザスペースコンポーネントのメンテナンスリリース版で、カーネル側のコンポーネントは個別に開発され提供されています。このバージョンのユーザスペースプログラムは、 2.6.15 もしくはそれ以降の全てのカーネルバージョンで動作するはずのものです。

dehydrated / letsencrypt

Dehydrated は ACME サーバ (現時点では Let's Encrypt でのみ使用されているサーバ) に対して、署名要求を送信して証明書を受け取ることができるクライアントです。比較的シンプルな bash スクリプトで実装されています。

このクライアントは実際の鍵や証明書を扱うにあたって、 openssl ユーティリティを利用していますので、このユーティリティをインストールしておく必要があります。

それ以外には、下記のようなプログラムが必要となります: cURL, sed, grep, mktemp (cURL 以外はほぼ全てのシステムで利用できるはずのものです)

現時点での機能:

  • ドメイン一覧の署名要求
  • CSR の署名要求
  • 期限切れ時、もしくは SAN (サブドメイン) 変更時の更新要求
  • 証明書の失効要求

OnionShare

OnionShare はファイルを安全に、かつ匿名で共有することのできるアプリケーションです。 Web サーバを起動することによって動作し、 Tor Onion サービスとしてアクセスできるようになります。ファイルの共有にあたっては、推測のできない URL を生成してファイルをダウンロードできるようにします。別途のサーバやサードパーティ製のファイル共有サービスは不要です。ファイルはプログラムを動作させるマシン内に保持されます。受信者は Tor ブラウザを開いて URL を入力するだけです。 Leap 15.3 ではバージョン 2.2 が提供されています。

Tor

TCP 向けの匿名化オーバーレイネットワークです (The Onion Router の略です) 。

Tor は接続ベースの低遅延匿名通信システムです。このパッケージには "tor" と呼ばれるプログラムが含まれていて、このプログラムはクライアントとしても中継ノードとしても動作します。インストール時のスクリプトでは "tor" というユーザとグループを自動的に作成し、システムの起動時にデーモンとして動作するように設定されます。アプリケーションはローカルの Tor プロキシに対して SOCKS プロトコルで接続を行い、 tor クライアントは複数の中継を経由するように設定されます。中継では中継元と中継先の情報のみが伝えられますが、それ以外の情報は伝えられません。また、この通信経路を経由する通信は各中継サーバで対称鍵による暗号化が行われます。警告: Tor ではプロトコルクリーニングは実施していません。そのため、アプリケーションプロトコルや関連するプログラムが、発信者に関する情報を明らかにするよう誘導される危険性があります。 Tor は Privoxy や類似のプロトコルクリーナを利用してこの問題を解決しています。また、これはアルファ版のコードであり、匿名性を台無しにしてしまうようなバグが存在する可能性があることに注意してください。さらに、現時点でのネットワークは小さいため、提供される匿名性の強度も弱いことに注意してください。 Tor は強い匿名性を必要とする用途には不適切です。

パッケージマネージャ

DNF パッケージマネージャ

DNF は次世代の依存関係解決器および高レベルなパッケージ管理ツールであり、 YUM (Yellowdog Updater, Modified) と libsolv という 2 つのプロジェクトの後継でもあります。 DNF は数年前に YUM から分離独立してできたもので、 libsolv を利用するように書き直されているほか、多数のコードベース改善によって DNF の拡張 (プラグインやフック) に関する正当な API が提供されるようになり、 API を利用したアプリケーション (たとえばグラフィカルなフロントエンドやシステムのライフサイクル自動化フレームワークなど) も容易に作成できるようになりました。

DNF は YUM と比べると、 Python API の管理や文書化が進んでいて、問題点の報告が拡張されているほか、弱い依存関係の追跡がより高度になっていたり、依存関係のサポートが広がっていたり、処理の実行時のトランザクション情報がより詳しく表示されたりなど、さまざまな改善が図られています。

DNF Python API は安定していてサポートも提供されていますが、 libdnf や hawkey API (C/C++, Python の各言語に対応) については不安定で、将来バージョンでは変更される場合があります。

これに加えて、 DNF の軽量 C 言語実装版として "Micro DNF" も用意されています。これは完全機能版の DNF を必要としない、シンプルなパッケージ管理に使用されるよう設計されているもので、できる限り簡易に動作するようになっています。特にコンテナやアプライアンス内での利用に最適です。

このほか、 DNF を使用する 実験的な 代替 PackageKit バックエンドも利用できます。

主な新機能:

  • 既定で有効化される "sticky vendors" 機能への対応。 /etc/dnf/dnf.conf 内に "allow_vendor_change=True" を設定することで無効化できます。
  • Micro DNF および PackageKit でのトランザクション型更新への実験的なサポート。この機能は、 KIWI イメージ構築ツールでイメージを作成する際に必要となります。
  • DNF を利用したオフライン更新への実験的なサポートも利用できます。
  • 実験的な "opensuse/leap-dnf" および "opensuse/leap-microdnf" ベースコンテナも利用できます。

DNF は、現時点では openSUSE のリポジトリをソフトウエア管理に使用するよう設定されていません。しかしながら、 "libdnf-repo-config-zypp" パッケージを利用することで、 YaST や Zypper パッケージマネージャで使用されているリポジトリ設定を DNF で利用することができます。このほか、 "rpm-repos-openSUSE-Leap" パッケージには、 Zypper/YaST とは別に独自の安定したリポジトリ設定が含まれています。

なお、 Leap から Tumbleweed へのアップグレードは、 "rpm-repos-openSUSE-Tumbleweed" をインストールし、 "dnf --refresh offline-distrosync" を利用した場合にサポートされるようになっています。 "libdnf-repo-config-zypp" または "rpm-repos-openSUSE-Leap" がインストールされている場合は、 "dnf install --allowerasing rpm-repos-openSUSE-Tumbleweed" を実行することでアップグレードを行うことができます。

Zypper

生産性

印刷システム

CUPS

CUPS は標準化されたプロトコルを利用するオープンソースの印刷システムです。 CUPS はインターネット印刷プロトコル (Internet Printing Protocol (IPP)) を利用して、ローカルやネットワークのプリンタに印刷データを送信します。 CUPS 2.2.7-3.20.1 では、スケジューラ内でのバグ修正のほか、 IPP の任意箇所でのサポート、 CUPS ライブラリや USB プリンタサポートなどが含まれています。

アプリケーションスイート/金融関係/DTP

Libreoffice

LibreOffice はフリー/オープンソースのオフィススイートで、 The Document Foundation のプロジェクトでもあります。 LibreOffice は広範囲な機能を提供するオフィスパッケージで、ワードプロセッサや表計算、プレゼンテーションなどのオフィス機能を提供します。

Leap 15.3 での LibreOffice についての新機能について、詳しくは リリースノート (英語) をお読みください。

LibreOffice 7.1.1 は LibreOffice の新版で、新機能やプログラムの拡張など、各種の興味深い機能が追加されています。

Write

一般的な改善点は下記のとおりです:

ページコンテンツフレームの下部からの相対位置としてシェイプを設定できる機能
新しく追加した画像に対する既定のアンカー設定 (ツール > オプション > LibreOffice Writer > 書式サポート)
ロケールに依存しないブログ投稿の雛形に対応

Calc

一般的な改善点は下記のとおりです:

Enter キーでの貼り付けを無効化するオプションの追加 (ツール > オプション > LibreOffice Calc > 全般)
チェックボックスだけでなく、項目の行全体をクリックして自動フィルタの項目を選択できるように修正
シート内の行や列が凍結されている場合、 Calc が数式参照の設定に失敗した際の入力ボックスの問題の修正
ソルバーダイアログに対する "全てリセット" ボタンの追加

Impress および Draw

Draw による既存の PDF ファイルへの視覚的なデジタル署名の追加
Impress でのアニメーション一括変更機能の追加
プレゼンテーションコンソールに対する "終了" ボタンの追加
プレゼンテーションコンソールに対する "一時停止/再開" ボタンの追加
オブジェクトに対するリアルで柔らかくぼやけた影の追加

Skrooge

Skrooge は資産管理を行うためのパワフルなソフトウエアです。機能の入力や追跡、分析などを行うためのさまざまな機能が存在しています。バージョン 2.24.6 は Leap 15.2 で提供されていたバージョンからの更新で、このバージョンではインポートを支援するため、アカウントに対して別名が設定できるようになっています。また、暗号資産の情報を追跡する機能も追加されています。

Scribus

Scribus (/ˈskraɪbəs/) はオープンソースのデスクトップ出版ソフトウエアで、プロフェッショナル品質の出版を行うための配置や組版、ファイルの準備などを行うことができます。 Scribus はアニメーションや対話的な PDF プレゼンテーションやフォームにも対応するほか、新聞やパンフレット、書式やポスターなどを御作成することができます。 Leap 15.3 での Scribus はバージョン 1.5.6 で、スペルチェッカーのクラッシュ問題を解決しています。

電子メールクライアント

ThunderBird

Mozilla Thunderbird はフリーな電子メールアプリケーションで、設定やカスタマイズを簡単に行うことができる優れた機能が特長です。 Leap 15.3 では Thunderbird 78.7.1 が提供されています。 Thunderbird の新機能としては、 CardDAV アドレス帳が OAuth2 や Google Contacts に対応するようになった点があげられます。なお、古い API を使用するアドオンはインストールできなくなっています。下記のような修正が行われています:

無効化されるべきタイミングでもメール送信ボタンが有効化されてしまっていた問題への対応
MacOS で Command+Enter を押してメールを送信する機能が動作していなかった問題への対応
OpenPGP: 解読後に含まれているバイナリデータを含む添付の保存に失敗していた問題への対応
グローバルな検索 UI の修正
使いやすくするための各種テーマ/色の修正

Evolution

Evolution はモジュール型のコンポーネント (現時点ではメール/カレンダー/アドレス帳) から構成されているアプリケーションで、日々の暮らしをより簡単にするためのアプリケーションです。モジュール型の設計であることから、新しいコンポーネントを追加するのも用意であるほか、他のアプリケーションへの組み込みにも対応しています。

Roundcube

Roundcube 1.3.15 はブラウザベースの多言語対応 IMAP クライアントで、アプリケーションに似た使い心地を提供するアプリケーションです。 MIME サポートのほか、アドレス帳やフォルダ操作、メッセージ検索やスペルチェックなどの機能が用意されています。 Roundcube Webmail は PHP で記述されていて、 MySQL データベースを使用します。ユーザインターフェイスは XHTML と CSS 2 を利用することで変更することもできます。

ブラウザ/Web 検索

Chromium

Leap 15.3 では Chromium 89 が提供されています。 Chromium は Google Chrome のオープンソース版であり、インターネットの全てのユーザに対して安全で高速、かつ安定したプラットフォームを提供し、 Web の利便性とパワフルさを提供することを目指しています。

Firefox

Mozilla Firefox は単独で動作する Web ブラウザで、標準への準拠と性能に注力して開発されています。機能はさまざまな拡張で追加することができます。 Leap 15.3 では Firefox の拡張サポートリリース (ESR) の 78.7.1 が含まれ、ファイルシステムの破壊に繋がる NTFS 特殊パスへのアクセス防止機能などが含まれています。

GNOME Web ブラウザ

Epiphany は GNOME デスクトップ向けの Web ブラウザで、シンプルさと標準への準拠を原則としています。

アプリケーション

マルチメディア

Leap 15.3 には映像や音楽に対応するさまざまなマルチメディアアプリケーションが用意されています。下記はアプリケーションの一部を紹介したものであり、このほかにもさまざまなものが Leap にはあります:

Amarok

Amarok は MP3, Ogg Vorbis, オーディオ CD, podcast, ストリームなど、さまざまな種類のメディアに対応したメディアプレーヤです。プレイリストとしては .m3u, .pls ファイルに対応しています。

Audacious

Audacious はオーディオプレーヤです。 Qt をベースにしていて、さまざまなオーディオコーデックに対応しています。また、ユーザインターフェイスのスキンにも対応しています (Winamp 2.x スキンをベースにしています) 。歴史上の経緯から、 XMMS のフォークのフォークとして開発され始めたものです。

Brasero

Brasero は CD/DVD の書き込みを行うことのできる GNOME デスクトップ向けアプリケーションです。データ CD/DVD であればマルチセッションや Joliet 拡張にも対応し、その場でのイメージ生成も行うことができます。ファイルマネージャでは不要なファイルを自動的に無視するようになっているほか、 RedBook オーディオ CD では CD-TEXT や Ogg/FLAC 等からの即時変換やトラック間の無音設定も行うことができます。 Brasero は CD/DVD のコピーにも対応し、イメージファイルの作成やその逆も行うことができます。このほか、 BIN/CUE にも対応しています。

Elisa

Elisa はアルバムやアーティスト等で参照することのできるミュージックライブラリ機能付きのミュージックプレーヤです。独自の索引を作成することができるほか、 Baloo 等を使用することもできます。独自の索引を作成する場合は、パスを指定して作成することができます。 Baloo 独自の索引機能は、必要なデータ全てを独自のデータベースから提供する形であることから、より高速に動作します。プレイリストも構築して使用することができます。

GNOME MPV

MPV 向けのシンプルな GTK+ フロントエンドです。

Hydrogen

リアルタイムなドラムマシン/シーケンサー

Hydrogen は単独で使用することのできるソフトウエアシンセサイザで、パターンベースのドラムマシンを擬似したり、外付けの MIDI キーボード/シンセサイザソフトウエア経由で利用したりすることができます。モジュール型の構成で Qt4 ベースのグラフィカルインターフェイスが用意されていて、サンプルベースのステレオオーディオエンジンが提供され、 PCM 形式でのサンプル取り込みにも対応しています。これに加えて、パターンベースのシーケンサーではパターンを組み合わせて曲に仕立てることができます。最大でパターンごとに 64 ticks に対応するほか、イベントごとに個別のレベルを設定したり、可変パターン長にも対応しています。 32 個のインストルメントトラックには音量や無音、ソロ、パンなどの機能を割り当てることができ、インストルメントではマルチレイヤサポートも含まれています (各インストルメントごとに最大 16 サンプル) 。人間の速度や時間、ピッチやスウィング機能も実装されています。

VLC

VLC 3.0.11.1 リリースでは、直近の更新で発生していた特定プラットフォームでのオーディオ生成の回帰問題を解決しています。 これに加えて、 HLS ストリームの再生改善や WebVTT サブタイトル、 UPnP 検出も改善されています。

修正

  • HLS 回帰問題の修正
  • MacOS の起動時における潜在的なクラッシュ問題の解決
  • m4a ファイルにおける不正確なシーク問題の解決
  • Android でのリサンプリングの解決
  • MacOS での Blu-ray マウントポイントの表示時にクラッシュする問題の解決
  • MacOS での不要なパーミッション問題の回避
  • MacOS で再生を一時停止したときの恒久的な無音問題の解決
  • AAC 再生時の回帰問題の修正
  • セキュリティ問題の修正

Sway

Sway 1.4 はタイル型の Wayland コンポジタで X11 での i3 ウインドウマネージャの即時の置き換えとして使用できるものです。既存の i3 設定でそのまま動作し、ほとんどの i3 の機能に対応しているほか、追加の機能もあります。

Tilix

Tilix は高度な GTK3 タイリング端末エミュレータで、 GNOME のヒューマンインターフェイスガイドラインに沿ったアプリケーションです。このリリースではバージョン 1.9.4 が提供されていて、下記のような機能やバグ修正が含まれています:

機能:

* Yaru 色スキームの実際のインストール
* 各タブへの ${title} の追加 ("Default" ではなく)
* 貼り付け時の末尾の空白の削除オプションの追加 (#1904)

バグ修正:

* 保存済みのセッションを保存する際の問題の修正
* "全て非選択" ショートカットの追加
* 多数の Meson ビルドシステムの修正
* URL をエンコードする際に直前のコマンド終了コードを失う問題の解決
* いくつかの D 廃止予定メッセージの解決
* README での powerline/fonts への言及
* 共有オブジェクトに対する `values()` 呼び出しの回避
* metainfo データの更新
* 古い D フロントエンドバージョンに対する互換コードの削除
* 最小 VTE バージョンの 0.46 への更新
* 古い autotools サポートの削除
* リリースノート, NEWS ファイル, 自動 metainfo 更新の追加
* GtkD 3.9.0 への更新


グラフィック/写真・映像編集

Blender

Blender (2.92) は 3D モデリング/レンダリングパッケージです。 Blender 自身も高品質なアニメーションスタジオであることから、 Blender ソフトウエアが非常に高速で多用途なデザイン設計器として使用できることを証明しています。このソフトウエアは個人用の雰囲気がありながらも、ユニークなアプローチで 3D の世界を提供しています。 Blender は TV コマーシャルや技術的な可視化、ビジネスグラフィックやモーフィング表示やユーザインターフェイスの設計など、さまざまな用途に対応しています。複雑な環境を構築したり管理したりするのも容易で、レンダラは多用途かつ非常に高速です。全てのアニメーション原則 (カーブ & キー) もよりよく実装されています。モデリングやスカルプティング、テクスチャリング (ペインティング, ノードベースのシェーダマテリアルなど), UV マップ, リギングや制約、ウエイトペインティングやパーティクルシステム、シミュレーション (流体, 物理, ソフトボディダイナミクス, 外部クラウドシミュレータ), レンダリング, ノードベースの合成, 非リニアビデオ編集などのツールも含まれています。このほか、リアルタイムな対話的な 3D を使用するゲームエンジンが含まれているほか、クロスプラットフォーム対応のゲーム作成および再生機能も用意されています。

ImageMagick

Leap にはバージョン 7.0.7.x が含まれています。 ImageMagick は TIFF, JPEG, PNG, PDF, PhotoCD, GIF など、多数の画像形式に対応した読み込み/書き込み/操作ツールおよびライブラリ集です。 ImageMagick を使用することで、画像を動的に作成することができますので、 Web アプリケーションでの画像生成やコマンドラインでの画像生成、そして C, C++, Perl ベースのプログラミングインターフェイスを介した画像生成にも対応しています。

Kdenlive

Kdenlive はオープンソースのビデオ編集ソフトウエアです。開発者の小さいチームで管理されていて、公式の KDE プロジェクトの一部としても存在しています。このバージョンではプレビュースケーリング機能による速度の改善のほか、新しいレーティング機能やタグ/ソート機能、プロジェクトビン内でのクリップフィルタリングなどの機能が用意されています。さまざまな輝かしい機能だけでなく、このバージョンでは 40 種類もの安定性の問題が解決されているほか、ユーザエクスペリエンスの大きな改善も行われています。

RawTherapee

RawTherapee はパワフルでクロスプラットフォーム対応の raw 画像処理システムで、フリーソフトウエア (GPLv3) として公開されているものです。 raw ファイルをさまざまなデジタルカメラの出力から生成し、デジタル画像処理がどのように動作しているのかを知りたい初心者から、プロフェッショナルの写真家まで、さまざまな人に向けられています。 RawTherapee は画像処理におけるパワフルな機能を提供し、写真によるクリエイティビティを支援します。

ゲーム

openSUSE Leap 15.3 には数多くの楽しいゲームが用意されています。アーケードゲームのほかロジックゲームやボードゲーム、戦略型ゲームやアクションゲームなど、さまざまなものがあります。また、子供向けのゲームやアドベンチャーゲームもあります。

0AD

0 A.D. (ゼロエーディー) はリアルタイム型の戦略ゲーム (RTS) で、古代の戦争をモチーフにしているものです。紀元前 500 年から紀元後 500 年くらいの範囲で、西洋文明の歴史を再現したり書き換えたりすることができる戦争/経済ゲームです。このゲームでは 3D の精細なグラフィックが提供されているほか、サウンドや柔軟なゲームエンジンも搭載されています。

Blinken

"Simon Says" という子供向けのゲームです。いわゆる記憶ゲームです。

FlightGear

FlightGear はオープンソースのフライトシミュレータです。さまざまなプラットフォームに対応し、世界中のさまざまな地域に在住しているボランティアによって支えられているプロジェクトです。プロジェクト全体のソースコードは GNU General Public License で公開されています。 Leap では 2018.3.x のバグ修正版を提供しています。

FreeOrion

FreeOrion はターンベースの宇宙帝国/銀河征服 (4X) ゲームです。 Master of Orion と呼ばれるゲームにヒントを得て作られたものですが、クローンやリメイクの類ではありません。

GCompris 教育ゲーム

GCompris-Qt は 2 歳から 10 歳程度の子供向けに提供されている、さまざまなアクティビティを組み合わせた教育向けソフトウエアスイートです。アクティビティのうちのいくつかはゲーム指向のものですが、教育目的でも利用できます。現時点では GCompris は 100 種類以上のアクティビティを提供しています。新しいアクティビティを追加したり、アクティビティに独自のゲームスキームを実装させたりすることもできます。これは QtQuick 技術を利用した GCompris の書き換え版です。

SuperTuxKart

SuperTuxKart はフリーの 3D カートレーシングゲームです。主にリアルさよりも面白さを追求して作られています。 1 台の PC で最大 4 人まで参加できる仕組みで、お互いに競い合ったり、コンピュータを打ち負かしたりすることができます。風景には灯台やピラミッドが現れますし、砂漠を旅するようなこともできます。宇宙空間を飛んで星空を眺めることもできますし、砂浜の木陰で休むこともできます (他のカートに追い越されることになりますが :) ) 。ですが、バナナを食べたりしないでください。ボーリングのボールやプランジャー、バブルガムやケーキなどが投げつけられることがあります。他のカートとの競争だけでなく、グランプリの 1 つに参加したり、タイムトライアルに参加したり、友達とバトルモードで遊んだり、さまざまなことができます。

プログラミング言語

Go

openSUSE Leap 15.3 では、最新の Go リリースであるバージョン 1.15 が利用できます。ほとんどの変更点はツールチェインとランタイム、ライブラリの実装の変更で、 Go 1 互換性約束を守っています。 Golang チームではほぼ全ての Go プログラムを従来通りコンパイルして実行できるよう努めています。

Go 1.15 にはリンカの大幅な改善のほか、コア数の多い小さなオブジェクトの割り当て改善と、 X.509 CommonName の廃止予定マークが設定されています。また GOPROXY にはエラー返却時のスキップ機能や、新しい組み込み tzdada パッケージが追加されています。

Go 1.15 には新しいパッケージである time/tzdata が含まれています。これは組み込みのタイムゾーンデータベースで、このパッケージを取り込む (import _ "time/tzdata") ことで、ローカルシステム内にタイムゾーンデータベースが無くても、タイムゾーン情報を取得できるようになります。また、 -tags timetzdata を指定することで、タイムゾーンデータベースを組み込むこともできます。いずれのアプローチであっても、おおよそ 800 KB 程度の追加プログラム容量が必要となります。

Perl

Perl 5.26.1 はユーザと開発者の活気に満ちたコミュニティにより、今もなお繁栄し続けています。本リリースにはいくつかのセキュリティ修正がバックポートされているほか、 5.26.1 リリースにはいくつかのバグ修正もあります。このほか、 Leap 15.3 では Perl Mojolicious 8.66 と PerlMagick 7.0.7.34 も提供されています。

PHP 7

PHP は特に Web 開発の世界に最適な汎用スクリプト言語です。高速で柔軟、かつ現実的な仕組みでもあります。 PHP はブログからほとんどの著名な Web サイトまで、さまざまな Web に力を与えています。 PHP 7.4.6 は特に性能向上とコードの可読性に注力したリリースです。最も興味深い機能や変更としては、配列表現でのスプレッド演算子と、アロー関数におけるより短い、明確な書式の導入があげられます。

Python

Leap 15.3 では Leap 15.2 と同様に、 Python 3.6.12 が含まれています。 Python はモダンなインタプリタ型/オブジェクト指向プログラミング言語で、 Tcl, Perl, Scheme, Java などとよく比較されます。 Python 全体の概要やチュートリアルをお読みになりたい場合は、 python3-doc パッケージ内に含まれるドキュメンテーションをお読みください。パッケージ内には readline で提供されるリッチなコマンドライン機能のほか、インタプリタコア内での sqlite3 サポートなど、 "拡張" ランタイムも含まれています。ほとんどの用途では "python3" パッケージのインストールだけで十分ですが、 UI ツールキットサポート (python3-curses, python3-tk) や古い UNIX データベースバインディング (python3-dbm) 、そして IDLE 開発環境 (python3-idle) もお使いいただけます。

新しい書式機能:

PEP 498: フォーマット済み文字列リテラル
PEP 515: 数値リテラルにおけるアンダースコア
PEP 526: 変数アノテーションの文法
PEP 525: 非同期ジェネレータ
PEP 530: 非同期内包表記

セキュリティの改善点:

アカウント認証やトークンなどの機密生成に適切な、暗号的に強度の高い擬似乱数生成を単純化するための新しい機密モジュールの追加
Linux の os.urandom() では、システムの urandom エントロピープールが初期化されるまで待機するよう変更し、セキュリティの向上を実施 (理論的な根拠については PEP 524 を参照)
hashlib および ssl モジュールの OpenSSL 1.1.0 サポートの追加
ssl モジュールの既定の設定と機能セットの改善
hashlib での BLAKE2, SHA-3, SHAKE の各ハッシュアルゴリズムの追加、および scrypt() 鍵導出関数の追加

Ruby

Ruby 2.5 にはさまざまな機能追加や性能改善が行われています。主な変更は下記のとおりです:

分岐やメソッドのカバレッジ測定機能。分岐のカバレッジは、分岐のうちのどちらが実行済みで、どちらが未実行であるのかを示すものです。メソッドのカバレッジはどのメソッドが実行済みで、どちらが未実行であるのかを示すものです。これらの新機能を持つテストスイートを実行すると、分岐やメソッドのカバレッジ割合がより正確に算出されるようになります。
我々が最も愛するライブラリである pp.rb が自動的に読み込まれるようになりました。わざわざ require "pp" を記述する必要はありません。
Hash#slice [Feature #8499] および Hash#transform_keys [Feature #13583]
Struct.new ではキーワードパラメータを受け付けるクラスを作成できるようになりました [Feature #11925]
ブロックパラメータ (例: def foo(&b); bar(&b); end) によるブロック受け渡しが、 “Lazy Proc allocation” 技術のおかげで Ruby 2.4 比で 3 倍程度高速化されています [Feature #14045]
Mutex がより小さく、高速に書き換えられました [Feature #13517]

Rust

Rust は信頼できる効率的なソフトウエアを構築するためのプログラミング言語です。 Leap 15.3 では Rust 1.43.1 が提供されています。 Rust は人気の高いプログラミング言語として現れ、これ自身がシステムプログラミング言語として作られた経緯から、安全性/速度/並行性という 3 つのゴールを設定しています。 Rust はこれらのゴールをガーベージコレクタ無しで実現しようとしていて、さまざまな用途で利便性を高めています。また、全てのデータ競合を排しながら、同時に実行時のオーバーヘッドを生成しないコンパイル時の安全性チェックを数多く行うことで、この領域での言語環境を改善しようとしています。また Rust は "ゼロコストの抽象化" を目指していて、高級言語のような抽象化を実現しながら、同時に低水準言語のように正確な制御を可能にしています。